アージェント:コンソーシアムは魔法大学の総長となるべく、より多くの得票を目指す2~5人用のワーカープレイスメントです。選挙人は投票する条件がそれぞれ異なりますが、最初は12人中2人しか分かりません。ゲーム中に他の条件を探りつつ、より多くの得票条件を満たすためにアクションを行っていきます。
アージェント:コンソーシアムについて
各プレイヤーは個人ボード、初期資源、トークン、忠誠紋章を受け取ります。忠誠紋章は輪状になっており、そこにフィギュアをはめることで所有を表します。個人ボードは両面仕様になっており、それぞれ能力が異なります。
タイルを組み合わせてゲームボードを作ります。プレイ人数によって使用するタイルの枚数が異なります。タイルも両面仕様になっており、それぞれ効果が変わります。
ゲームの流れ
ゲームは全5ラウンドです。
各ラウンドは3つのフェイズに分かれています。
1.準備フェイズ
消耗状態のカードや技能章を再び使える状態に戻します。ディスプレイに残ったカードをすべてデッキの下に戻し、新たなディスプレイを作ります。
2.任務フェイズ
1人1アクションずつ行います。最後の鐘楼カードを取ると、そこでフェイズ終了です。
3.解決フェイズ
各部屋タイルの効果を順番に解決していきます。
ゲームの終了
5ラウンドが終了するとゲーム終了です。それぞれの選挙人が条件を満たしたプレイヤーに対して投票を行います。もっとも多くの票を獲得したプレイヤーがゲームに勝利します。
得票基準は大きく5種類に分けられます。
リソースごとの最多
マナやゴールド、影響力など、もっともリソースを多く持っているプレイヤーに投票します。
カード種類ごとの最多
消耗品、秘宝、支持者といったカードの種類をもっとも多く持っているプレイヤーに投票します。
学部ごとの最多
対応する学部アイコンを多く持っているプレイヤーに投票します。
最多研究
研究をもっとも行っているプレイヤーに投票します。
最多様性
支持者と呪文のアイコンの種類がもっとも多いプレイヤーに投票します。
アクションの種類
手番に行えるアクションは以下の5種類です。
魔術師を派遣
一般的なワーカープレイスメントのように魔術師コマをアクションスロットに配置します。ただし、効果が発動するのはその瞬間ではなく、解決フェイズです。
呪文を詠唱
マナを支払い呪文の効果を発動します。使った呪文は横向きの状態になり、そのラウンドではもう使えません。
財宝を使用
財宝カードは大きく分けて消耗品と秘宝の2種類です。消耗品は1度使うと捨札になります。秘宝は横向き状態になり、次のラウンドで再び使えるようになります。
支持者カードを使用
獲得した支持者カードの効果を発動します。使用した支持者は捨札になります。
鐘楼カード
場に並んでいる鐘楼カードを獲得し、その効果を即座に発動します。
ゲームの展開
12人の選挙人の条件は2枚だけが公開されています。また、開始時にそれぞれ1枚ずつ中身を見ることができます。その他はゲーム中に密約のアクションを行うことで確認可能です。条件を確認したら、あとはその投票条件を満たすようにリソースやカードを集めていきます。
支持者カード、財宝カード、呪文カードは、ほぼすべてがテキスト効果です。オールユニークとまではいきませんが、相当な種類があります。呪文にいたっては1枚につき3つの効果があるため、それを確認していくだけでも結構な時間がかかります。
さらにワーカーにも能力があります。たとえば赤のコマ(妖術師)はすでに配置されているコマを負傷状態にして、その場所に配置できます。それに対し緑のコマ(自然術師)は負傷状態になりません。ワーカーは6種類ありますが、どれを使うかは準備段階でドラフトで決めます。
個人ボードごとにも能力があるため、膨大な情報を把握しつつ、条件を満たしていく必要があります。
さまざまな効果を駆使して総長になることを目指す
今回は4人で遊び、準備とルール説明に40分ほど、プレイには3時間半ほどかかりました。新しいカードが出るたびに効果を読んでいく必要があるため、初回は時間がかかります。
任務スロットの効果はシンプルで「8金を得る」「知識トークン1つ得る」といったアイコンで理解できるものがほとんどです。ただし、上から順番に解決していくため、場所争いが過熱します。
一般的なワーカープレイスメントでは、ワーカーを増やすのが定石の1つです。多くの場合、手数を増やすことで有利になる場合が多いです。ただし、このゲームは鐘楼カードがなくなるとラウンドが終わってしまうため、ワーカーを使い切れないまま終わってしまうことがあります。そのため、単純に増やせばいいといわけでもありません。
他プレイヤーを直接攻撃する要素や、それに対抗する効果など、情報量が多いため、誰がどういった効果を持っているのか把握するのはかなり大変です。
また、実際にやってみて感じたのが影響力の重要さです。投票条件を複数のプレイヤーが満たしている場合、密約トークンを置いているプレイヤーが選ばれます。それも同じだった場合は影響力が多い方が選ばれます。今回わたしは条件を満たしていたものの、影響力で負けていることが何枚かあり、だいぶ負けてしまいました。
情報量が多いため、決して万人向けではありませんが、さまざまな効果を駆使するのが好きな人にお勧めのゲームです。ボードやタイルが両面仕様になっており、カードの種類も多いため、同じような展開になることはまずなさそうです。
英単語の「argent」は「銀、銀色」といった意味です。
タイトル | Argent: The Consortium |
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発行年 | 2015年 |
プレイ人数 | 2~5人 |
プレイ時間 | 60~150分 |
デザイナー | Trey Chambers |