フォルム・ロマヌムは2~6人用のエリアマジョリティを争うゲームです。順番にコマを1つずつ配置していき、縦、横、斜め、区画の23個で決算を行います。作者はニムト、ペッパー、エルグランデなどを手がけるヴォルフガング・クラマーです。
フォルム・ロマヌムについて
プレイ人数に応じた八角形のコマを受け取ります。人型コマは2つありますが、1つは得点マーカーとして、もう1つは誰がどの色を使っているかを示すために使用します。
ゲームボードは7×7マスに分かれており、さらに7つの区画に分かれています。他に勝利点トラックと、決算済を表す決算マスがあります。
手番でやることはとてもシンプルです。
まだ手元にコマがあれば、それをボードの好きな空いているマスに配置します。手元になければすでに配置しているどれか1つを別な空いているマスに移動させます。
これを繰り返し、縦、横、斜め、区画のいずれかが埋まったら決算です。
その列(区画)に、単独でもっともコマを置いているプレイヤーはマスの数だけ得点を獲得します。逆にもっとも置いていないプレイヤー(0も含む)は、単独で最少ならばマイナス4点、複数が最少ならばマイナス2点の失点になります。ただし、多数が複数いる場合は膠着状態となり、決算は行われません。
決算が行われたら対応する決算マスにコインが置かれ、以降そこでは決算は起こりません。
23個すべてのエリアが決算済か膠着状態になるとゲームは終了です。
膠着状態の同数最多プレイヤーは4点ずつ獲得します。置いているコマ数が単独最少ならばマイナス4点、複数最少ならばマイナス2点です。
以上を加算し、もっとも得点が多いプレイヤーの勝利です。
ミニマムなエリアマジョリティのお手本
1988年の作品ですが、エリアマジョリティのお手本のようなゲームです。
23個ものエリアがあるため、当然取捨選別していく必要があります。どこを抑えて、どこを諦めるのか、膠着状態を維持するのか、他に移るのか、こういったさまざまなジレンマがシンプルな構造でたっぷり味わえます。
失点があるのもよくできており、「得点できないけれどもとりあえず置く」といった選択肢がでてきます。もちろん、そういったことばかりをしているとコマが足りなくなってしまうため、ある程度のマイナスは覚悟しなければなりません。
しかし、1個置けばマイナス4点からマイナス2点になることを考えると……。
と、一手一手がどんどん重たくなっていきます。
何年かぶりに遊んでみたのですが、非常によくできたゲームです。派手さはないですが、いぶし銀のような楽しさがあります。
ちょっと複雑な五目並べ、○×ゲームといった感じで、誰でもすぐにルールは理解できます。それでいながら、駆け引きや悩ましさを十分に感じられるので、未プレイの人にはぜひ遊んでみて欲しいゲームです。