[書評] プロパガンダ・ゲーム/根元聡一郎

大手広告代理店の最終試験に残った8人は、4対4のチームに分かれて、プロパガンダ・ゲームをさせられることになります。一方は政府チームとして世論を戦争に導き、もう一方はレジスタンスチームとしてそれを防ごうとします。

プロパガンダ・ゲームについて

各チームは架空の国であるパレットが隣国であるイーゼルと戦争をすべきかどうかを世論に問いかけます。世論は専用に作られたSNSに参加している100人の男女です。

彼ら100人に対し、メッセージを送ったり、写真を提示したり、動画を使ったりして、最終的に多数決で戦争の可否を問います。

しかし、それぞれのチームにはスパイがひとりずつまぎれ込んでおり、正体を隠しながら自チームが優位になるように暗躍します。

次々と新たな情報が増えてきて、世論は大きく揺れますが、果たしてパレット国は戦争をすることになるのでしょうか、それとも不戦の道を選ぶのでしょうか。

ネタバレと感想

各自がいろいろな手を使って相手を出し抜こうとするのはもちろん面白いのですが、それぞれにスパイがいるという設定が秀逸です。これにより全員が味方のようでありながらも、疑心暗鬼を残します。

各チームにはPPというポイントが与えられ、それを使って新たな情報を買ったり、独占広報の時間を確保したりしていきます。ただし、ポイントは政府チームが1,000PPでレジスタンスチームが500PPと差があります。

その差を補うため、レジスタンスチームは市民に紛れて書き込みができるようになっています。これにより上手く世論を誘導するわけですね。

こういったことを伏線として踏まえながら、勝負は決着するのですが、物語はさらに一歩先へ進みます。

大手広告代理店である電央堂は、なぜ多額のお金をかけてまでこんなゲームを行うのか、その秘密を知って彼らはどうするのか。ゲームから先の展開も見所です。

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