「エクリプス」は宇宙を舞台に銀河の覇権をめぐって争う2~6人用のゲームです。プレイヤーは宇宙種族の1つを担当し、探索、開発、建造などを繰り返しつつ、自分の文明を発展させていきます。
エクリプスについて
各プレイヤーは担当する種族を選択します。種族ボードは両面仕様になっており、裏面はバランス型の地球人となっています。
ゲームは全8ラウンドで、各ラウンドは4つのフェイズで構成されます。
ラウンドの流れ
- アクションフェイズ
- 戦闘フェイズ
- 維持フェイズ
- 終了フェイズ
1.アクションフェイズ
アクションフェイズでは、スタートプレイヤーから時計回りに1アクションずつ行っていきます。手番で行えるアクションは以下の6種類です。
探索 | 支配地域に隣接するタイルを公開 |
---|---|
開発 | サプライから研究タイルを獲得 |
改造 | プレイヤーボードに描かれた宇宙船に研究タイルを配置 |
建造 | 宇宙船や建築物を建造 |
移動 | 宇宙船を移動 |
制圧 | 支配されていないタイルを制圧 |
一手番でそのアクションが何回できるかは種族によって異なります。
アクションを行った際、プレイヤーボードの該当するスペースに命令ディスクを置きます。ディスクは後の支払いを決めるため、アクションすればするほど支払う金額も高くなっていきます。
アクションの選択肢として「パス」もあります。パス後も手番が来れば改造・建造・移動の3つのアクションのうち1つを実行できます。
2.戦闘フェイズ
同じタイルに2つ以上の種族の宇宙船が置かれている場合、戦闘が発生します。
戦闘はスピードが早い宇宙船から攻撃し始めます。スピードが同じ場合は、防御側が先行です。
ダイスを振り、相手の防御力を参照した後、ダメージを決定します。
これをどちらかの種族が全滅するまで続けます。
3.維持フェイズ
生産力を参照し、収入を得ます。
その後、支払いトラックの分だけお金を支払います。支払えなかった場合は、支配地域にあるディスクを解除し、手元に戻す必要があります。
4.終了フェイズ
研究タイルなどを補充し、次のラウンドの準備を行います。
ゲームの終了
8ラウンドを行うとゲームが終了します。
最終得点計算を行い、もっとも勝利点が多いプレイヤーがゲームに勝利します。
実際のゲームの流れ
探索してタイルをめくりつつ、宇宙船を強化して、ほかの地域を制圧していくのが主な流れです。
タイルをめくったときにNPCの種族が登場することもあり、その場合も戦闘を行います。戦闘に勝つと植民地化して自分の生産力を高めたり、ランダムで報酬を得たりすることができます。
プレイヤーボードには行えるアクションがすべて描かれています。アクションを実行する際は、命令トラックにある命令ディスクをそのアクションの上に置きます。
また、他種族を制圧して支配するときにも命令ディスクをタイルに配置します。
そのため、支配地が広がっていくと支払いも大きくなっていくため、アクションがしづらくなるというデメリットがあります。
これがなかなかよくできていて、この手のゲームは後半になるにつれ、できることが増えていき、手番が長くなりがちですが、エクリプスの場合、支払いの関係でほとんどアクションができないというケースが出てきます。
アクション数に制限がかかるため、自然と選択肢が狭まり「このラウンドは、あれとあれやって終わり」と見通しが立ちやすいです。
また、手番では「命令ディスクを置いてアクションを実行」という流れが決まっているため、今何ができるのかもわかりやすいです。
宇宙船を強化していくことで、振れるダイスの数が増えたり、目が大きいダイスが振れるようになったり、耐久力が高まったりと、わかりやすく強くなっていくので、シンプルに気持ちがいいです
ただ、どれだけ強化してもダイスの目次第では負けてしまうため、そうした運要素の強さは好みがわかれそうです。
思ったよりもシンプルでわかりやすい
2011年に発売された当時から存在は知っていたものの、今回初めてプレイしました。
今回は4人で遊び、ルール説明からプレイ終了まで4時間ほどでした。
想像していたよりもずっとわかりやすく、やることもシンプルです。多少細かい処理はあるものの、基本的には探索して強化して戦闘の流れなので、目指すべき方向も明確です。
今回は初プレイということもあり、バランス型の「地球管理局」を使用しました。とがった部分はないものの、オールラウンドに対応できるため、初プレイで使うにはちょうどいい感じでした。
全体的に運要素はそれなりに強めです。
タイルのめくりや戦闘でのダイス、毎ラウンド補充される研究タイルなど、すべてに運が絡んでくるため、なかなか思い通りに進まないことも多いです。
NPCの戦闘に勝ったときも、もらえるものに差が出ることもあるため、単純にめくり運がよかったほうが有利になります。
宇宙船もそれなりに強化してもダイスを振ってダメなときはダメなので、後半でも普通にNPCに負けることもあります。
そのため、緻密に計画を立てていくというよりかは、何となくの方針を立てつつ、後はその場の流れでやっていく感じといった印象でした。
ゲームが進むにつれ、生産力が高まり、宇宙船が強化されていくので、シンプルな気持ちよさはあります。
ただ直接攻撃があるため、苦手な人は苦手な感じはしますね。
また、プレイ時間はどうしても長くなりがちなので、その辺の向き不向きもあると思います。
コンポーネントは種族ごとに宇宙船の造形が違っていたりととても凝っています。
3時間以上かかるゲームに抵抗がなければ、プレイしてみる価値があるゲームではないでしょうか。
タイトル | Eclipse: Second Dawn for the Galaxy |
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発行年 | 2020年 |
プレイ人数 | 2~6人 |
プレイ時間 | 60~200分 |
デザイナー | Touko Tahkokallio |
BGGリンク | Eclipse | BGG |