「「マスタード・チョコレート」「水曜日 」「あんずのど飴 」などを読んでから、よく読むようになった漫画家、冬川智子の作品です。
舞台は1999年07月
主人公である大学2年生の村山桜は、ノストラダムスの予言によって1997年の7月に世界が滅びると信じていました。
そのため、「どうせ死ぬんだから」と普段の生活でも、無気力になりがちです。
そんな彼女に対し、アパートの隣人である森が、突然交際を申し込みます。
桜は「どうせ死ぬんだから、最後くらい」と思い、森の申し出を受け入れいます。
こうして、顔を知っているという程度の知り合いであった森とのつきあいが始まります。
ノストラダムスのせい
桜は自分がこんなにもやる気がないのは、ノストラダムスのせいだと思っています。
しかし、それと同時に、「そうではない」という気持ちもあります。
また、それまでに男性とつきあったことがなかったため、どう接していいのか分かりません。
しかし、予言の日が近づくにつれ、桜の気持ちに徐々に変化が表れます。
台詞と間
この人の作品は、女性が主人公のものが多いです。
知っている限り、男性が主人公のものはありません。
女心を描いているものが多いので、読者の多く、ファンの多くは女性ではないでしょうか。
個人的には台詞や間のとり方が好きなので、いろいろ買って読んでいます。
この作品は舞台が1999年ということもあり、友人との連絡手段がFAXであったり、懐かしい面もありますが、別に懐かしさを推した作品ではありません。そもそも、そこまで懐かしいギミックは登場しません。
「自分はこの日に死ぬ」という思いを抱えながら生きている桜と、つきあうことになった森、そして桜の友達であるヒロタ。
この3人のみが主な登場人物です。
あまりベタベタした恋愛モノが得意ではないという人にもお勧めです。
1999年
わたしがノストラダムスの予言を知ったのは小学校の図書室でした。
その本には、ノストラダムスの予言がいかにそれまで当たっていたかが書いてあり、「ああ、自分も後、○○年くらいしたら、死ぬのかぁ」と、わずかに衝撃を受けた記憶があります。
もちろん、予言は外れたわけですが、かなり深刻に受け止めていた人もいるのではないでしょうか。
地球滅亡説というのは、何年かごとに流れるものですが、一体どれが本当に当たるのでしょうね。
そもそも当たるような説が登場するのでしょうか。