[書評]悩みのるつぼ

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人間、誰しも悩みがあります。
悩みの大きさはさまざまですし、人には理解されない悩みもあるでしょう。

あまりに大きな悩みを抱えている場合、誰かに相談したくなるときもあるはずです。

相談で悩みは解決しないけれど

この本は、レコードダイエットを一躍有名にした岡田斗司夫さんの本です。
レコードダイエットを知っている人は多いでしょうが、著者のことを知らない人はまだまだ多いかもしれません。

朝日新聞の紙上で企画された悩み相談の本です。
投稿者から送られてくるさまざまな悩みに対し、著者が答えていきます。

著者のスタンスは”徹底的に役に立つもの”

読んでいて気持ちがいいとか、癒やされるとか、そういうものではなく、役に立つということを重視しています。
さらに、相談者だけでなく、同じようなことで悩んでいるすべての人に向けて、回答は書かれています。

極端な話、相談しただけで即座に事態が解決することは稀です。
しかし、それによって100辛かったものが、80になれば、相談した甲斐はあります。

この本の大きな特徴

基本的な構成は、相談者の文、それに対する回答、という形なのですが、この本の最大の特徴は、その回答に至るプロセスが書かれているということです。

この相談者が求めているものは何か。
どのような思考方法を用いればいいか。
どのように回答すればいいか。

ということまで書かれています。

特に面白いのが、相談者が本当に求めているものを読み取る部分です。

その人が使っている、または使っていない言葉から、「実はあなたは、このようなことを考えているのでは?」と読み取っていく部分は、探偵が自分の推理を展開をしていくようなワクワク感があります。

こういう相談の形をしているが、本音ではこういうことを求めていた。
と明らかになるのは、まるで真犯人が暴かれたかのようなカタルシスがあります。

岡田斗司夫の思考ツール

この「悩みのるつぼ」の回答を作る際の考え方が11個、紹介されています。

  1. 分析
  2. 仕分け
  3. 潜行
  4. アナロジー
  5. メーター
  6. ピラミッド
  7. 四分類
  8. 三価値
  9. 思考フレームの拡大
  10. 共感と立場
  11. フォーカス

これらの方法は、実生活でも役立つこと間違いなしです。
特に人から相談を受けることがよくある人は、知っておいて損はありません。
またこれらの思考ツールが身につけば、ある程度自分で悩みを解消することも可能です。

悩みというのは複数のものが複雑にからみあって形成されていることが多く、それをすっきりした形にしていけば、「まずはこれをい解決すべき」というのが、明確になります。

相談者の味方になる

人の相談の上で、最も重要なことは”愛”だと著者は言います。

自分の肉親だったら、大事な人だったら、そんな回答をするだろうか。
そこを頭に入れておくことで、ただの「頭の良いだけの回答」ではなくなります。

また、手書きにしろ、パソコンにしろ必ずテキストにすることを勧めています。

これを書いてから、その後にもう一度考える。
じゃあ、これを自分が一番好きな人に聞かれたらどう答えるか? これをもう一回練り直す。
すると、さっき書いたものと全然違う内容があふれてきたりします。
なんかこれ、たぶん極意に近いものだと思います。

頭のいい人、できる人というのは、できない人の気持ちをくみ取らず、解決策だけを示すことが多いです。
また、「そんなの簡単だろ」「そんなことしてるからダメなんだよ」などと言ってしまいがちです。

しかし、そんなことを言ったところで悩みは何も解決しません。
あくまでも相談者の気持ちを考え、”同じ温度の風呂に入る”ことが、相談のコツです。

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