ザ・クルー(The Crew / Die Crew)は2~5人用の協力型トリックテイキングです。会話禁止の中、協力して50の課題に臨みます。エッセンシュピール2019のスカウトアクションで1位を獲得し話題となったタイトルです。
GPから日本語版が発売されました。
スカウトアクションとは会場で行われる出口調査です。実際に遊んでみて、面白かったゲームに対して投票が行われます。2017年にはガイアプロジェクトとクランズオブカレドニア、2018年にはベルラッティとシティオブローマが1位を取っています。
ザ・クルー(The Crew / Die Crew)について
カードは4スートが1~9、切り札スートが1~4の合計40枚です。その他に課題に使うミッションカードや司令官マーカー、いくつかのトークンがあります。
ミッションカードは課題が書かれている訳ではなく、4スート1~9までが書かれています。つまり切り札以外のカードを小さくしただけです。課題は説明書に書かれており、その際に目標となるカードを選ぶために、このカードが使われます。
ゲームはマストフォローのトリックテイキングです。特殊なルールはありません。切り札4を持っている人が司令官(リードプレイヤー)となります。
ゲーム中、カードについて話すことは禁止されています。ただし、各自ラウンドにつき1回、トリックが始まる前に無線チップを使うことでカードの情報を知らせることができます。
トリック開始前、手札から1枚のカードを公開します。さらにそこに無線チップを置きます。そのカードがそのスートで1番大きい数字ならばカード上部、1番小さい数字ならばカード下部、そのスートはそのカードしかなければ真ん中にチップを置きます。これにより、他のプレイヤーの情報を伝えることができます。
ミッションについて
ラウンドごとに1つのミッションが与えられます。
ミッションは「このカードをこの人が取る」という形式が主です。たとえば、「司令官が緑4を取る」といった感じです。難易度が上がってくると、指定枚数が増えたり、取る順番までが指定されたりします。
他には「このプレイヤーはトリックを獲得してはいけない」「カードは公開できるが無線チップは置けない」といったミッションもあります。
トリックテイキングについて深く学べる
実際に遊んだ人からの評判がよく、トリックテイキング好きとしてはとても気になっていたゲームです。実際に遊んでみると、なるほど、これは確かに面白いです。コミュニケーション不可の状況で、相手の出したカードから意図を読み取るのは実にトリックテイキングらしいです。
今回4人で遊んでみて9つほどのミッションをクリアしました。大元のルールはシンプルなマストフォローのトリックテイキングなので、経験者ならば簡単な説明だけで遊ぶことができます。
トリックテイキング初心者同士で遊んでも十分に面白さを感じ取れるはずです。ただしこのゲーム、同じくらいの経験値のプレイヤーと遊んだ方がいいです。上級者が初心者に対していろいろダメ出しをすると一気にトリックテイキングが嫌いになるリスクがあります。
「ここでこのカードを出したってことは、この人はこれの9を持っていないってことだよね。ということはあなたはこれを出すべきで、そっちを出してしまったからダメだったんだよ。考えたら分かるよね?」なんて言われたら「は?2度とやるか」となります。
そもそも経験値に差があると、アドバイス自体が伝わらない可能性が高いです。そのため、もし経験差がある人同士で遊ぶ際は、その点に十分に注意して欲しいです。
このゲームを遊ぶことで、トリックテイキングの仕組みが分かると、恐らくどんなトリックテイキングでも上手にプレイできるようになります。そういった意味では、トリックテイキングゲーム初心者にこそ遊んで欲しいゲームかもしれません。
ちなみにカード自体には言語依存はありませんが、ミッションはすべてテキストです。さらに課題ごとにフレーバーテキストもあるため、かなりのテキスト量になります。
タイトル | The Crew: The Quest for Planet Nine |
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発行年 | 2019年 |
プレイ人数 | 2~5人 |
プレイ時間 | 20分 |
デザイナー | Thomas Sing |