キー・トゥ・ザ・シティ:ロンドンの街の鍵は、キーフラワーのシステムを使った2~6人用のボードゲームです。大まかなシステムはほとんどキーフラワーと同じですが、いくつかのルールがそぎ落とされ、より分かりやすいルールになっています。
キー・トゥ・ザ・シティ:ロンドンの街の鍵について
キー・トゥ・ザ・シティは4つの時代に渡ってゲームが進行します。
まず時代ごとに六角形のタイルが並べられ、そのタイルに対して入札したり、タイルの効果を使ったりしていきます。
手番にできることは以下の5種類です。
1.入札
場に並んでいるタイルに対して入札(ビット)を行います。1つ目の場合は何色を何個置いてもいいのですが、それ以降は同じ色で、なおかつすでに置かれている最高数よりも多い数のキープル(コマ)が必要になります。
2.資源の生産
タイルの上にキープルを配置し、その効果を実行します。タイルにはコネクターを生産するものと技術タイルを生産するものがあります。
生産の場合も入札のときと同様、すでに置かれている色と同じで、前に置かれた数よりも多い数が必要になります。たとえば、前のプレイヤーが赤いキープル1つで生産したならば、次のプレイヤーは赤2つ、その次のプレイヤーは赤3つを置く必要があります。
また、色に関しては入札で置かれたものと同じである必要もあります。
キーフラワーと異なり、キー・トゥ・ザ・シティでは生産で置けるキープルの数に上限がなくなりました。
3.改良
改良したいタイルにキープルを配置することで、タイルを裏返したり、建物マーカーを置いたりします。改良するための条件はタイルによって異なり、特定の色のコネクターが置かれている必要があったり、コストとして技術タイルが必要だったりします。
もちろんここで置くキープルの色も入札や生産で使われた色と同じである必要があります。
4.パス
手番をパスします。ソフトパスなので、全員がパスしない限り、再び手番が回ってきます。
5.出帆
川タイルに置かれている自分の遊覧船コマを右に移動させます。早い者勝ちで好きな場所に置くことができ、これにより次の時代のスタートプレイヤーやキープルの補充個数が決まります。
出帆した場合、その時代もうアクションはできません。
全員が出帆したら時代終了です。
タイルを入札できなかったキープルと自分の区域のタイルに乗っているキープル、競り落としたタイルに乗っているキープルは自分の手元に回収します。競り落としたタイルに使ったキープルはストックに戻ります。
競り落としたタイルは自分の区域に配置します。キーフラワーよりも自由度がアップしており、気にするのは川の部分だけで、他の辺はすべて自由に置けます。(道と道がつながるようにというルールがなくなりました)
これを4時代くり返し、ゲーム終了時にもっとも勝利点が多いプレイヤーの勝利です。
洗練されたと捉えるか、物足りないと捉えるか
ゲームに登場する資源は6種類のコネクター(電話線、水道管、配水管、電線、地下トンネル、ガス管)と3種類の技術タイル(レンガ、コイン、コンパス)です。キープルも赤、青、黄の3色になり、緑はなくなりました。
キーフラワー経験者3人で遊んでみたのですが、大きく変わったなと思ったのが、入札から生産へのシフトです。時代1はキーフラワーの感覚で、3、4のキープルで入札していたのですが、これだと手数が足りなくなります。
というのも、キーフラワーにあったキープルを増やすアクションがなくなったため、かなり効率よく使っていかないとキープルが足りなくなるのです。
しかも、時代1と時代2では生産系のタイルがすべて固定で登場するため「今回、○○が生産できないなぁ」といったことがなくなり、そこまで無理に競らなくてもよくなりました。(時代1・2では生産タイル6種類固定+ランダム建物が人数に応じて出てきます)
また、ルートマスタータイル(キーフラワーでいうところの冬タイル)はゲーム開始時に今回使うものがすべて公開されており、各プレイヤーが取捨選択するという要素がなくなりました。
目指すべき目標の公開、必ず登場する生産タイル、得点の数えやすさ、これらの要素によってキーフラワーよりも洗練されたという意見にも同意できます。
しかし、どちらがいいかというのは完全に好みの問題です。きっちり計画立ててプレイしたいというならばキー・トゥ・ザ・シティがいいですし、ゲームごとの展開の豊かさを好むならばキーフラワーの方がいいです。
キーフラワーを拡張入りで何度も遊んでいる身としては、キー・トゥ・ザ・シティだと物足りないという意見もよく分かります。登場するタイルが大部分、固定されているので、展開のパターンも似てくるのではという懸念もあります。ただ、この辺りは逆にキーフラワーでもやっと感じていた人はスッキリするかもしれません。
コンポーネントが多いので、ある意味仕方ないのですが、定価9,180円というのは、ちょっと高いなぁという感じがしますね。