アーグラは16世紀のインドの都市、アーグラを舞台にした2~4人用のボードゲームです。プレイヤーは地主としてアクバル大帝の誕生日を祝うために、名士の力を借りながらさまざまな商品を集めます。勝利点などはなく、ゲーム終了時にもっともお金(ルピー)を多く持っているプレイヤーの勝利です。
アーグラ(agra)について
各プレイヤーは個人ボードと労働者コマ、農夫コマ、瞑想トラッカー、プレイヤーマーカー、カバータイル、布袋、2ルピーを受け取ります。他にゲームボード(かなり大きめです)と帝国ボードを準備します。帝国ボードは立体になっており、傾斜があります。
手番には3つのフェイズがあります。
1.瞑想フェイズ(任意)
ボード上にある自分の労働者コマを倒してMPを獲得し、それを使って瞑想アクションを行います。
2.アクションフェイズ(必須)
ボード上に労働者コマを配置するか、すでに配置されている労働者コマを使ってアクションを実行します。
3.注文フェイズ(任意)
アクバル大帝かギルドに商品を配送します。
その他に自分の手番中にいつでもできる補助アクションがあります。
これを繰り返し、3つある勝利条件のうち、いずれか1つを満たしたら、そのラウンドを最後まで行い、さらにもう一手番ずつ行ってゲーム終了です。
終了時に入るボーナスなどを換金し、もっとも所持金が多いプレイヤーの勝利です。
選択肢が多いフリーアクションと複雑なリソースマネージメント
全員が初プレイだったので、ルールブックに沿ってルール説明をしていき、4人で最後まで遊んでみました。
まずセットアップとルール説明で80分、それからプレイ時間が3時間半とトータルで5時間近くかかりました。
簡単に説明すると、資源を加工して、それを納品するのが主な目的なのですが、さまざまな要素が組み合わさり、考えるべきことがとても多いです。3時間以上かかるボードゲームを遊んできた面々でしたが「難しい」という声が多かったです。
ゲームを難しくしている1つの要素がコンポーネントです。
ゲームボードは絵画調できれいなのですが、ゲームとしてはかなり見づらいです。プレイ中にダイスを振ってコマを移動させることがあるのですが「あれ?このマスの次どこ??」ということが起こります。また、どこからどこに加工できるのかというのは白い矢印で書かれているのですが、これもまた絵に紛れてしまって見づらいです。
アクションスペースが整然と並んでいない上に、矢印が見づらいので、序盤は何が何に変わるのかしっかり確認しておくことをお勧めします。
もう1つが資源です。
資源となる商品は16種類あります。これだけでも大変なのですが、意味が二重にあるのでややこしいです。
たとえば木材とターメリックは価値1の商品ですが、木材は建設資材でターメリックはそうではありません。同じようにセメントと油は価値2ですが、セメントだけが建設資材です。木材とセメントは価値は異なりますが、どちらも建設資材です。また、砂岩は価値1の建設資材でもあり、基本資源です。それに対して綿花は基本資源ですが、建設資材ではありません。こう書いて説明しているだけでも、だいぶややこしいことが分かると思います。
そしてもう1つがフリーアクションの多さです。
アーグラでは補助アクションと呼びますが、これが大きく分けて油・カレーアクション、好意アクション、贅沢品アクションと3種類あります。さらにそれぞれが複数個あり、自分の手番ならば任意のタイミングで実行できるので、選択肢が膨大にあります。長考しがちな人はここでかなり悩むのではないでしょうか。
最後が配送です。
アーグラでは配送先が名士、ギルド、アクバル大帝の3つあるのですが、注文フェイズで配送フェイズで配送できるのはギルドかアクバル大帝のどちらかです。名士に配送するには船頭アクションを行うのですが、このアクションでもギルドに配送することができます。ただし、船頭アクションで送付するときは2個目以降に配送料がかかります。配送料は商品で支払い、商品1つだけを戻すことで、その価値分の商品を送ることができます。
どのアクションがどこに送れて、どういったコストがかかるかを把握していないと後半になって「え?そうなの?」となる可能性大です。
このようにさまざまな要素がゲームのハードルを高めています。そのため、初回プレイではなかなか面白さを感じづらいかもしれません。しかし、いろいろ試してみたくなるのも確かで、2回目から俄然面白くなるという可能性もあります。
とりあえず近いうちに再プレイしてみて、また感想を書こうと思います。