IKI(邦題:江戸職人物語)は江戸時代の町人文化をテーマにしたボードゲームです。作者は枯山水で一躍有名になった山田空太さんです。浮世絵のような独特なカードイラストやコンポーネントが独特な雰囲気を醸し出します。
IKIについて
プレイヤーは親方として、さまざまな職人を雇いながら勝利点を集めていきます。「火事と喧嘩は江戸の華」という言葉通り、このゲームでは特定ラウンドで必ず火事が起きます。そのため、火事に備えて火消し力を高めておく必要もあります。
スタートプレイヤーから順番に、今回のラウンドで何マス進むかを決めます。そのあと職人を雇って、ボードにそのカードを配置し、親方コマを進めます。止まった先のマスにあるアクションを実行し、さらにカードにあるアクションを行うことができます。
アクションはお金を草履や食料、木材、小判に変えたり、火消し力を高めたりします。また、魚やタバコといった商品を買うこともできます。魚やタバコはセットコレクションになっており、終了時に組み合わせによって得点になります。
カードの効果もさまざまで、他のカードと位置を交換したり、建物を建てたり、お金や食料を得たりとバラエティに富んでいます。また、カードは他のプレイヤーに使用されることでどんどん出世していき、最後まで出世しきるとボードを離れ、手元で効果を発動するようになります。
これを一月から十二月までの12ラウンド行い、さらに正月という追加ラウンドを行ってゲーム終了です。
2時間級のしっかりしたプレイ感
初プレイだったので、ルール説明からプレイ終了まで2時間半ほどかかりました。
さまざまな要素があり、ゲーム自体はなかなか複雑です。どのカードを選ぶのか、どのタイミングで資源を変換していくか、セットコレクションをどうするか、火事への対応をどうするかなど、考えるべきことも多いです。
ボードゲームで火事というと、思い浮かぶのは倉庫の街ですが、IKIでは火事によって職人が死んでしまうので、よりシビアです。どこで火事が起こるかはタイルのめくり次第なので、どの程度火事に優先順位を置くかでプレイングも変わってきます。
カードやゲームボードが、いかにも日本風で、どこかで見たことがあるような浮世絵テイストのイラストがゲームの雰囲気を盛り上げます。
「非常によくまとまっている」というのが率直な理由で、実際のところ海外ボードゲームと比べても見劣りしないクオリティだと思います。しかし、要素が多いため、それなりにボードゲームに慣れた人向けのゲームかもしれません。