クランズオブカレドニアは19世紀のスコットランドを舞台とした経済ゲームです。各プレイヤーは有名氏族となり、牛乳や羊毛を生産したり、パンやウィスキーを加工したりして、輸出契約を履行していきます。イラストはアグリコラやカヴェルナでお馴染みのクレメンス・フランツです。
クランズ・オブ・カレドニアについて
4枚のマップタイルを組み合わせてマップを作り、さらに輸出ボード、市場ボードを並べます。各プレイヤーは個人ボードとコマを受け取り、個人ボードの対応するスペースにコマを配置します。
ゲームは全5ラウンドあり、各ラウンドは4つのフェイズに分かれています。
フェイズ1 準備
全ラウンドの得点計算タイルを裏返し、輸出ボードの空きスペースにタイルを補充します。また、前のラウンドに使用した商人コマを手元に戻します。
フェイズ2 アクション
アクションは全8種類あり、パスを選ぶとそのラウンドではもうアクションができません。
アクションには交易、輸出契約の獲得、拡大、船舶輸送力の向上、道具の改良、商人1人の雇用、輸出契約の履行、パスがあります。
拡大で個人ボードからマップにコマを配置し生産力を高め、資源を集めて、契約を履行していくのが主な流れです。
また、すでに配置されている他のプレイヤーの隣に建物を建てると建物ボーナスがあります。このとき、その建物が生産しているものを市場から値引き価格で購入することができます。
フェイズ3 生産
ゲームボード上にあるユニットが物資を生産したり、加工したり、お金をもたらします。
フェイズ4 得点計算
そのラウンドの得点計算タイルに従って栄光点を得ます。
これを5ラウンド繰り返し、その後、最終得点計算を行い、もっとも栄光点が多いプレイヤーの勝利です。
氏族の特殊能力+リソースマネージメント+陣取り
個人ボードからコマをゲームボードに配置していくという形式がテラミスティカを思わせますが、実際にやってみた感じ、そこまで似ているとは感じませんでした。
4人での初プレイということで、最初からルールを見ながら説明していったのですが、唯一、最終得点計算の入植地の得点計算でつまずきました。自分のコマのグループを1つの入植地と考え、船舶輸送力の範囲内にいくつの入植地があるかを比べます。
1回遊んでみると、ルールにある
この得点計算は、最も多くのスペースに拡大したことに関するものでも
最も大きな入植地を設立したことに関するものでもありません!
の一文の意味が分かります。
ここで比べるのは入植地の数であり、コマの数でも広さでもありません。また、川の隣は隣接していることにならないので、別の入植地扱いになる点も注意です。
選択肢が多いので、初めはどうすればいいのか見当がつきません。ゲームが進み出すと、徐々に「ああしておけばよかった」というのが見えてきます。
資源には基本商品(羊毛、穀物、牛乳)と加工商品(パン、チーズ、ウィスキー)があるのですが、生産時に直接手に入るのは基本商品だけで、加工商品はあくまでも加工する権利があるだけというのも勘違いしやすいです。そのため、パン屋を建てていても、穀物がないと生産時には何も入りません。
テラミスティカの簡易版のような意見もあるようですが、要素は決して少なくありません。初回は準備とルール説明で1時間ほどかかりましたし、プレイ時間も3時間ほどと、決して気軽に遊べるレベルではありませんでした。
また、このくらいのプレイ時間の割に、輸出契約タイルのめくり運に左右される部分も大きいので、この辺りが気になる人もいるかもしれません。自分の手持ち資源にあったタイルがでるかどうかで10点くらい変わることもあります。
全体としてはさまざまな要素が上手くまとまっており、氏族の能力によって立ち回り方が変わってくるので、リプレイ性は高いです。そのため、ある程度長時間のゲームに慣れている人ならば十分に楽しめるはずです。
とりあえず初回は陣取りで早々に失敗したので、近々再プレイしたいです。