フィプセンはトランプを使った3~4人用のトリックテイキングゲームです。ビッドに勝ったデクレアラー1人と他3人の対決になります。手札が5枚しかなく、目標を達成した時点でラウンドが終了するので、かなり展開が早いです。ここでは4人用のルールを説明します。
フィプセンについて
使用するカード
通常のトランプから2~6を抜く。
さらにダイヤは7以外のすべてを抜く。
ジョーカーは使わず、使用するのは合計25枚。
カードの強さ
強 A K Q J 10 9 8 7 弱
カードの配り方
ディーラーは各プレイヤーに3枚ずつ、その後テーブル中央に2枚(スカート)、それから各プレイヤーに2枚ずつを配ります。残った3枚は基本的には使用しません。
ビッド
ディーラーの左隣からビッドを行います。
ビッドは獲得するトリック数を宣言します。さらに追加宣言を行うことで、より強いビッドになります。ビッドは1対1の勝ち抜き戦で行っていき、最後まで残った人がデクレアラーになります。
追加宣言の種類
ハンドゲーム:スカートを見ずにプレイ。
ルーテン:ダイヤを切り札にする。
ドゥルヒ:5トリックすべてを取る。
追加宣言はいくつでも組み合わせられる上、組み合わせるごとに得点が倍になります。そのため、1つつければ2倍、2つつければ4倍、3つつけると8倍になります。
ビッドは前のプレイヤーよりも強いビッドをする必要があります。同じ数字でも追加宣言があった方が強くなるので、
2のハンド、ルーテン > 2のハンド > 2
といった強さになります。
より高いビッドをされた場合、最初にビッドしたプレイヤーは「ホールド」を宣言することができます。ホールドは同じ強さでビッドするということです。ホールドの場合、追加宣言を言う必要はありません。
これによりどちらかがパスした場合、さらに左隣のプレイヤーがそれよりも強いビッドかパスをします。これを誰か1人が残るまで繰り返します。
ABCDの4人でビッドを行う場合の例 )
A「2」
B「2のハンド」
A「ホールド」
B「パス」(Bが脱落)
C「2のハンド、ルーテン」
A「ホールド」
C「パス」(Cが脱落)
D「3」
A「ホールド」
D「3のハンド」
A「パス」(Aが脱落)
4人全員がパスをした場合、配り直しです。同じプレイヤーが再びカードを配ります。
ゲームの流れ
デクレアラーがホールドをしている場合、ここで追加宣言が何かを決めます。
ホールドはあくまでも同じ強さでビッドするということなので「3のハンド」に対して「ホールド」で勝った場合、「3のルーテン」でゲームを行っても構いません。(追加宣言の数が同じなので)
その後、ハンドゲームの宣言をしていなければ、ここでハンドゲームの宣言が追加できます。
ハンドゲームの宣言がない場合は、スカートの2枚を確認して、手札7枚の中から好きな2枚を裏向きで捨札にします。
それからデクレアラーは切り札を宣言し、あとは通常のマストフォローのトリックテイキングを行います。リードはデクレアラーです。
デクレアラーがビッドした数のトリックを獲得するとそこでゲーム終了です。そこまで全勝ならば、さらにドゥルヒを目指すこともできます。もちろん、これで負けてしまうとドゥルヒが失敗したことになり、失点もドゥルヒ分が加算されます。
得点
ビッドした数のトリックを取ることができれば、その数がそのまま得点になります。追加宣言があれば、その分だけ、倍になっていきます。
失敗した場合は、得点でもらえるはずだった数の2倍が失点になります。
特殊なケース:キーカー
キーカーは特別なビッドで、強さは4と5の間です。手札に絵札(K、Q、J)がない場合のみ、宣言できます。キーカーを宣言したプレイヤーがデクレアラーになった場合、まず左隣のプレイヤーに手札の中に絵札がないか確認してもらいます。
その後、スカートと配り残りの3枚を手札に加え、計10枚の中から好きな5枚を選び、デクレアラーとしてゲームを行います。成功するには5トリック取るしかありません。成功すると10点、失敗するとマイナス20点です。
もし、ダイヤを切り札にした場合、ルーテンの追加宣言になります。そのため、成功すると20点、失敗するとマイナス40点です。
最初のリードを行う前に失敗を宣言すると、そこで終了でマイナス5点です。
特殊なケース:ズィーブナー・フィップス
プレイの前のどのタイミングでも、手札に4枚の7とAがあればズィーブナー・フィップスを宣言して、プレイに勝ちます。得点は30点で、プレイは行いません。
ビッドの段階でほとんどが決まっているトリックテイキング
手札が5枚ということもあり、ビッドの段階でほとんどが決まっています。
たとえば、同じスートのA、Kが手札にあれば、その時点で「2のハンド」までいけます。それでデクレアラーになれば、プレイせずとも、もう成功です。
そのため、始まってしまうとすぐにラウンドが終了してしまうことが多いです。
どちらかというとプレイよりも、ビッドに比重があるゲームなので、ビッドの練習にちょうど良いゲームです。サクサク進むため、自分のビッドの成否がすぐに分かります。
これを繰り返すと「どういった手札だとどこまでいけるのか」というビッドの勘所がつかめると思います。
ゲームの終了条件は特に決まっていないので、あらかじめラウンド数を決めて遊ぶのがオススメです。