アナクロニーは未来の地球を舞台にした1~4人用のゲームです。確実に訪れる滅びを前にして、資源を集め、労働者を雇い、建物を建てて勝利点を集めることを目指します。
アナクロニーについて
各プレイヤーは個人ボードと初期資源、ロボットを受け取ります。ロボットはパワードスーツのようなもので、中にワーカーを入れないと使えません。(ゲーム中は便宜的にメックと呼んでいました)
個人ボードは表と裏があり、表のA面は全員共通、裏のB面は数値や能力など、すべてが異なります。さらに各国には特殊能力を持ったリーダーが2人ずつおり、開始時にどちらのリーダーを使うか選びます。
基本的なシステムはワーカープレイスメントです。
ワーカーを配置するところはゲームボードと個人ボードにあります。ただし、ゲームボード上にワーカーを配置する場合はメックに搭載する必要があります。また、ゲームボード上のアクションは使用するワーカーによってボーナスがあったり、制限があったりします。
アクションによって個人ボードに建物が建つと、そこでもアクションを行うことができるようになります。こちらにはメックは必要ありません。
ゲームは以下の6つのフェイズから成ります。
- 補充
- パラドクス
- パワーアップ
- ワープ
- アクション
- クリーンナップ
アナクロニーの独自要素として、未来の自分から資源やワーカーを借りてくるというものがあります。ただし、借りたままでいるとタイムパラドクスが生じ、不利益なことが起こるのでタイムワープして過去の自分に返しに行かなければなりません。
パワーアップでは今回使うメックの数を決めます。
個人ボードにはメックを置く場所と建物を置く場所、さらにいくつかのパラメータがあります。そこに今回使う分を置くのですが、置くためにはコストが必要なところもあります。そのため、たくさんのメックを使おうとすると、その分多くのコストが必要になります。
アクションは一般的なワーカープレイスメントで、各プレイヤーが1体ずつワーカーを配置してアクションを行っていきます。アクションには、資源を得る、建物を建てる、ワーカーを雇う、ブレイクスルーを取る、資源交換、水を取る、他のアクションのコピーがあります。また、建物を建てることで自分だけが行えるアクションが増えます。
資源交換と水を取るアクションの2つは何体でもワーカーが配置可能です。他のスペースは数が限られており、なおかつ後で配置する場合は追加コストが必要な場合があります。
これを最大で7ラウンド行います。
「最大で7ラウンド」というのがポイントで、展開によってはもっと早くゲームが終わります。
アナクロニーでは4ラウンド終了後に世界の崩壊が始まります。そうすると建物を建てる、ワーカーを雇う、ブレイクスルーを取るアクションは徐々に使えなくなっていきます。それらのアクションがすべて使えなくなると7ラウンドを待たずにゲーム終了となります。
終了トリガーが引かれたらその後の処理を行い、合計得点がもっとも高いプレイヤーの勝利です。
要素もりだくさんのワーカープレイスメント
上記はかなり大まかな説明で、実際はまだまだ要素がたくさんあります。専用ダイスを振ったり、フリーアクションがあったり、セットコレクションがあったり、避難アクションがあったりと、だいぶ要素は多めです。
今回は4人全員が初プレイだったのですが、まずルール説明とセットアップの段階で1時間半かかりました。それからセットアップのためのスペースもかなりの広さが必要です。ゲームボードと個人ボードはそこまで大きくないのですが、他にトークンやタイルやらを置いておく必要があります。
基本はワーカープレイスメントなので、そこまで難しくないのですが、とにかく要素が多いため、考えるべきことはいろいろあります。また、個人ボードのB面は独自色が強くなっているので、それに合わせた路線を取らないと不利になります。そのため、最初はA面を使った方がいいかもしれません。
要素が多く、複雑な割に、運に大きく左右される点もあります。
たとえば、建物は4種類あるのですが、それぞれがランダムの山札になっているため、だんだんと強くなっていくわけではありません。さらにコストはその建物ではなく、個人ボードに描かれているので、強力な建物を安く手に入れた方が単純に有利です。
また、各ラウンドで1枚だけ登場する強力なタイル(建物スペース2マスを占有する)もランダムなため、「このタイミングでそれ?」みたいなこともあります。こちらはタイルによって、必要コストが決まっているのですが、これもそのとき、たまたま対応するブレイクスルーを持っている人だけが取れることが多いため、運要素が強いです。
ワーカープレイスメントの部分はコピーのアクションがあるため、「ここでそれを取られるとマズい!」といったケースは起こりづらいです。また、何人でも置けるアクションがあるため、ワーカーがムダになることもありません。ちなみに複数人置けるアクションは救護策というより、普通に有効なアクションです。この辺りをぬるいと捉えるか、ユーザーフレンドリーと捉えるかで評価が分かれるでしょう。
説明と準備で1時間半、プレイに2時間半で合計4時間かかりました。
やってみた感想としては、ここまでの時間をかけるなら他のをやるかなぁというのが正直なところです。今回プレイした全員があまりいい評価ではなく、中でもひとりは「途中でやめるのを提案しようと思っていた」とのことでした。
少なくてもこのメンバーで再プレイすることはなさそうです。ちなみに同作者&同メーカーのトリカーリオンは、このメンバーで協議終了という結果だったので、もしかすると相性が悪いのかもしれません。