ポンジスキームでは、プレイヤーは金融詐欺師となり、架空の投資話をでっち上げて資金を集めます。ただし、募集期間が終わったとき、プレイヤーは約束した配当金を支払わなければなりません。そのお金を集めるために再び別な投資で資金を集め、プレイヤー間で秘密取引を行い、さらにお金を集めます。どんどんと膨らんでいく債務を抱え、自転車操業を続けながら最後まで生き残ることを目指します。
ポンジスキームについて
テーブル中央に、マーケット資金シートを置きます。資金シートは3×3の9マスあり、1番上には金額が安い資金カード3枚、1番下には金額が高いカード3枚になるように並べます。その横に、4種類(運輸業、食品業、放送業、不動産業)の産業プレートと4種類の贅沢品を並べます。
各プレイヤーは屏風(一般的なボードゲームでいうところの、ついたて)と時間円盤と起点カードを受け取ります。初期資金はありません。
ゲームは6つのフェイズに分かれています。
1.資金募集
スタートプレイヤーから順番にマーケット資金シートから資金カード1枚と産業プレート1枚を受け取ります。
産業プレートは自分の前に置かれ、お金は屏風の裏に隠します。このとき、すでに同じ種類の産業プレートを1つ持っていればマーケット資金シートの2列目から、同種を2枚持っていれば資金シートの3列目から資金カードを取ります。
すでに3枚以上の同種の産業プレートを持っている場合、その産業プレートは選べません。
取得した資金カードには、もらえる金額、支払う金額、支払いまでの期間が書かれています。手元にある時間円盤の対応する数字のところに資金カードを配置します。すでに資金カードが配置されていたら、支払う金額が見えるように重ねてカードを置きます。
資金カードは常に9枚になるように、山札から即座に補充されます。その際、金額に応じてカードの位置を調整します。
2.秘密取引
スタートプレイヤーから順番に1人を対象として秘密取引を行います。
取引が行える相手は、自分と同じ種類の産業プレートを持っているプレイヤーだけです。複数の同じプレートを持っている場合は、どれを交渉対象にするか相手に伝えます。
秘密取引用封筒に、好きな金額のお金を入れ、それを取引相手に渡します。金額は非公開情報なので、口外してはいけません。
封筒を渡された相手は、以下のいずれかの行動を行います。
a. 入っている金額をもらい、プレートを相手に渡す。
b. 入っている金額と同額を中に入れ、相手に渡して、プレートを受け取る。
いずれの場合でもプレートが行き来します。
3.スタートプレイヤーマーカーを渡す
スタートプレイヤーマーカーを左隣のプレイヤーに渡します。渡された次のスタートプレイヤーは資金シートから、好きな1枚を廃棄します。
4.株価大暴落のチェック
資金カードの中には、熊が描かれた熊カードがあります。資金シート上に、熊カードがプレイヤー人数以上の枚数置かれた場合、株価の大暴落が発生します。
大暴落が発生した場合、資金シート上にある熊カードをすべて廃棄します。それから廃棄置き場に置かれたカードすべてと山札をシャッフルし、新たな山札を作ります。
そして、スタートプレイヤーから順番に、自分が持っている中で、もっとも枚数が多い産業プレートを1枚捨てます。もっとも多い種類が複数ある場合は、好きな方を選んで捨てます。
5.時間円盤の移動
各プレイヤーは時計回りで1マス分、時間円盤を回転させます。もし株価の大暴落が発生していた場合は2マス分進めます。
6.配当金の支払い
時間円盤の矢印のところに資金カードが来た場合、カードに書かれた配当金を支払います。配当金を支払ったカードは支払金までの期間に応じて、配置し直します。(配当までの期間が3ならば、現在の3の位置にカードを移動します)
このゲームでは、資金カードは減りません。カードを取れば取るほど、支払うべき金額は増えていきます。
このとき、配当金が支払えないプレイヤーが出た場合、ゲームは終了となります。
ゲーム終了の得点計算
配当金を支払えなかったプレイヤーは負けとなり、以下の得点計算はしません。
得点になるのは、まず産業プレートです。同種の産業プレートは1枚目が1点、2枚目が2点、3枚目が3点、4枚目が4点、5枚目が5点……となります。
つまり同種の産業が4枚あれば、1+2+3+4で10点です。
これを持っている各産業で計算します。
さらに残ったお金に応じて、1~4点を得ます。もらえる得点は、場に並んでいる贅沢品に書いてあります。
すべての得点を合計し、もっとも得点が高いプレイヤーの勝利です。
おれはもうダメだ……。頼む誰か先に脱落してくれ!
かなり独特なプレイ感覚のゲームです。これに似たボードゲームはちょっと思いつきません。
ゲームのキモとなるのは、秘密取引です。これが最初はまったく見当がつきません。他のプレイヤーがどのくらいの金額で取引しているかが分からないため、「これでいいんだよなぁ……?」と思いながら取引していきます。
いろいろなプレイヤーと取引していくと「あ、さっきの高すぎた」「え、こんな安くていいの?」と、人によって相場観が違うのが分かってきます。この辺り、結構金額が違ったり、まったく同額だったりして面白いです。
配当金の支払いは最初は10とか20なのですが、後半になると「あと3ターン後に、295か……」と恐ろしい金額になってきます。
お金は非公開情報なので、各プレイヤーがあとどのくらい耐えられるかを想像しながらゲームを続けていきます。内心では「あと2ターン後に確実に沈む。頼む、誰か先に脱落してくれ!」と必死で願いながらも、ポーカーフェイスでゲームを続けるのが、なんとも面白いです。
ただし、目安があるわけではないので、どのくらいの金額を包めばいいのかというのは、なかなか難しいところです。何度か取引すれば、だいたいの金額をつかめると思うので、まずは多少の損は気にせずに、積極的にいろいろなプレイヤーと取引することをオススメします。
秘密取引の封筒をそっと見ながら「ほう。そう来ましたか」とか「安く見られたもんですね」などと言いながら、ほくそ笑むと雰囲気がでるので、こちらもオススメです(笑)