モンスカートはドイツの代表的なトリックテイキングである「スカート」をアレンジしたカードゲームです。3~4人用ですが、4人の場合は1人が交代でディーラーを行うので実質3人用です。ルールはだいぶシンプルになりましたが、しっかりスカートのエッセンスが残っています。
モンスカートについて
カードは赤、青、緑、黄の4スートが1~7まで、白が8~11までの全32枚です。4スートの5~7は得点カードで、白は神属性という特殊なスートです。
適当な方法でスタートプレイヤーを決め、そのプレイヤーはスタートプレイヤーパネルを受け取ります。
さらに各プレイヤーに70点分ずつチップを配ります。
他に切り札やビッドの値を表示するゲームボードがあります。
カードをシャッフルし、各プレイヤーに10枚ずつ、さらにゲームボードにあるトレードスロットに2枚を置きます。
スタートプレイヤーからビッド(ゲーム内ではベット)を行います。
ビッドは何点取れるかの数字を言うのですが、本格ルールでは数字だけでなく、切り札も同時に宣言します。ビッドが細かくなる上、誰がどのスートをビッドしたかで何を持っているか推測しやすくなるので、個人的には初めから本格ルールでいいと思います。
もっとも大きな値をビッドした人がチャレンジャーとなり、残り2人はディフェンダーとなって協力してチャレンジャーを妨害します。
チャレンジャーはトレードスロットを使うかどうかを決めます。トレードする場合は、ボードにあった2枚を手札に入れ、好きなを2枚を戻します。トレードをしない場合は、その時点で1点が加算されます。
チャレンジャーからリードを行います。
以降は切り札あり、マストフォローのトリックテイキングです。8~11は特殊な存在で切り札スートに属します。切り札なしの場合は、8~11だけが切り札として扱われます。
プレイ中、得点カードと神属性のカードを獲得した場合は、表向きで手元に置いておきます。これにより、どのカードがすでにプレイされているかが分かります。
すべてのトリックが終わったら、チャレンジャーが目標を達成できたかどうかを確認します。
得点は「獲得した上級モンスター+トレードの有無+スロットの上級モンスター」です。トレードしなかった場合でも、トレードスロットに上級モンスターがあれば、それは得点に含まれます。
目標を達成していたら、獲得した得点分のチップをディフェンダー2人から受け取ります。失敗の場合はビッド+不足分のチップをディフェンダーに支払います。
これを9ラウンド繰り返し、もっともチップが多いプレイヤーの勝利です。もし、途中で誰かのチップがすべてなくなった場合はそこでゲーム終了です。
スカートの魅力が上手く表現できている
ここでは通常のトリックテイキング用語を使って説明しましたが、実際のルールではトリックテイキング用語は使われていません。
そのため、スートが属性だったり、切り札が強化エレメントだったりと、独自の用語で表現されています。
スカートの難しいポイントであるビッドの計算やカードごとのポイント、ランクの強さの順番などが上手く簡略化されており、それでいながらしっかりトリックテイキングの醍醐味があるアレンジです。
モンスター同士のバトルという世界観のため、すべてのカードには異なるモンスターが描かれ、強さも分かりやすいです。
元ネタであるスカートは3人用トリックテイキングの代名詞とはいえ、国内で遊んでいる人はそれほど多くなく、ルールも簡単ではありません。
わたしも今までいくつものトリックテイキングをいろいろな人に教えてきましたが、スカートに関しては挫折した人が結構います。
モンスカートはルール文量もA4表裏1枚で収まっており、非常に分かりやすいです。
また、チップもしっかり入っているため、スコアをつけなくていいのもいいです。一方的に差がついた場合は、チップがなくなるという終わり方があるのも救護策として優れていますね。
イラストにより、受ける印象は違いますが、スカートの面白さがしっかり表現されたトリックテイキングゲームです。