[書評] 人生を変える行動科学セルフマネジメント/石田淳

ダイエットしようと思ったけれど、長く続かなかった。
毎日運動しようと思ったけれど、面倒になってやめてしまった。
禁煙しようと思ったけれど、また吸ってしまった。

このような経験がある人は多いはずです。
そして多くの人が「なんて自分は意志が弱いんだ……」と自己嫌悪に陥ったでしょう。

しかし、自分を変えるのは「意志」ではありません。
そこを間違ってしまうと、いつまで立っても自分を変えることはできません。

自分を変えるのは行動である

体型を変えるにしろ、性格を変えるにしろ、必要となるのは行動です。
いくら強く決心したところで、何もしなければ変わることはできません。

行動科学マネジメントとは、この「行動」にフォーカスを当てたものです。

また、行動科学マネジメントでは、曖昧さを一切排除した「MORSの法則」を基準としています。

「MORSの法則」とは、
Measured(計測できる)
Observable(観察できる)
Reliable(信頼できる)
Specific(明確化された)
のそれぞれの頭文字を取ったものです。

よく立てがちな目標として
「一生懸命頑張る」
「ポジティブシンキングを心がける」
「積極的になる」
といったものがあります。

これらはどれも計測することができません。
どの程度「頑張ったか」は数値化することが難しいためです。
また、頑張りというのは人によって、基準が異なります。

それに対し
「テキストを2ページやる」
「単語を3つ覚える」
「本を1日5ページ以上読む」
といった目標は、誰がやっても同じ結果となります。

このように目標というのは、具体性をもたせることが大切です。

「自分は何をやってもだめだ」という誤認

たとえば、毎朝早起きをして、勉強のための時間を確保しようと考えたとします。

翌朝、その次の日と早起きができましたが、何日か後、朝早くに目覚めることができませんでした。

そのようなとき、ほとんどの人が

「自分は何をやっても続かない」
「わたしはなんてダメなやつなんだ」
「これから新しいことを初めても、また失敗するに違いない」

などと考えるのではないでしょうか。

しかし、これらはどれも事実ではありません。
頭の中で自分が勝手に思い込んでいるだけです。

しかも、このように思い込むことによって、現実がそれに影響されてしまいます。
そして恐らくこのように言ったところで「そんなこといっても、自分はダメなんだよ」と思う人もいるはずです。
それこそが、誤った認識なのです。

今に集中する

たとえ過去に失敗があったとしても、今それが起こっているわけではありません。
また、何か心配事があったとしても、今それが起こっているわけでもありません。

著書の中では「マインドフルネス」という考え方が紹介されています。

これはとにかく目の前に起こっている現実だけに集中するという考えです。

たとえば、立ち寄った銀行のATMに行列ができていたら、「行列ができている」とだけ認識します。
「なんだよ、こんなに混んでるのか。まったく今日はついてないな」
「3番のやつ、ずいぶんグズついているな。お昼休みがムダになるじゃないか」
などというのは、もはや事実とは違った妄想なのです。

多くの人は、普段からこのような妄想に支配されています。
そうして、事実とは異なったマイナスのイメージをどんどん自分の中にすり込んでいき、ますます嫌な気分になっていくのです。

「今」「現実」に意識を向ければ、認知のゆがみがどんどん治っていきます。

もし、余計な思考や感情が思い浮かんできたときは、「今、自分は面白くないと感じている」と受け止めるだけにおさえましょう。

具体的なケースと対策

さらに著書の中には、
「衝動的な感情に飲み込まれる」
「困難から逃げる」
「流されやすい」
「タバコや食事、酒への依存」
「直らない遅刻グセ」
といったケースについて、

なぜそのようなことになるのか、
具体的にどのような対策を取ればいいのかということが紹介されています。

自分が該当するなというケースがあれば非常に参考になると思います。

わたしたとはとにかく「頑張れ」ば何とかなると思いがちです。
しかし、それこそが目標から遠ざける要素であるということがよく分かりました。

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