ソラリウス・ミッションはラ・グランハの作者による宇宙開発をテーマにしたゲームです。各プレイヤーは個人ボード上で技術を発展させながら、宇宙ステーションを開発したり、ミッションを達成したりします。
ソラリウス・ミッションについて
ゲームは全部で4ラウンドあります。各プレイヤーは一手番ずつ行い、4手番が終わると1ラウンド終了です。
プレイヤーの手番には3つのフェイズがあります。
1.ダイスアクション(必須)
ブリッジ上に置かれているダイスから1つを選び、それを自分のボード上に置きます。そのとき、選んだダイスの色の資源を得て、さらにアクションを行います。ダイスは全部で4種類あります。
- 黒 … 燃料を得る
- 黄 … お金を得る
- 緑 … 技術ダイスのアップグレード
- 茶 … 技術ダイスを右にスライド
個人ボード上には4色のダイスがあります。これらは技術ダイスでアクションダイスと色は同じですが目が少し異なります。技術ダイスの目は右に動かすための条件になっています。
たとえば、技術ダイスをレベルⅢからⅣにするためには、ダイスの目が3以上になっている必要があります。
また、ダイスを置けるスペースは3種類あります。ひとつは上記のように資源を得て、ダイスアクションを行うスタンダードスペースです。もうひとつはダイスアクションを行う前にカードをドロー、またはプレイすることができる調査スペース。もうひとつはダイスの色を好きな色として使用することができる変換スペースです。ただし、後者2つは行うときに汚染キューブをひとつ受け取らなければなりません。
汚染キューブがボード上に置けなくなると、ひとつにつきマイナス1点になります。さらにボードに置けなくなった汚染キューブは取り除くことができません。
2.補助アクション(任意)
補助アクションは2種類あり、さらにそれぞれに出来ることがいくつかあります。
a. アップグレード
3種類のうち、いずれかひとつを実行します。
ア.新しいドライブを雇う。
イ.発展カードを引く。
ウ.発展カードをプレイする。
b. 宇宙航行
宇宙航行する場合は、ボード上にある宇宙船コマを移動させ、惑星の開拓、宇宙ステーションの建設、ミッションの達成を行い、その後にアウトポストを建設することができます。
ボード上にはポータルがあり、ドライブを消費してそれを使うと、ポータルからポータルにワープすることができます。
ダイスアクション、補助アクション以外にフリーアクションもあります。これはボード上の変換レートにしたがって燃料やお金を資源にしたり、資源を燃料やお金に変換します。その他にドライブをアップグレードしたり、開拓した惑星を達成したりすることができます。これらはすべて個人ボードに描いてあります。
3.ダイスの補充(必須)
アクションが終わったならば、最後にバッグからダイスをひとつ引き、それを振ってブリッジに配置します。
これで手番終了となり、次のプレイヤーに手番が移ります。
バッグにはアクションダイスが16個入っているため、各プレイヤーが4手番ずつ行うと1ラウンドが終了します。(ブリッジには4つのダイスが置かれたままになります)
これを4ラウンドくり返し、もっとも得点が高いプレイヤーの勝利です。
理解するまでのハードルが高い
あらかじめルールに目を通してはいたものの、初プレイということもあり、ルールを順番に確認しながら4人で遊んでみました。
まず面食らうのが用語の多さです。セットアップの段階でどれが何を指しているかが理解できず、時間がかかりました。さらに始まってからも要素の多さに「これのときは、これができるんだっけ?」という確認が多く、なかなかゲームが進みません。
ルール説明に約1時間かかり、そこから1時間半かけて1ラウンドを行い、いろいろとルールミスがあったことに気づき、再びやり直しました。
さすがに2時間半かけて試行錯誤したこともあり、2回目はスムーズに進みましたが、それでもそこから3時間ほどかけてゲームが終了しました。合計すると1プレイに5時間半ほどかかったことになります。
言語依存はないのですが、発展カードは32種類あり、さらにそれぞれに2つの使い方(ミッションか開発か)があるため、ほとんどのカードは別冊のルールブックを確認しないと効果が分かりません。ただ、そこまで複雑なアイコンでもないので、一度使えば後はだいたい理解できると思います。
また、自分が何が行えるかは前の人の手番最後に振られるダイスの影響を受けるため、自然とダウンタイムも長くなりがちです。フリーアクションもあるため、「これをこうしてこうするとこれができるか。いや、それともこっちをした方が得点高いか」といったように選択肢の幅も広いです。
そしてインパクト大なのがディスクの大きさです。「なぜここまで小さくする必要があるのか……?」と思うほどの大きさで、くしゃみひとつで吹き飛んでしまいそうな軽さです。(上の写真の燃料とお金のトラックに配置してあります)
最終得点計算のカテゴリーが9種類あるため、得点要素は多様です。どれを重視していくかでプレイヤーごとに違った展開が期待できます。これは各々が好きなことができる反面、プレイヤー間の相互干渉が薄い面があります。そのため、アクションダイスを取るときも「それを取られるとマズい!」ということがあまり起こりません。この辺は好き嫌いが分かれるでしょう。
ダイスの目を修正する効果があるので、そういった意味ではそこまで運要素はないのですが、惑星のめくり運、カードの引き運は結構あると思います。ただ、カードはラ・グランハのように複数の使い方があるため、「こっちではダメでも、こっちではイイ」と言ったことがあります。
最初はかなりルール理解に手こずりましたが、始まってしまうと、そこまで複雑なルールではありません。ただし、要素が多いため、それを理解するまで時間がかかります。また、得点計算は最後にしかなく、得点要素も多いため、途中誰が勝っているかというのは分かりづらいです。
プレイヤーに対する直接攻撃要素がほとんどないので、自分が考えた路線をとにかく突き詰めるのが好きな人にお勧めのゲームです。