ボトルインプは2~4人用のトリックテイキングゲームです。ボトル駒がプレイヤー間を行き交い、最後にボトル駒を持っていたプレイヤーは、それまで取ったトリックに関わらず、失点になってしまいます。「悪魔のトリック」を受け取ることになるのは、一体誰でしょう?
ボトルインプについて
カードは赤、青、黄の3色あり、それぞれ12枚ずつですが、数字がすべて異なります。たとえば、4は青、5は黄、11が赤といった感じです。それに初期価格カードの19が加わるため、1~37のカードが存在します。(どの数字が何色かはリファレンスカードがあります)
ディーラーをランダムに決定し、カードを各プレイヤーに配りきります。
各プレイヤーは手札を確認したら、その中の1枚を誰にも見せずに初期価格カードの下に置きます。これらのカードは悪魔のトリックと呼ばれます。全員が1枚ずつカードを入れたならば、今度は両隣のプレイヤーに1枚ずつカードを渡します。
これで準備完了です。
まずディーラーの左隣のプレイヤーがカードを1枚プレイします。以降はマストフォローのトリックテイキングです。そのため、最初に出された色のカードが手札にあれば、必ずそれを出さなければなりません。その色がなければ何を出してもOKです。
カードの強弱は基本的に数字が大きい方が勝つのですが、ボトルインプならではの変わった特徴があります。
もし、出されたカードが初期価格カードよりも小さい数字ならば、その数字が勝ちます。複数人が初期価格カードよりも少ない数字を出したならば、その中でもっとも大きい数字が勝ちます。
初期価格カードよりも小さい数字でトリックに勝った場合、今度はその数字が新しい価格カードになります。そのカードを表向きで自分の前に置いておき、ボトル駒を受け取ります。
同様にそれよりも小さい数字がプレイされたら、また価格が変わり、駒を受け取ります。
これを全員の手札がなくなるまで繰り返します。
獲得したカードの上に描かれたコインの数の合計がその人の得点になります。ただし、ボトル駒を持っている人はその点数はもらえず、初期価格カードの下に埋められていたカードのコインの合計分、失点します。
これを規程の回数ラウンド、または目標点数を達成するまで繰り返して、合計得点が多いプレイヤーの勝利です。
え? 誰か1持ってるよね?
日本語版が出るまではなかなか手に入りづらいゲームで、一時期高額化していましたが、ようやく手軽に手に入るようになりました。
なかなか変わったシステムなので、一般的なトリックテイキングに慣れている人でも初めは頭を悩ませるでしょう。いかにボトル駒を避けるかが重要なのですが、トリックを取らないことには得点が入らないため、どこかしらでボトル駒を受け取ることになります。持っている時間が長くなると、それだけで胃がキリキリしてきます。
当然のことながら、1のカードでトリックに勝ってしまうと、その時点でマイナス決定です。
「じゃあ、手札に1が来たら終わりじゃん」
と思われるかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。
1が手札にきても、いくつかの対策があります。
1つ目が初めに初期価格カードの下に埋めてしまうこと。
こうすることで1をプレイしなくて済みますし、他の人を惑わすことができます。たとえば、1があると思って2でトリックに勝ったプレイヤーは絶望するはずです。
2つ目が他のプレイヤーに渡してしまうこと。
これはかなり有効で上記のような状況を避けることができます。2でトリックに勝ったとしても1があることが分かっていれば安心です。
3つ目がトリックで負けること。
価格カードよりも少ない数字が複数あった場合、もっとも大きな数字が勝ちます。そのため、価格が5だとして、誰かが3を出し、そこに1を出せば負けることができます。しかし、マストフォローのルールがあるので「ここで出したいけど、出せない!」といった苦しい状況もよくあります。
ボトルインプはトリックテイキングの中で、かなり有名な作品ですが、プレイ感はだいぶ独特です。カードの価値がプレイ中に変わっていくというのはめずらしいです。そのため、ボトルインプからトリックテイキングを知った人は、他のゲームをやったときに「あれ?」と感じるかもしれません。
ただ、マストフォローならではの「出したいけど出せない」「取りたくないけど取らざるをえない」といった感覚は多くのトリックテイキングと共通しています。
そのため、ここからトリックテイキングを知った人には、ぜひいろいろなゲームを遊んで欲しいなと思います。
このサイトでもいろいろ紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。