「ジェンティス(Gentes)」は、古代の地中海沿岸を舞台に文明を発展させる1~4人用のボードゲームです。
最大の特徴は、アクションを実行するたびにお金だけでなく「時間」も消費すること。時間をかけて安く行動するか、お金を払って時間を節約するかという判断が悩ましく、限られた手番をどう使うか考える面白さがあります。
今回は4人で遊んだ感想を交えながら、ルールの流れ、面白い点、購入前に知っておきたい注意点を紹介します。
※上の商品リンクは英語版「Gentes (2nd Edition)」です。日本流通版とは版や言語が異なるため、購入前に商品説明をご確認ください。
ジェンティスとは
| 原題 | Gentes |
|---|---|
| 発行年 | 2017年 |
| プレイ人数 | 1~4人 |
| プレイ時間 | 約90分 |
| 対象年齢 | 14歳以上 |
| デザイナー | Stefan Risthaus |
| 難易度 | 中量級~重量級(BGG Weight 3.16/5) |
| 主な要素 | 文明発展、アクション選択、時間・資金管理、カード管理 |
ジェンティスでは、プレイヤーは古代の民族を率い、都市や故郷を建設したり、6種類の人口を育成したり、文明カードをプレイしたりして勝利点を集めます。
ゲームは全6ラウンド。1~2ラウンドが時代1、3~4ラウンドが時代2、5~6ラウンドが時代3となっており、時代が進むと登場する文明カードも変わります。
こんな人におすすめ
- 時間やお金を効率よく管理するゲームが好きな人
- 文明発展や拡大再生産が好きな人
- カードの条件をそろえるパズルが好きな人
- 遊ぶたびに異なる得点方針を試したい人
- 90分以上かけてじっくり遊ぶ戦略ゲームを探している人
ゲームの目的
都市や故郷を建設し、人口を育て、条件を満たした文明カードをプレイして勝利点を集めます。
文明カードから得られる勝利点だけでなく、集めたシンボル、所持金、寺院や神託に置いたキューブなども得点につながります。一方、プレイできずに残ったカードや個人ボード上の砂時計は減点になる場合があります。
6ラウンド終了後に得点計算を行い、もっとも勝利点が多いプレイヤーの勝利です。
ゲームの流れ
各ラウンドは、大きく「全盛期フェイズ」と「衰退期フェイズ」の2つに分かれています。
全盛期フェイズ
全盛期フェイズはいわゆるアクションフェイズです。スタートプレイヤーから順番に1アクションずつ行い、行動できなくなったプレイヤーはパスします。全員がパスするとフェイズ終了です。
アクションを行うには、基本的に共通ボードから対応するアクションタイルを取り、コストを支払い、個人ボードの時間トラックへアクションタイルと砂時計タイルを置きます。時間トラックに空きがなくなると、そのラウンドはそれ以上行動できません。
主なアクションは次の6種類です。
- 哲学者:商人、貴族、学者、戦士、祭司、職人のいずれかの人口を増やす
- 航海士:都市または故郷を建設し、選んだ地域の建物を活性化する
- 写本:場や捨て札から文明カードを獲得する
- 年代史家:条件を満たした文明カードを手札からプレイする
- 収税吏:アクションタイルを使わずにお金を獲得する
- スタートプレイヤー:2金を獲得し、次のスタートプレイヤーになる
カードの効果によるアクションやフリーアクションもあります。どのアクションを選び、どれだけ時間とお金を使うかが重要です。
人口を調整する
6種類の人口は、祭司と学者、戦士と商人、貴族と職人がそれぞれ対になっています。個人ボード上では対になった2種類が同じ列を共有しているため、片方を増やすと、もう片方を減らさなければならない場合があります。
文明カードをプレイするには「祭司2・戦士4」のような人口条件を満たす必要があります。欲しいカードに合わせて人口を調整するパズルも本作の重要な要素です。
衰退期フェイズ
衰退期フェイズはいわゆるラウンド終了処理です。
スタートプレイヤーのアクションが選ばれていれば、次のスタートプレイヤーを変更します。アクションタイルや砂時計タイルを処理し、時代が変わるラウンドでは場の文明カードを入れ替えます。
その後、スタートプレイヤーから順番に都市1つの効果を発動します。衰退期に発動する文明カードがあれば、その効果も使用します。
手札が3枚を超えている場合は、超過した枚数分の砂時計タイルを受け取る点にも注意が必要です。
最終得点計算
6ラウンド終了後に最終得点を計算します。
