アークライトカードゲームは18世紀の産業革命をテーマにした1~4人用のゲームです。2014年に出た「アークライト(Arkwright)」のカードゲーム版になります。
アークライト:カードゲームについて
各プレイヤーに、プレイヤーボードとマーカー、トークン、カード、工場タイルを渡します。
市場ゲームボードにマーカーを配置します。各プレイヤーのお金はボード上のトラックで管理します。
手番順で初期の工場やカードが変わります。工場は食品・衣料品・カトラリー・ランプの4種類です。
ゲームは3つの年代を行い、各年代は4つのラウンドに分かれています。さらにラウンドは3つのフェイズで構成されています。
ラウンドごとに稼働する工場の種類が違うため、該当する工場を持っていない場合は、そのフェイズをスキップします。
1.アクションフェイズ
手番では以下の3つのステップを実行します。3つすべてを行ったら、次のプレイヤーの手番になります。
a. アクションの実行
以下の中から1つ実行します。
- 工場の建設 and/or アップグレード
- 労働者の雇用
- 生産の自動化
- 品質・流通の追加
- 証券取引
- 追加生産(上級ヴァリアント)
- 早期出荷(上級ヴァリアント)
b. 価格と魅力の決定
工場タイル上のマーカーを好きな位置に動かし、価格と魅力を決めます。さらに事務所を回転させて、価格か魅力のどちらかを追加します。
価格と魅力が決まったならば、市場ゲームボード上の魅力マーカーを該当する位置に移動させます。
このとき、魅力マーカーの動き方によって、需要マーカーも移動します。
c. 開発
開発ではプレイヤーボードで1つのマーカーを移動させるか、開発カード1枚を獲得することができます。
マーカーを移動させることでアクションが強化されていきます。開発カードはさまざまな効果をもたらしますが、所持数に上限があります。
2.生産フェイズ
該当する工場を持っている場合は、以下の順番でステップを行います。
生産フェイズでは全員が同時に処理を行います。
- 国内市場に商品を販売して収入を獲得
- 商品の保管または出荷
- 生産コストの支払い
- 株価の上昇
- 流通の減少
3.次のラウンドの準備
ラウンドマーカーを進め、スタートプレイヤーを時計回りに渡します。
ゲームの終了
年代Ⅲのラウンド4が終わるとゲーム終了です。
倉庫に商品が残っている場合は、固定価格で販売します。さらに残り資金で買える分の株を購入します。
ローンや出荷を行っている場合は、株が下がります。
株価と株数をかけて、その値がもっとも大きいプレイヤーの勝利です。
実際のゲームの様子
4つの工場で商品を生産し、資金を集めて株価を上昇させたり、新たに株を買い足していきます。
ラウンドは食品→衣料品→カトラリー→ランプの順番で行います。そのため、まず生産されるのは食品です。
商品を売るためには魅力が高い必要があります。商品は需要と魅力の差分だけ売ることができ、あまってしまった分は倉庫に保管するか、海外に出荷することになります。
生産時に魅力が単独でもっとも高いと、さらに株価が上がるため、他のプレイヤーとのインタラクションが発生します。
また、魅力と価格は反比例するため、一方を高くするともう一方は下がります。市場の需要を考えながら、適切な価格を設定しなければなりません。
あとは開発により、魅力と価格を追加で上昇させたり、株を購入したり、労働者を増やすことで生産数を増やしたりしていきます。
これカードゲームか……?
個人ボード(しかもレイヤーの)とゲームボード、タイルにトークンやマーカーまでありますが、カードゲームです。
ルール量も相当あり、一般的なカードゲーム化とはだいぶ印象が違います。
今回は4人で遊び、ルール説明からゲーム終了まで3時間半ほどでした。
序盤は何をしたらいいのか見当がつきませんが、実際にやり始めるとやるべきことが見えてきます。一度方針が決まると、やるべきことが決まってくるため、だんだんテンポもよくなっていきます。
初期状態では各自2種類ずつ工場を持っています。アクションで工場を買うことができるため、最大で4つまで持つことが可能です。
今回は誰も工場を買い足すことなく、全員2つのままで終わりました。
開始した時点では「手数足りなそう」と思ったのですが、終盤になると「あれ?やることないかも」となったので、工場は買い足した方が良さそうです。
大まかな流れは「生産して販売」です。
ゲーム中は生産数を増やしたり、魅力を増やしたり、価格を上げたりして、拡大再生産していきます。
ただし、勝敗はあくまで株価と株券の乗算なので、タイミングを見て株券を買っていく必要があります。
インタラクションは生産フェイズで発生します。
自分が魅力を上げることで、商品自体の需要が高まります。そうすると魅力がない商品は売れなくなってしまうため、他のプレイヤーの計算が狂ってしまいます。
ただし、売れなくても保管や海外への出荷ができるため、まったく手詰まりになるようなことはないです。
効果はすべてアイコンなので言語依存はありません。サマリーにも順番とアイコンしか描かれていないため、慣れるまでは少しかかりそうです。
開発カードはあらかじめすべて公開されているため、運要素もありません。
カードゲームといっても決してハードルは低くないですが、好きな人が多そうなゲームです。
タイトル | Arkwright: The Card Game |
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発行年 | 2021年 |
プレイ人数 | 1~4人 |
プレイ時間 | 60~100分 |
デザイナー | Stefan Risthaus |
BGGリンク | Arkwright: The Card Game | BGG |