[書評] 知的生産の技術とセンス 知の巨人・梅棹忠夫に学ぶ情報活用術 / 堀正岳・まつもとあつし(マイナビ新書)

知的生産という言葉を耳したことがありますか。
今でこそいろいろな場面で目にすることがある言葉ですが、もともとは、とある人物が本を書くために産み出された言葉でした。

梅棹忠夫という知の巨人

そのとある人物とは、梅棹忠夫先生です。
知的生産の技術 (岩波新書)の作者でもある梅棹先生は民俗学を初め、さまざまなジャンルで活躍された方です。

先生の用いられた情報管理のやり方として、京大型カードが挙げられます。
B6サイズのカードに、さまざまな情報を書き込んでいくのですが、1枚に1つの項目を書いていきます。
カードが集まったら、それを自由に並べ替えたりして、そこから新しい発想を生み出します。

ライフハックに興味がある人ならば、多くの人が知っているやり方のはずです。

先ほどあげた「知的生産の技術」は、1969年に刊行され、今でも多くの人に読まれています。

しかし、現代とは時代背景が異なるため、そのまま取り入れることが現実的ではない部分もあります。
そのエッセンスを活かしつつ、現代に合わせて書かれた本が、この知的生産の技術とセンス 知の巨人・梅棹忠夫に学ぶ情報活用術です。

人は誰もがアウトプットをすべき

現代社会は情報が溢れかえっている状態で、とてもじゃありませんがすべての情報を追うことは不可能です。
インターネット上には、それこそ無数の情報が日々生み出されています。

TwitterやFacebookなどのSNSや、たくさんのニュースサイトから、みなさんも日々大量の情報を受け取っているはずです。

これにより、大量のインプットが可能になったからこそ、知的アウトプットが必要になります。

知的アウトプットというと大げさに聞こえますが、Twitterの1ツイートでも、十分に知的アウトプットになります。
写真1枚をアップするだけで、それも立派なアウトプットです。

知的アウトプットを繰り返して行くと、だんだんとその人らしさが表れてきます。
それにより、同じような考えや嗜好の人が集まりやすくなります。

アウトプットを続けていくことにより、世界にプラスになっていくことも不可能ではありません。

続ける人ではなく「やめない人」は、自分のアウトプットが自分自身の個性を成長させ、同時にその個性を求めるフォロワーを開拓することが可能なのです。

この本の特徴

タイトルに「技術」とありますが、実際に何をどのようにすべきかというハウツーものではありません。
そのような内容を期待していると肩すかしを食らうかもしれません。

ツールやWEBサービスなどは紹介されていますが、具体的にどれをどのように使うべきかということには触れられていません。

現在、世の中には情報を管理するためのさまざまな方法があり、書籍もたくさん刊行されています。
しかし、それが必ずしも自分にぴったり合うわけではありません。
みなさんの中にもどれかに挑戦して、断念してしまった経験があるのではないでしょうか。

大事なのはとにかく行動することです。
もしそれが自分に合わないとしたら、自分なりに改良を加え、よりよい方法を模索します。
何もせずに待っているだけは、何も産み出すことができません。

最近では、ネットにある情報を選別してくれるキュレーションサービスもありますが、それだとどうしても情報が偏りがちになってしまいます。ジャンルを狭めてしまうと、その分、自分の世界が狭まってしまう恐れがあります。

ネットで見かけた情報に、一言コメントを加える。
読んだ本、見た映画、聞いた音楽に対して数行の感想を書く。
これだけでも十分にその人らしさが表れてくるはずです。

アウトプットを繰り返し、自分自身がフィルターになることで、フォロワーの数も増えてきます。
すると、ふとしたきっかけで世界が変化する可能性が十分にでてくるのです。

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