以前、初めてボードゲームを遊ぶ人にどんなゲームを勧めたらいいかという記事を書きました。
今回はそこから少し発展して、1時間以上時間がかかるじっくりタイプのゲームについて考えてみます。対象は簡単なゲームなら遊んだことがある20~30代の男女です。

選ぶ際の条件
非公開情報の有無
まず条件に入れたいのが、他プレイヤーがゲーム中にアドバイスができるかどうかです。
これは昔はそれほど意識していなかったのですが、Twitterなどでいろいろ話を聞いていくうちに、かなり重要ではないかと思い始めています。
言い換えると非公開情報の有無です。
アグリコラのような手札があるゲームは、相手の情報が分からないため、アドバイスがしづらいです。
プレイしている方も「このカードは今使えるの?」といったことが聞けないので、どうしていいか分からなくなってしまいます。
そう考えると手札があるゲームというのは、初めて遊ぶのにはなかなかハードルが高いです。(短時間で繰り返し遊ぶのには問題ないですが)
プレイし終わってから、相手の手札を確認して「え、なんでこのカード使わなかったの? 強いのに」などと言おうものならゲームの印象も悪くなってしまいます。
それと同様の理由で、テキスト効果がたくさんあるものも、あまり勧めづらいらいです。どのカードが強く、どのカードが弱いかというのは知っているかどうかでかなり差が出てしまいます。
少なからず「アグリコラが嫌い」という人がいるのは、上記の理由が大きく関係しているはずです。
言語問題
コンポーネントの言語問題も考えておきたいポイントです。
最近では多くのボードゲームが日本語化されていますが、そうはいってもまだまだ英語・ドイツ語のボードゲームは多いです。デザインの問題で、あえて日本語以外のバージョンを購入する人もいます。
実際のところ、英語アレルギーの人は結構いて、コンポーネントに英字がたくさんあるとそれだけで「ムリ」となる場合もあります。
もちろんこれは個人差もあるので、英語を読むことに抵抗がない人ならば、それほど問題視する必要はありません。
見た目
コンポーネントも見た目も注意を引くかどうか重要なポイントです。
茶色の四角いキューブよりも、木の形をした茶色いトークンの方が、より木材という雰囲気が出ます。また、目の前にどんどんトークンが増えていったり、タイルが置かれていったりするのは見栄えもよく、ワクワクしてきます。
場がにぎやかになっていく様子は、それだけで見た目にも楽しいです。
時間がかかるゲームに慣れてしまうと、コンポーネントはそこまで気にならなくなるので、初めての人に勧める際には改めてチェックして欲しいポイントです。
以上を踏まえて何を選ぶか
上記の条件を踏まえて、候補として挙がるのがカヴェルナです。
カヴェルナはアグリコラのような手札がなく、非公開情報がありません。
そのため、手番で何をしたらいいかアドバイスが可能です。建物の種類はありますが、その場でどんな効果かを詳しく聞くことができるので、そこまで差がつきません。
しかし遊んだことがある人ならば「え?カヴェルナ??」と思うのももっともです。
カヴェルナはルールが多く、手番で出来ることはアグリコラよりも幅広いです。さらに時間もかかるため、気軽に出来るゲームではありません。
ただ、最初からじっくり遊ぶことを前提に置くならば十分にアリだと思います。
分からなければその都度アドバイスすればいいですし、残りどのくらいのラウンドがあるかが分かるので見通しもいいです。
最近遊んで「これもいいかも」と思ったのが、ニューベッドフォードです。
こちらは多少英語はありますが、ほとんどがアイコンで分かりますし、コンポーネントの見た目もいいです。非公開情報もありません。また、クジラの引き運があるため、必ずしも経験者が勝つとは限りません。フリーアクションが1種類しかないので、手番ではワーカーを置くだけというのもシンプルでいいです。
こうしてみるとやはりワーカープレイスメントというシステムの優秀さがよく分かります。
好きなところにコマを置き、その効果を発動させるというのはとても分かりやすいです。
非公開情報がないという点で、ブリュークラフターズもお勧めです。
こちらもワーカープレイスメントですが、カードがすべて公開された状態なので、アドバイスしやすいです。ビールというテーマも馴染みがありますし、トークンのデザインが豊富で見た目もいいです。ただし、カードに言語依存があるので、遊ぶ際は日本語化しておくことをお勧めします。
今回の結論は「非公開情報がないワーカープレイスメント」が初めて遊ぶ長時間ゲームに向いているということです。
もちろんあくまでも個人的な考えですので、異論反論もあるでしょうが、ひとつの参考にはなるだろうと思います。
非公開情報があり、手番の選択肢が多いと、何をしたらいいか分からなくなるので、最初からそういうゲームに入るのはできれば避けたいところです。


