2015年のドイツ年間エキスパートゲーム大賞にノミネートされた作品です。
他には、オルレアンとブルームサービスがノミネートされています。
(参照:オルレアンを初プレイした感想)
エリジウムについて
エリジウムは、ギリシア語でいうエリュシオンで、死者のいくところです。
エーリュシオンは、ギリシア神話に登場する死後の楽園である。冥界の審判官を務めるラダマンテュスが支配する世界で、神々に愛された英雄たちの魂が暮らすとされる。長母音を省略してエリュシオンとも表記される。(Wikipediaより)
ゲームではさまざまな効果をもつ英雄を獲得し、それらをエリジウムに送ることで勝利点を得ます。
英雄のカードはそれぞれ特殊効果を持っていますが、エリジウムに送られるとそれらの効果はなくなってしまいます。(エリジウムに行って効果を持つものもあります)
カードはギリシア神話の8種類の神の系統に分かれています。
- ゼウス
- ヘパイストス
- ヘルメス
- ハデス
- ポセイドン
- アレス
- アポロン
- アテナ
この8種類のうち、1回のゲームでは5種類を選びます。
そのため、選んだ系統によりゲームの展開が変わります。
ドミニオンなどでお馴染みのシステムですね。
選ばれた5種類をよく混ぜ、そこから場に(人数×3+1)枚のカードを並べます。
3人プレイだと10枚を並べることになります。
カードの取り方がちょっと特殊で、現在持っている柱(赤、青、黄、緑の4種類)が描かれているカードを取ることができます。たとえば、コストとして緑が描かれているカードを取る場合、自分の手元に緑の柱が残っていれば、赤の柱を支払って取ることが可能です。描かれている色を支払う訳ではなく、あくまで持ってさえいればOKです。
これが慣れるまで少し時間がかかるかもしれません。
実際にコストを支払ってみて、次の手番になってから「あれ?取れない」ということが何度かありました。
また、カードの他に、収入が描かれたクエストタイルを取ります。
これも取り方はカードと同様です。
これを「カード3枚、クエストタイル1枚」を取るまで続けます。
もし場にあるカードのコストを持っておらず取れない場合は裏向きにして取得します。
これは終了時に減点となります。
カードとクエストタイルの取得が終わったならば、今度はカードをエリジウムへ送ります。
送られたカードは、組み合わせによって得点となります。
組み合わせは2種類あり、
同じ色で数字が異なるカード
同じ数字で色が異なるカード
を揃えることで、得点となります。
また、それぞれの組み合わせを先に達成することでボーナスがあります。
これを5ラウンド繰り返し、もっとも勝利点の高いプレイヤーの勝利です。
エリジウムを遊んでみた感想
コンポーネントはとてもきれいです。カードは通常のものよりもちょっと大きめで、デザインも美しいですね。テキスト依存はそれなりにありますが、だいたいはアイコンを見て何とかなるレベルです。
ただし、カードの発動タイミングや効果が、かなりバリエーション豊富なため、何度か遊んでみる必要はありそうです。
というのも、1度のプレイで出てくるカードは限られており、山札すべてがオープンになる訳ではありません。そのため、同じ組み合わせで数回遊んだとしても、まだ見たことがないカードが残る可能性すらあります。
山札の組み合わせも8種類のうちから5種類ということは、計算上56パターンあります。
これもなかなかのバリエーションです。
同じ展開になりにくいというメリットがありつつも、カード内容を考えた戦略が立てづらいという面もあります。
「今回はこの山札だから、これを重視するか」
と思っていても、なかなかそのカードが出てこないこともあるでしょう。
この辺りをどう捉えるかで評価が変わるかもしれません。
それから、カードの効果も派手で強力なものが多いのも好みが分かれるでしょう。
緻密に戦略を立てていくというよりは、派手な効果をアドリブで楽しむタイプのゲームですね。
ゲームシステム以外でネックとなるのが値段です。
基本的にカードゲームなので、これで8,500円+税というのは、ちょっとハードルが高いです。
ただ好きな人にとっては、何度も遊べるだけの幅はあると思います。
ちなみに今回はルール説明込みで1時間40分ほどかかりましたが、慣れると1ゲーム1時間ほどだと思います。そのため、十分繰り返し遊べそうな感じはありますね。