将校スカートは2人用のトランプを使ったトリックテイキングゲームです。将校スカート以外に農夫のスカート、御者のスカートなどとも呼ばれるようです。手札がない、かなり変わったトリックテイキングです。
将校スカートについて
使用するカード
通常のトランプの2~6を抜いた32枚を使用します。
いわゆるスカートデッキです。
カードの強さ
強 クラブJ スペードJ ハートJ ダイヤJ A 10 K Q 9 8 7 弱
Jは本来のスートに属さず、切り札スートに属します。
そのため、ダイヤJの次に強いのは切り札Aです。
カードの配り方
ディーラーがカードをシャッフルします。その後、対戦プレイヤーが1回カットします。
カードの配り方が独特です。
まず①~⑧の順番に伏せておきます。
次に①~④に表向けておきます。
この段階で対戦プレイヤーは切り札を決めます。指定できるのはクラブ、ハート、スペード、ダイヤのいずれかのスートです。
その後、⑤~⑧に表向けておきます。
ここでディーラーはコントラ(自分が勝つ)が宣言できます。
最後に⑨~⑯まで伏せておき、同じ順番で⑨~⑯に表向きで置きます。
ディーラーがコントラを宣言している場合、対戦プレイヤーがここでレを宣言できます。
16枚のカードが裏向きで並び、その上に16枚のカードが表向きで置かれます。
このうち、①~④、⑨~⑫が対戦プレイヤーの手札、⑤~⑧、⑬~⑯がディーラーの手札になります。
対戦プレイヤー | |||
⑨ | ⑩ | ⑪ | ⑫ |
① | ② | ③ | ④ |
⑤ | ⑥ | ⑦ | ⑧ |
⑬ | ⑭ | ⑮ | ⑯ |
ディーラー |
ゲームの流れ
対戦プレイヤーからリードを行います。選べるのは表になっている8枚のいずれかです。カードをプレイした後、下に裏向きのカードがあれば、それを表向けます。次からはそのカードも使うことができます。
以降は切り札あり、マストフォローのトリックテイキングです。
トリックを獲得したプレイヤーがリードを行い、全16トリックを行います。
得点
獲得したカードのポイントを合計します。
カードのポイントは下図の通りです。
A | 10 | K | Q | J | 9 8 7 |
11ポイント | 10ポイント | 4ポイント | 3ポイント | 2ポイント | 0ポイント |
61ポイント以上を獲得したプレイヤーの勝利です。
勝ったプレイヤーは2点を獲得し、さらに以下の追加点を得ます。
- シュナイダー(90ポイント以上)+1点
- シュヴァルツ(全トリック)+1点
- コントラ+1点
- レ+1点
たとえば、シュヴァルツで勝つと、基本点+シュナイダー+シュヴァルツで4点が入ります。
60ポイントずつの場合は引き分けで、両方に1点が入ります。
先に10点を獲得したプレイヤーの勝利です。
どういう順番でカードを出すかを学ぶ
手札がないので、お互いにすべての情報を共有しています。
そのため、どういった出し方をすれば効率良く勝てるかがじっくり考えられます。場合によってはアドバイスしたり、話合うことも可能です。これは他のトリックテイキングにはない大きな特徴です。
その時点での勝ち筋は分かるものの、裏向きのカードがあるため、当初の思惑通りにはいきません。この、途中で手札が分かっていく感覚はなかなか新鮮でした。
ヴァリアントルールでは裏向きではなく、手札にして持つルールもあるようなので、ゲーム性を高めるには、そちらの方がいいかもしれません。
どのカードが出せて、どのカードが出せないかも学べるので、切り札ありのトリックテイキングに慣れていない人にもオススメです。