ウルティは3人用のトリックテイキングです。以前、気になるトリックテイキングのひとつとして挙げていた「ルールは複雑だが最高に知的で面白い」ゲームです。
やってみて納得。確かにこれは面白いです。いつもは読んで遊べるほどルールを書いていますが、ちょっと量が多いため、今回は概略のみです。
ウルティについて
使用するカード
通常のトランプから2~6を抜いた32枚を使用します。
ジョーカーは使いません。
カードの強さ
通常ゲーム
強 A 10 K Q J 9 8 7 弱
ノートランプ
強 A K Q J 10 9 8 7 弱
カードの得点
Aと10が1枚10点
最後のトリック10点
ゲームの流れ
山札からカードを引き、もっともランクが低いカードを引いたプレイヤーがディーラーとなります。
ディーラーは、まず右隣に7枚、以降反時計回りでそれぞれに5枚ずつカードをまとめて配っていきます。手札は右隣のプレイヤーが12枚、その他2人は10枚です。
ビッド
ディーラーの右隣からビッドを行います。右隣のプレイヤーはパスすることができないので、必ずビッドしなければなりません。その際に、手札から2枚を裏にして捨てます。
ビッドは今回行うコントラクトを宣言します。
たとえば、1対2で勝負して相手よりも多く得点を取る場合には「パルティ」、全トリックを負ける場合には「ベトリ」などと宣言します。
さらに最後のトリックをもっとも弱い切札で勝てると思うならば「ウルティ」をつけ加えます。たとえば、「パルティ・ウルティ」といったように宣言します。ウルティをつけ加えるとゲームポイントがアップします。
それに対して次のプレイヤーは、さらに高いゲームポイントのビッドをするならば、先ほど捨てられた2枚のカード(タロン)を手札にいれ、再び2枚を捨ててビッドします。パスする場合、タロンを見てはいけません。
これを繰り返し、3人連続でパスしたならば、最後にビッドした人がソロイストになります。残り2人はディフェンダーとしてソロイストの目標達成を阻止します。
トリック
リードはソロイストが行います。
切札を使うコントラクトならば、ここで切札スートを指定します。
ディフェンダーはプレイの際に、コントラを宣言することができます。コントラを宣言するとゲームポイントが2倍になります。
またソロイストはそれに対して、レコントラが宣言できます。
ディフェンダー側はさらにそれに対してスブコントラが宣言でき、これを繰り返すとゲームポイントは64倍までアップします。
プレイはマストフォローで反時計回りです。
ただし、通常のトリックテイキングと異なり、できるだけ勝てるように手札を出す必要があります。
たとえば、リードスートがハートの9で、手札に8とJがあるならば、必ずJを出さなければなりません。さらにスートが枯れている場合は、切札を出さなければなりません。
ここが最初ちょっと引っかかるかもしれません。
また、他の得点方法としてマリッジがあります。
トリックを始める前に手札にある同スートのKとQを公開します。すると通常スートならば20点、切札スートならば40点入ります。
手札がなくなるまでトリックを行い、ビッドが成功しているかどうかを判定します。
ビッド成功ならば、ソロイストはディフェンダーそれぞれからゲームポイント分の得点を獲得します。失敗ならばゲームポイント分の得点をそれぞれに支払います。
たとえば、ゲームポイントが8ならば成功するとソロイストは16点を得て、失敗ならば16点を失います。(2人に支払う、または2人からもらうため)
ゲームの終了条件は決まっていないため、最初に時間や得点、ラウンド数などを決めておきます。
ビッドの妙、手札が変わっていく不思議さ
全員が初めてということもあり、実際にプレイが始まるまでに40分ほどかかりました。ビッドがかなりややこしく、ビッド表がないとちょっと無理そうです。(これは後日作成します)※下に追加しました。
一度始まってしまうと、そこまで難しくはないです。
ソロイストの条件がなかなか厳しく、たとえば「20ー100」というコントラクトの場合、手札に切札以外のK、Qを持っており、なおかつAと10をすべて集めなければなりません。
ウルティがついていないと、誰かにAか10を取られたら終わりなので、最後までトリックを行う必要がありません。
そして何といっても独特なのが、手札がどんどん変わっていくということです。
毎回誰かが捨てたカードを手札に加えるので、ビッドの途中で方向転換するようなケースも出てきます。これが何とも新鮮な感覚でした。
「人が捨てたカードなんて、使えないやつだけじゃない?」と思われそうですが、たとえばベトリを狙っている場合、全トリックを負ける必要があるので、強いカードを捨てます。
すると、勝とうと思っているプレイヤーにとって都合がいいカードが入っている可能性が大きいのです。
そうなると今度はベトリを狙っているプレイヤーと勝とうと思っているプレイヤーがどこまでゲームポイントをつり上げられるかの勝負になってきます。
このビッドの妙が非常に面白いです。
今回は12R行い、3時間ほどかかりました。
実際にプレイしていると、そんなに時間がかかっている印象はありません。むしろ24Rくらいやってもいいと思います。
得点の幅がかなりあるので、今回は勝って2ポイントだったけど、次は負けて32ポイント失った、といった感じになるので、十分に逆転のチャンスがあります。
3人専用という遊べる範囲が限られてしまうゲームですが、トリックテイキング好きな人にはぜひ試して欲しいゲームです。