条件を満たしている手札の文明カードは、通常の半分の勝利点でプレイできます。ただし、カードに書かれたほかのボーナスは得られません。条件を満たせず手元に残ったカードは、勝利点の半分を失います。
さらに、10金につき1点、寺院・神託にあるキューブ2個につき1点を加え、個人ボードに残った砂時計による減点を適用します。
ジェンティスの面白い点
時計タイルの「一括払いか分割払いか」
もっとも特徴的なのが砂時計タイルです。表が1、裏が2になっており、時間が2かかるアクションでは「1のタイルを2枚取る」か「2のタイルを1枚取る」かを選べます。
1のタイル2枚なら現在のラウンドで時間トラックを多く使いますが、衰退期に両方とも取り除けます。2のタイル1枚なら今の使用スペースを節約できますが、衰退期に裏返って1となり、次のラウンドまで残ります。
「今のラウンドで多く行動するか、次のラウンドへ負担を残さないか」という、一括払いと分割払いのような選択が悩ましいです。
人口調整と文明カードの組み合わせ
人口には上限があり、対になった職業の一方を増やすと他方が減ることがあります。すべてを伸ばすことはできないため、獲得した文明カードの条件を見ながら、必要な人口へ寄せていく計画性が求められます。
場の文明カードはゲームごとに変わるので、毎回同じ手順が最適になるわけではありません。
都市による拡大再生産
都市は建設時に効果を発動するだけでなく、各ラウンドの衰退期にも効果を得られます。早めに建てれば、その後のラウンドで繰り返し恩恵を受けられます。
ただし地域は3つしかありません。4人で遊ぶと誰かと同じ地域を選ぶことになり、建設場所を巡る競争も生まれます。
得点方針をいろいろ試せる
文明カード、都市、人口、シンボル、ボーナス得点など、考えるべき要素が多くあります。カードの使い方やフリーアクションの活用によっても展開が変わり、別の方針を試したくなる幅があります。
4人で遊んだ感想
今回は4人で初プレイしました。準備とルール説明に1時間ちょっと、プレイには約2時間かかりました。結果は104対97対89対78で勝利しました。
遊ぶ前は要素が多く感じましたが、実際に進めると「時間とお金をどう配分するか」という軸が分かりやすく、評判がよいのも納得の面白さでした。
特に、時間2を砂時計2枚で支払うか、裏面が2のタイル1枚で支払うかという判断が印象的です。今のラウンドだけでなく次のラウンドまで見通して決める必要があります。
都市を建てると毎ラウンドの収入やアクションが増え、徐々にできることが広がっていきます。一方で4人では3地域のどこかで必ずほかのプレイヤーと競合するため、相手の動きも無視できません。
今回は説明書でおすすめされている初期カードを使いました。次回は通常ルールのドラフト形式で初期カードを選び、別の得点方針を試してみたいです。
購入前に知っておきたい注意点
初回はアイコンの確認が必要
文明カードは名前以外の言語依存がほとんどなく、効果はアイコンで表されています。ただしアイコンの種類が多いため、初めのうちはリファレンスがあったほうが遊びやすいです。
初回や4人プレイは90分を超えることがある
公称プレイ時間は約90分ですが、今回の初回4人プレイでは約2時間かかりました。準備とルール説明にも1時間強かかったため、初めて遊ぶときは時間に余裕を持っておくのがおすすめです。
砂時計タイルの処理を間違えやすい
1の砂時計タイルはラウンド終了時に取り除きますが、2の面を使ったタイルは裏返して1となり、次のラウンドまで残ります。手札上限や最終得点時の砂時計による減点も含め、初回は処理を確認しながら進めたほうが安心です。
詳しい注意点は、以下の記事にまとめています。
日本流通版と英語版がある
既存の商品リンクは英語版「Gentes (2nd Edition)」です。日本流通版は内容物が日本語化されています。購入時は商品名や説明を確認し、希望する版を選んでください。
まとめ
「ジェンティス」は、時間とお金という2つの資源を管理しながら文明を発展させる戦略ゲームです。
時間を一括で使うか、次のラウンドへ負担を残す代わりに現在の行動数を増やすかという砂時計タイルの仕組みが独特です。人口の調整、文明カードの条件、都市による拡大再生産も組み合わさり、考えどころの多いゲームになっています。



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