北アメリカ鉄道(ノースアメリカンレイルウェイズ)はカードだけで鉄道と株式を取り扱うゲームです。鉄道会社を大きくして、配当をもらい、それを使って株を買い、どんどん会社を大きくしていきます。
北アメリカ鉄道(ノースアメリカンレイルウェイズ)について
1ラウンドは3つのフェイズに分かれています。ゲームは場にある株カードと駅カードが規定枚数以下になる、またはフェイズ2でどの会社も駅を買えなかった場合に終了します。
ゲーム開始時にプレイヤーには初期資金として$1,700(4人プレイ時)が配られます。お金は非公開情報です。
株カードと駅カードは開始時にすべて場に並んでいます。
フェイズ1 株の購入
スタートプレイヤーから順番に場に並んでいる株カードを購入します。買えるのは一番下の列のカードのみです。この株の購入が独特です。
1.社長がいない会社の株を買う
自分のお金から任意の額を会社に支払い、その会社のトークンを受け取る。
2.自分が社長の会社の株を買う
$500を会社へ、$500を銀行に戻す。
3.自分が社長ではない会社の株を買う
その会社の社長に対して希望の金額を伝える。
OK ⇒ 金額の半分を会社へ、半分を銀行に戻し株券を受け取る。
NO ⇒ 社長が言われた金額の半分を会社へ、半分を手番プレイヤーに支払う。株券は社長が受け取る。手番プレイヤーは続けて、別の株を購入する機会を得る。
この自分で値段を決めるというのが、このゲームのキモです。安く買えばいいというものではなく、逆に高く買いすぎると次につながらなくなってしまいます。
フェイズ2 駅の購入
スタートプレイヤーから自分が持っている株の会社のお金(自分の所持金は使えない)を使い、駅カードを購入します。買う権利は株を持っている人すべてにあり、社長である必要はありません。ハードパスなので、一度パスすると購入の権利はなくなります。
フェイズ3 配当
会社の収入金額を合計し、それを株の枚数で割って株主に配ります。もし割り切れなかった場合は、あまりを会社に置いておきます。
これを先に挙げた終了条件を満たすまで繰り返します。
最後に各会社が所有する駅カードに書かれたアイコンの数を合計し、その数×$100を株券1枚ごとに各プレイヤーに配ります。たとえば赤の会社が4つのアイコンを持っていて、自分が赤の株券を2枚持っていたならば100×4×2で$800を受け取ります。
その配当と所有金額を合計し、もっとも多くのお金を持っている人がゲームに勝利します。
最適な値付けでアドバンテージを取る
自分で値段をつけるというのがこのゲームの大きな特徴です。
所有者がいない会社ならば、いくら安く買っても良いのですが、そうしてしまうと駅を買うことができません。駅を買わないと会社が大きくならず、配当も増えない上に、株券の価値もあがりません。かといって、あまりにも高い値段で買ってしまうと、それ以降、別の株が買えなくなってしまいます。
序盤、会社からもらえる配当は少ないため、初期資金を上手くペース配分して使っていかないと、すぐに手詰まりになってしまいます。
また、株カードがあらかじめすべて場にあるというのも面白いポイントで、これによりどのタイミングでどの会社の株が買えるというのが見通しがつきます。さらに駅カードもすべて並んでいるので、どのタイミングでどの程度のお金を会社に残しておけば駅が買えるかというのも分かります。
このゲームでは非公開情報はお金だけです。誰がどのくらいの株カードを持っているかは分かるので、同じ株を所有している同士で話し合って最善策を練ることができます。カードのめくり運がないので、かなり先々まで見通す必要があります。
そういった意味で、かなりゲーマーズゲームという印象でした。
特に値付けに関しては何度かやらないとなかなか感覚はつかめないのではと思います。コンポーネントはカード、お金、マーカーだけなのですが、かなり濃厚なやり取りができるゲームです。自分で値段を考えるという点で、ポンジスキーム同様、万人向けではありませんが、好きな人は非常に好きなタイプのゲームではないでしょうか。
お金が非公開情報なのですが、両面印刷になっているため、裏にしても相手に分かってしまいます。そのため、何かしらのついたてが必要です。今回遊んだときはさらに隠しやすいように付属の紙幣ではなく、ポーカーチップを使いました。