フィネス(Finesse)は2対2のペアで対戦するトリックテイキングです。各自の前に公開されている3枚のテーブルカードの存在が大きな特徴です。
フィネスについて
使用するカード
通常のジョーカーを抜いたトランプ52枚+K、Q、Jの絵札×4スートの合計64枚。
そのため、遊ぶためには同じ絵柄のトランプが2組必要です。
カードの強さ
強 A K Q J 10 9 8 7 6 5 4 3 2 弱
同じカードの場合は先出し勝ち。
ゲームの流れ
向かいあった同士がペアとなります。
適当な方法で最初のディーラーを決めます。以降は時計回りでディーラーを交代します。
ディーラーは山札の上から、まず12枚を取り除きます。それから自分の左側のプレイヤーから1枚ずつカードを配っていき、各自に13枚ずつカードを配りきります。その後で、先ほど取り除いた12枚を今度は各自の前に表にして1枚ずつ、合計3枚ずつ配ります。この表にして置かれたカードをテーブルカードと呼びます。
ディーラーの左隣からリードします。リードは自分の手札かパートナーのテーブルカードから出すことができます。また、最初のリードで選んだスートがそのラウンドの切り札スートになります。このときAを選んだ場合はそのスートでもいいし、ノートランプを指定しても構いません。
以降は通常のマストフォローのトリックテイキングです。
ペアのテーブルカードを選んだ場合は、そのカードの持ち主がカードを出した扱いになります。そのため、トリックを獲得する人もカードの持ち主ですし、それを選んだプレイヤーは順番が来たら自分の手札からカードを出さなければなりません。
テーブルカードを出した場合は、トリック獲得後に手札からテーブルカードを補充します。このため、常に各プレイヤーの前には3枚のテーブルカードがあります。
得点計算
13トリックすべてが終わったら得点計算です。
最後のトリック 4点
7トリック2点 8トリック5点 9トリック10点 10トリック20点
11トリック10点 12トリック5点 13トリック2点
テーブルカードの切り札1枚につき、マイナス3点
(ノートランプの場合、A、K、Q、Jが1枚につき、マイナス3点)
過半数を取ったペアに得点がありますが、最後のトリックの得点は別にあるので、各チームがそれぞれ得点を獲得することがあります。また、得点は最低0点でマイナスになることはありません。
勝利条件
合計42点以上で、相手ペアよりも5点以上差があれば勝利です。
差が5点未満の場合は、先に60点になった方が勝利します。
フィネスを遊んでみた感想
ルールを読んでいる段階で、いろいろな展開が想像できる一風変わったトリックテイキングです。
テーブルカードはリードでしか出すことができないため、自分が勝ち続けると自分のテーブルカードのマイナス点を無くすことができません。そのため、良いタイミングで相手に勝ってもらう必要があります。しかし出し方によっては敵チームにトリックを取られてしまうため、加減が難しいです。
また、テーブルカードはパートナーに情報を伝える手段でもあります。スートを枯らすためにそのカードをテーブルにしたのか、単に弱いカードを捨てるために出したのか、よく考える必要があります。
トリックテイキングでよくあるケースとして「このスートでリードしてくれれば、自分だけが切札出せそう」というものがあります。フィネスの場合、これをコントロールすることができます。リードの際に、自分が枯れているスートのテーブルカードがあれば、そこに切札を出せます。これは序盤かなり強力で、敵ペアはマストフォローがあるので、難なく勝つことができます。
もちろんそれを見ればパートナーも理解して、さらに同じスートをテーブルカードに出してくれます。この辺りの意思の疎通が面白いですね。
今回はペアを変えて2戦やってみたのですが、1戦目は46対34、2戦目はもつれこんで61対49でした。
10トリックを取るのがベストなので、取りすぎないように気をつけなければならないのですが、実際にやってみると、よほど手札が偏っていない限り、取りすぎの心配はなかったです。単純に多くトリックを取ることを目指して良さそうな感じでした。
ビッド要素がなく、ルール自体もそこまで複雑ではありません。しかし、さまざまな工夫が凝らされており、非常に面白いトリックテイキングです。ペア戦のトリックテイキングをやってみたいという人にぜひおすすめしたいです。