歴史物のマンガというのは、ある程度の定番があります。
何と言っても多いのが、日本の戦国時代です。
織田信長や豊臣秀吉を初めとして、有名な戦国武将の多くがマンガに描かれています。
三国志も非常に多く使われるテーマです。
蜀の劉備が主人公のものから、魏の曹操を主人公にしたものまで、数多くのマンガがあります。
この両方は、ゲーム化や映画化されることも多いため、非常に馴染みがあるテーマです。
名前は聞いたことがあるが
アド・アストラは歴史物のマンガですが、時代は古代ローマです。
主人公はカルタゴのハンニバルと、ローマのスキピオです。
この時代のローマは世界的にも大国ですが、それに対し従属を嫌ったカルタゴがローマと戦うことになります。
このハンニバルという名前は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
マンガ上でのハンニバルは戦争の天才であり、さまざまな策でもってローマを翻弄します。
対するローマは強大であるため、おごりや油断があり、次々とハンニバルにしてやられます。
スキピオはまだ若く、ところどころで才能の片鱗は見せるものの、まだまだハンニバルに比肩する存在ではありません。
5巻の段階ではローマを指揮しているのは、ファビウスという筆頭元老院議員です。
彼はハンニバルの才能を理解しており、できるだけ戦わずして、消耗戦によって勝とうと考えています。
しかしながら、他の元老院は彼のことを理解できず、短期決戦でもって早くカルタゴを倒そうと考えており、まとまりがありません。
新しいジャンルとして楽しめる
先にも述べたように戦国時代、三国志というのは、もはや食傷気味の人も多いでしょう。
なにせ今年の大河ドラマも軍師官兵衛であり、戦国時代です。
わたし自身、どちらも好きな時代ではありますが、結局のところ、歴史物はストーリーがある程度同じにならざるを得ません。
もちろん史実とまったく異なるものもあることはあります。
たとえばSOUL 覇 第2章 は、従来の三国志にかなり大胆なアレンジが加えられています。
しかし、もっと違った歴史の舞台を読みたいと考えている人は多いはずです。
古代中国を舞台にしたキングダムが非常に好評なことも、それを裏付けています。
もちろんこれはストーリーやキャラクターの魅力が高いことも人気の理由のひとつです。
キングダムに比べると、アド・アストラはだいぶ地味ともいえる展開ですが、それでもローマやカルタゴといった魅力あるテーマを十分に楽しませてくれるマンガです。
歴史物に抵抗がなく、一風変わった時代を読みたいという人にお勧めの作品です。