2015年12月に日本語版が発売されたばかりのゲームです。
「よくぞここまで」と思えるほど、さまざまな要素と魅力が詰まったボードゲームなので、今回はそれについてご紹介します。
正体隠匿要素
舞台はゾンビがはびこる終末期の世界です。
人類に残された最後の砦を守るため、人々は厳しい冬を乗り越えようとしています。
デッドオブウィンターは基本的には協力ゲームです。
みんなで協力しながら「砦の使命」の達成を目指すのですが、それとは別々に各プレイヤーには「密命」があります。こちらは非公開情報となっており、自分の密命を達成しなければ勝者となることができません。
密命の中には「裏切り者の密命カード」があります。
これを渡されたプレイヤーは一見、協力体制を見せつつも、うまく周りの邪魔をしていく必要があります。
裏切り者の密命カードには、士気を0にすることと、いくつかの条件が書かれています。士気が0になるとゲームオーバーとなってしまうので、自分の条件を満たしつつ、他プレイヤーを欺かなくてはなりません。
さらに、プレイヤーは裏切り者だと思うプレイヤーを投票によって追放することができます。追放されたプレイヤーはそれで終わりというわけではなく、そのまま密命を達成するためにみんなの邪魔をすることが可能です。
多彩なキャラクター
ゲーム開始時、各プレイヤーには2人のキャラクターカードが渡されます。(ゲームでは職能者と呼ばれます)各プレイヤーは1人のキャラクターを演じるわけではなく、少数の部隊の隊長を担当します。そのため、1人が死んでしまったら終わりというわけではありません。また、ゲーム中に隊員が増えることもあります。
キャラクターは30種類ほどいて、それぞれに専用のコマが用意されています。
兵士や看護師、教諭、学生といった定番のものから、占い師、海賊、忍者、犬といった変わり種まで、多彩なキャラクターがそろっています。
展開の豊かさ
ゲームの主目的になる「砦の使命カード」は10種類あります。こちらは裏表があり、難易度によって使い分けます。
また、毎ラウンドの指針となる「危機カード」が20枚あり、そのラウンドでどのような行動を取ればいいかを示してくれます。
さらに注目すべきは「交差点カード」です。
これはいわゆるイベントカードのようなものですが、81枚もあります。特殊なのがカードを確認するのは、現在の手番の右プレイヤーということです。手番開始時に右プレイヤーがカードを確認し、条件を満たしたら発動するようになっています。
発動条件もさまざまなで「○○と○○がいる場合」といったものから「移動したら」「○○を捜索したら」「いずれかのプレイヤーがあくびをしたら」といったものまであり、何が条件か簡単には分からないようになっています。
砦の使命、危機、交差点、職能者の組み合わせを考えれば、何回遊んでも同じ展開になることはないでしょう。
さらに、協力バリエーション、2人プレイ用バリエーション、裏切り者バリエーション、高難易度バリエーション、生き残りバリエーションなども用意されており、好みに合ったゲームを選ぶことができます。
デッド・オブ・ウィンターについて
初めて遊んだときは、3人ということもあり、裏切り者なしの協力バリエーションでやってみました。手番にできるアクションは15種類ほどあるのですが、各自に早見表シートがあるので、それを見ながらやれば問題ないありません。
このゲームの盛り上がるポイントの1つが感染判定です。
感染判定は感染判定器というダイスを振ります。ダイスには空白、負傷、凍傷、死亡の目がかいてあり、それをゾンビを撃破したときと、移動したときに振ります。
つまり、移動しただけで死ぬ可能性があるのです。
(ダイスを振る)
ということが実際に起こりました(笑)
「移動の際に感染判定をしない」というアイテムがあるので、慎重にいきたい人はそちらの使用をおすすめします。
正体隠匿、協力、ゾンビ、この辺りのキーワードにピンとくる方ならば、間違いなくおすすめできるゲームです。