アンティキティは中世後期のイタリアを舞台にしたボードゲームです。フードチェーンマグネイトで一躍国内で有名になったSplotter社のゲームで、ルールが複雑で、なおかつ時間もかかるというゲーマーズゲームです。
アンティキティについて
各プレイヤーはコマと建物のチットを受け取ります。それからプレイ人数に合わせてタイルを組み合わせてマップを作ります。
プレイヤーは都市の運営をするのですが、タイルマップ上の都市の詳細を別ボードで管理します。マップ上ではどこに都市があるか、もう1つでは都市の中にどんな建物が配置されているかが分かります。
1ターンは10フェイズに分かれています。
- 出現
- 都市の建設
- ターンオーダー
- 郊外の建設
- 資源の保管
- 収穫
- 探検
- 飢饉
- 環境汚染
- 判定
勝利条件はいくつかあり、ゲーム中に各自がどれかを選ぶことになります。
いずれかのプレイヤーが勝利条件を満たすとフェイズ10の判定でゲームが終了します。もし2人が同時に条件を満たした場合は、支配領域が汚染されていないプレイヤーの勝利です。
骨太の都市運営
最初に言っておくとかなり人を選びます。
というのは、うっかりプレイをミスってしまうと、ゲームを脱落せざるを得ない可能性があるからです。特に木材は重要で、誤ってこれを枯らしてしまうと、ゲームにならない可能性が高いです。
また、飢饉もかなりキツく、耐えられない場合はそのプレイヤーだけがゲームから脱落します。
このように打つ手を間違ってしまうと、簡単にそのプレイヤーだけが脱落してしまうため、間違いなく人を選ぶゲームです。
実際にやることは陣取り+リソースマネージメントといった感じで、タイルマップ上で自分が有利になるように陣取りを行いつつ、そこで獲得したリソースを使って自分の都市を発展させていきます。
都市には7×7のマスがあり、そこにパズルのように建物タイルを配置していきます。この建物タイルも曲者で、長方形や正方形だけでなく、変な形の建物も多く、しばらくしてから「あ、これ建てられないじゃん」となることもよくあります。ちなみに一度配置した建物は基本的に再配置不可です。
飢饉は多くのボードゲームでいうところの食料供給で、払えない分は都市に墓地タイルが置かれます。これがまた厄介でどんどん墓地が置かれていくと、墓地を取り除くための建物が建てられなくなるので、やはり詰んでしまいます。
飢饉のペースは結構早く、展開によっては勝利条件を満たすどころか、ただただ生き残るだけで勝ちということも十分にありえます。
今回は4人で遊んだのですが、自分だけが初プレイでした。
そのため、わたしは勝ちではなく、ただただ生き延びることだけを目標としてゲームに臨みました。やり始めると何となくやるべきことは見えてくるのですが、どうやれば効率良くできるのかは見当がつきません。立て続けに飢饉が増加していき、都市がどんどん墓地で埋められていきます。
さらに都市の周りは環境汚染が進み、資源も取れなくなっていきます。
なんというか、とにかくキツいです。
もちろんこの「キツい」というのは。多くのボードゲームを嗜む人にとっては嬉しい要素でもあります。(嬉しいというのは語弊がありそうですが)
面白いか面白くないかでいえば、面白いです。
ただ、これを頻繁に遊ぶかどうかとなると話は変わってきて、そもそもこのゲームに何度もつきあってくれる人はそうそういないのではないでしょうか。
長時間かかり、なおかつ脱落ありだとすると、メンツを選ぶのは間違いありません。恐らく脱落者がでたら、そこでやめてしまう可能性が高いです。
ちなみに今回は3時間ほどプレイした段階で協議終了となりました。(その前にルール説明で1時間かかっています)
このままいくとほぼ間違いなく勝ちが誰かが決まっているが、それが分かっていても終わるまでにはあと1時間半以上かかりそうというのが協議終了の理由でした。ちなみに4人のうち2人は勝ち筋がなく、もう1人はもしかすると勝ちの目があるという結果でした。(もちろんわたしは勝ち筋がありませんでした)
アンティキティでは逆転要素はほとんどないです。とにかく勝利条件に向かってジワジワと向かっていくタイプのゲームなので、一度離されてしまうとどうしようもありません。しかも、そのどうしようもない状態が何時間も続くのですから、かなり人は選びます。
決して万人に勧められるゲームではありませんが「キツいのが好きで長時間も問題ない」という人ならば、一度試してみる価値は十分あります。
タイトル | Antiquity |
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発行年 | 2004年 |
プレイ人数 | 2~4人 |
プレイ時間 | 120~180分 |
デザイナー | Jeroen Doumen, Joris Wiersinga |
BGGリンク | Antiquity | BGG |