Farbwechsel(ファルプヴェクセル)は3人用のトランプを使ったトリックテイキングです。秘密裏にビッドを行い、予想ちょうどのトリックを取ることを目指します。
Farbwechsel(ファルプヴェクセル)について
使うのはジョーカーと2,3を除いた通常のトランプ44枚です。ランクはAがもっとも強く、4が1番弱いです。各自が秘密裏にビッドを行うので、プレイ人数分の紙と筆記具が必要になります。
手札は11枚ずつで残り11枚が山札になります。
全員に手札を配り終わったならば、山札の11枚を表にして少しずつずらして置き、すべてが見えるように置きます。この札は各トリックの切り札を表しています。
各プレイヤーはそれを確認し、全11トリック中何トリックを獲得するかを非公開で紙に書きます。0~11まで書くことが可能です。予想した数は11トリックが終わるまで誰にも見せてはいけません。
全員が予想を書いたならばトリック開始です。1トリック目だけは山札のスートのマストフォローになります。以降はトリックを獲得したプレイヤーが自由にリードすることができます。切り札ありのマストフォローで11トリックを行います。トリックを獲得したプレイヤーは、そのときの切り札を表示していた山札1枚も一緒に獲得します。これにより常に一番上になっている山札が切り札スートと分かります。
11トリックが終わったならば予想を公開します。予想とぴったり合っていれば20点。多くても少なくても0点です。さらに獲得したトリックのQ、J、10が1枚1点になります。この合計がそのディールでの得点になります。
これを繰り返し、最初に100点に達したプレイヤーがゲームに勝利します。
絶妙な当たりづらさ
ビッド、切り札ありのマストフォローなので、トリックテイキング慣れしている人ならばプレイに戸惑うことはないでしょう。
絶妙なのが多くても少なくてもダメというビッドと、得点になるのがAやKではなく、Q、J、10というところです。これにより上手いこと思惑が外されてしまいます。
予想の数だけトリックを取ったならばあとは負け続けなければなりません。しかし、みんながみんな予想トリックに達していると必死に負けようとするため「え?これで勝つの?」というトリックが出てきます。この辺りのままならなさがトリックテイキングの醍醐味を強く感じさせてくれます。
多くのゲームと異なり、予想トリックが非公開なのも面白いです。誰がどの程度勝ちたいか分からないため「本当にここで勝たせて良いのか?」という葛藤が生まれます。かといって、自分が必要トリック数を満たしていればトリックは取りたくありません。逆に自分の予想が外れてしまえば、トリックを取りまくって細かい点数を重ねつつ、他のプレイヤーの邪魔をするという選択肢もあります。
シンプルなルールながら、トリックテイキングの楽しみがギュッと詰まっており、非常に面白いゲームです。減点がないため、それほど勝負も長引きません。3人専用のため、機会はある程度限られますが、トリックテイキング好きにはぜひ試して欲しいゲームです。