現在ボードゲーム界隈の一部で、大きな注目を浴びているラ・グランハをプレイする機会を得ました。
1,000部限定という貴重なゲームで、ヤフオクでは数万円で取引されているようです。
ラ・グランハの概要
1~4人用のボードゲームです。
各自が自分の農場である個人ボードを発展させつつ、大農場(ラ・グランハ)を目指します。
ボードは個人ボードの他にゲームボードも1枚あります。
特徴的なのが、この個人ボードです。
各辺にカードを差し込むことにより、農場が拡大されていきます。
(ちなみに上の写真では、荷車と畑にはカードが入っていません)
そのため、カード自体にも4つの効果がそれぞれ書かれています。
どれかひとつの効果しか使うことができたないため、どの効果として使うかという選択が悩ましいです。
ゲームは全6ラウンドにわたって行われ、最終的に得点が多い人の勝ちです。
得点はプエルトリコのように、得点チップを裏返しで持っておきます。
最後にあまった収穫物をすべて売り、5銀を1点に換算します。
それ以外にボーナス点などはないので、得点計算は分かりやすいです。
ゲームの流れ
ゲームは4つのフェイズから成ります。
- 農場フェイズ
- 収入フェイズ
- 輸送フェイズ
- 得点計算フェイズ
また、随時アクションと呼ばれるフリーアクションがいくつかあり、自分の手番ならばいつでも何回でも行うことができます。
これにより選択肢が膨大になってくるため、考えるべきことが多くなります。
- 交易品の使用
- 資源の購入/売却
- 資源の加工
以上のアクションは自分の手番ならば自由に行えます。
特に自由度を高めているのが、この交易品の存在です。
最近のゲームで言うと、カヴェルナのルビーのように、さまざまな効果をもたらしてくれます。
- 4銀
- 2種類の収穫物
- カード1枚を獲得するかプレイ
- 豚1頭
- 資源2つを無料で加工
交易品は上記のうち、どれかとして使うことができます。
フェイズの流れ自体は付属のリファレンスを見れば、すんなりと理解できます。
書いてあるアイコン通りに処理すれば迷うことはないでしょう。
しかし、この随時アクションが曲者で、最適解を導くためには、かなり考える必要があります。
(交易品で4銀を得て、それで加工して、それを輸送フェイズで送れば……。いや、それならば普通に交易品で加工した方がコストを安いか。でも、後々銀を使うことを考えると……。)
というようなことを、ずっと考えているため、人の手番を待っていて暇になるということがありません。
基本的にゲーム中は人の手番であっても、ずっといろいろなことを考える必要があるため、異様に濃密な時間となります。
大まかな説明
1.農場フェイズ
カードを4つのうちのどれかとしてプレイし、その後、自分の上限まで手札を補給。
増設部以外はコストなしでプレイすることができる。
それから利益がある場合は獲得し、畑が空いているならばそこに収穫物を置き、豚が2頭以上いて置けるスペースがあるならば1頭繁殖。
次にさまざまな効果を持つ屋根マーカーを順番に購入。(購入しなくてもよい)
2.収入フェイズ
プレイ人数に応じた数のダイスを振り、それをゲームボードの対応する目に配置。
そこに置かれたダイスを順番に獲得していく。
ダイスは1つあまり、その効果は全員が使うことができる。
3.輸送フェイズ
手元にあるロバマーカーをそれぞれが選択。
それに描かれている分だけ輸送し、昼寝マーカーを進める。
昼寝マーカーは次の手番順を決め、なおかつ得点にもなる。
輸送は自分のボード上部にある荷車か、ゲームボード上にある建物に輸送する。
その後、さらに銀を支払った追加輸送もできる。
4.得点計算フェイズ
ゲームボード上に配置されている自分のコマ、昼寝マーカーの分の得点を加算。
以上を6ラウンド繰り返します。
遊んでみた感想
4人中、2人が初プレイでした。
プレイ時間はインスト込みで3時間ほどです。(実プレイ時間は2時間半弱)
考えるべきことが非常に多く、とても濃密な時間となるため
「え? まだ3時間しか経ってないの?」
という印象でした。
(ボードゲーム1回遊ぶのに3時間というのは一般の人からすると、かなりのものですが)
何もせずにただ人の番を待っている時間がほぼないため、時間の経過はとても早いです。
今回、自分は初回ということもあり、とりあえず畑を一切作らないというやり方でやってみました。
助手の効果により、それはほとんど問題なかったのですが、せっかく増産体制に入れた豚を上手く生かすことができず、得点が伸びませんでした。特に終盤、収入で豚を獲得しているにも関わらず、そのまま売却して3金となっていたのがもったいなかったです。
もう1人の初回の方は、荷車への輸送をほとんどせず、建物に注力するという彼らしい戦略を見せました。
(さまざまなゲームで独特な戦略をとる方です)
結果としては、63点、61点、59点、50点と自分は4位でした。
ちなみに建物戦略をとった方は61点です。
カードは66種類あり、いろいろな戦略が考えられそうです。
また、アグリコラのような開始時にカードが配られ、それを使い続けるわけではなく、ゲーム中もどんどん新しいカードが手に入るため、柔軟に対応していく必要があります。
やり終わった後に「あそこでこうしていた方がよかったのでは?」と思える、非常にリプレイ欲が高まるゲームです。
再販され、もっと簡単に手に入るようになるといいですね。(追記:2015年に再販され、わたしも入手しました)