1830(1830: The Game of Railroads and Robber Barons)は、18××系と呼ばれる鉄道ゲームの1つです。プレイ時間が3~6時間とかなりの長時間ゲームで、名前は知っているものの、プレイはしたことがないという人も多いかもしれません。今回は、以前1846を遊んだメンバーでこの1830に臨みました。
1830:セットアップ編
まず、タイルの仕訳です。
この版の1830には、1830+というルールが入っており、通常のルールではそちらのタイルは使用しません。そのため、まずは使用するタイルと使用しないタイルを分けます。また、今回のゲームで使用するお金を用意します。銀行の破産が終了条件のため、こちらの金額もしっかり確認しておく必要があります。
そこからエラッタ修正のため、シールを貼るべきタイルを探します。
「あれ? このタイルない?」というシーンが何度かありましたが、他のタイルに混じっていたり、タイルの見方が違っていたりで、すべてのタイルが確認できました。
さらにボードを広げて、今回使用するプライベート会社を並べます。
この段階で50分ほどかかりました。
1830:インスト編
ここからルール説明です。
全員が初プレイですが、1人がルールを読み込んできたおかげで、スムーズに説明は進みました。
各手番ですべきことを確認して、適宜ゲーム上の質問を挟みつつ、一通りのルール説明が終わりました。
実際のところ、後発である1846に比べるとルールは分かりやすいです。
やるべきことと、どういうゲームなのかは把握できましたが、どういった展開になるのかは予測がつきません。
ルール説明には1時間半ほどかかりました。
1830:プレイ編
すでに2時間半ほど経ちましたが、ここからゲームスタートです。
まずは席順から決めるのですが、そもそもどこが有利かも分からないため、そのままの席で始めました。スタートプレイヤーはもっとも年齢が上の人に決定しました。
次はプライベート会社の競りです。
プライベート会社は収入や特殊効果をもたらしてくれます。4人用の場合、6社あります。1人で複数社持てますし、1つも持たないこともできます。
ここからが通常ターンです。
ターンは大きく2つのフェイズに分かれています。
1.株の売買
株の購入は1枚のみ、売却は何枚でも可能です。
会社は8社あり、初めてその会社を買う人が株の値付けを行います。また、各会社の最初の株は20%株のため、2枚分の値段が必要になります。
これを一手番ずつ繰り返していき、1つの会社の株が60%以上買われると会社が設立されます。その会社の運営権は、もっとも多くの株式を持っているプレイヤーです。運営権をもったプレイヤーはその会社のボードを受け取ります。
全員がパスをすると株の売買のフェイズが終了します。
2.会社の運営
株価がもっとも高い会社から運営を行います。株価が同じ場合は株価のマスがより右側にある方が先になります。
運営では以下の4つを行います。
1.線路タイルの配置
最初に置けるのは黄色いタイルのみです。基本的には無料で置けますが、マスによっては追加コストがかかります。時代が進むと、緑、茶が置けるようになりますが、飛ばすことはできないため、必ず黄⇒緑⇒茶の順番で置く必要があります。
タイルはどんどん枝分かれが増えていきますが、前にあった道が消えてしまうような置き方はできません。
2.トークンの配置
会社ボードにあるトークンを配置します。トークンは運営の際に通過しなければならず、他の会社のトークンがある場所は通ることができません。
3.列車の運行
列車が進めるマスを数え、そこに書かれた数値の合計の収入を得ます。
その後、収入を株主に配当するか、内部保留するかを決めます。
配当した場合、持っている株に応じて収入を分配し、株価が上がります。
内部に入れた場合、全額が会社に入り、株価は下がります。
4.列車の購入
自分の会社が運行できる状態にある場合、必ず列車を購入しなければなりません。買える列車や枚数は時代ごとに変わります。もし、会社のお金で列車が買えない場合は自分のお金から出さなくてはなりません。所持金が足りなかった場合、株を売却します。それでも足りない場合は破産します。
列車はサプライだけでなく、他社と交渉して買うこともできます。この場合、値段は自由に決めることができますが、最低1です。
これをすべての会社が行うと運営の1ラウンドが終了です。
最初は1ラウンドしかありませんが、時代が進むと2ラウンド、3ラウンドと回数が増えていきます。
ゲームは株の売買と会社の運営を繰り返すだけです。
時代は残っている列車の数によって進んでいきます。たとえば2の列車がすべて買われて、誰かが3の列車を買うと時代が3になります。列車は6とD(ディーゼル)まであります。
時代が変わるとプライベート会社がなくなったり、前の列車が使えなくなったり、置けるタイルの種類が増えたりします。
誰かが破産する、または銀行のお金がなくなるとゲーム終了です。
自分の所持金と(株券×株価)を合計して、もっとも金額が多いプレイヤーの勝利です。
1830:感想
銀行のお金がなくなるまでやり、終わったのは7時間後でした。
トータル9時間半ほどです。
さすがに疲れました。
実際のところ、やるべきことはそれほど難しくありません。自分の会社が効率良く運行できるようにして、高くなる株をたくさん持てば、それで勝ちに近づけます。
しかし、それが分かっていても、どういう展開になるのかは全然読めません。
特に難しいのが配当で、分配すれば株価があがるのは分かっているのですが、そうなると会社にお金が残らないため、新しい列車が買えなくなってしまいます。そうすると、最悪自分の負担になるので、それは避けたいところです。かといって、会社にお金を残そうとすると株価がどんどん下がっていくため、この辺りの見極めが難しいです。
今回のゲームでは2人のプレイヤーがお互いの株を持ち合い、Win-Winの関係が築けていました。自分は独自路線で行こうとしたため、1つの会社の株価が最終的に暴落し、終わってみると大差がついていました。
運要素がないため、実力差が如実にでるゲームです。恐らく回数をこなすほど、展開が見えてくるため有利に動けるのではないでしょうか。
ゲーム自体は面白いですが、万人に勧められるものではありません。
タイミングを一歩間違うと終盤で破産ということも十分にありえます。それから何と言ってもプレイ時間の長さです。繰り返し遊べば上手くなるとは分かっていても、6時間級のゲームを繰り返すのは相当にハードルが高いです。
入手難度やプレイ時間から考えても、1846の方が始めやすいかもしれませんね。
タイトル | 1830: Railways & Robber Barons |
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発行年 | 1986年 |
プレイ人数 | 2~7人 |
プレイ時間 | 180~360分 |
デザイナー | Francis Tresham |
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