9月の発売予定から2ヶ月遅れ、とうとう11月に発売されたヒュペルボレアが届いたため、さっそくプレイしてみました。
フィギュア満載で、なかなかのコンポーネント量ですが、そこまでルールは複雑ではありません。
ゲームの流れ
ルールブックのサブタイトルに「2~6人用の探検、文明、そして征服のゲーム」とありますが、文明要素は薄いです。
文明系のゲームは苦手だと敬遠している人でも大丈夫かと思います。
袋に入っているキューブを3個引き、それを使ってアクションをする。
ざっくり言ってしまうと、これを繰り返すだけです。
(引くことができるキューブは3個未満の場合もあります)
キューブ(木製文明駒)は7色あり、それぞれが分野を表しています。
青 科学
黄 交易
橙 進歩
紫 成長
赤 戦争
緑 探検
灰 廃棄物
灰色は特殊なキューブで、ゲームが進むにつれ加わってきます。
(現物はほとんど黒に近い濃い灰色です)
各自プレイヤーボードを持っており、そこに行えるアクションと、必要なキューブが書いてあります。
自分の手番では、そこにキューブを置き、アクションを行います。
これらのアクションは基礎技術と呼ばれます。
それぞれ2つの組み合わせが用意されていますが、後述するリセットが行われるまでは、同じアクションをすることができません。
ここは間違えやすいポイントで、今回も序盤に何度かミスしてしまうシーンがありました。
つまり、探検のアクションをしてしまったら、リセットするまで探検はできなくなります。
上段と下段の両方にキューブを置くことはできません。
また、仮に上段にキューブを置いたならば、リセットまで下段にキューブを置くこともできません。
基礎技術は「探検」「戦争」「成長」「進歩」「交易」「科学」の6種類があります。
「科学」のアクションをすることで、上級技術カードを引くことができます。
これは基礎技術と同様に、できるアクションと必要なキューブが書いてあり、そこにキューブを置くことでアクションを行えます。
上級技術カードは、デック1~4に分かれていますが、これは単に種類の違いです。
多くの文明ゲームのように、時代が進む度に使えるカードが変わっていくというわけではありません。
そもそもこのゲームには、時代という概念がありません。
それが文明要素が薄いと感じた理由のひとつです。
キューブを置いて行うアクションの他に、3種類の任意アクションがあります。
- 都市の発動
- 遺跡の探検
- 文明の向上
「都市の発動」と「遺跡の探検」は該当するヘクスに自分のフィギュアがあり、他の人がいなければすることができます。
「移動」のアクションは必要ありません。
「文明の向上」はプレイヤーボードにある発展エリアのマーカーを戻すことで、対応するキューブを得ることができます。
1つか、2つのキューブを得て、袋の中に入れます。
すると、マーカーが0に戻ります。
この辺りも文明要素が薄いと感じる理由のひとつです。
多くの文明系のゲームはマーカーはどんどん累積されていくことが多いです。
ゲームの種類と終了条件
ヒュペルボレアには、「侵略ゲーム」と「氏族戦争ゲーム」の2種類が用意されています。
これは別にゲームが劇的に変わるわけではなく、氏族戦争ゲームになると各氏族ごとに特殊能力が加わるだけです。
また、スタート地点の本土タイルも変わります。
「侵略ゲーム」はアグリコラでいうところのファミリールール、ネイションズでいうところのA面ボードといった感じです。
ゲームの終了トリガーは3種類あります。
- 勝利点エリアに12勝利点を獲得
- 5枚目となる上級技術カードを獲得
- 自分のフィギュアを置ききる
短時間ゲームでは上記のうちの1つ、
標準ゲームでは2つ、
長時間ゲームでは3つを満たすことで終了トリガーが引かれます。
トリガーが引かれた場合、その引いたプレイヤー以外が1手番ずつやって、ゲーム終了です。
ちなみにトリガーを引けば勝ちというわけではなく、2点となる目的タイルをもらえるだけです。
そのため、そこまで点差がない場合、引きたくても引けないというケースも出てきます。
全員の手番が終わったならば、合計点を計算し、もっとも高得点のプレイヤーの勝利となります。
ヒュペルボレア 1回目
4人全員が初プレイです。
説明書で勧められていた「短時間」「侵略」でプレイしました。
用意とインストで、40分ほどです。
「侵略」のため、全員が同じ本土で、特殊能力などもありません。
このゲームのキモとなるのは、リセットの存在です。
自分の手番の最後にキューブを引くのですが、そのときに1つも袋の中にキューブが残っていなければリセットが発生します。
リセットが起こると、遺跡や都市に入っていたフィギュアが外に出て、プレイヤーボードや上級技術カード上のキューブがすべて袋の中に戻ります。(戻さなくても良いキューブもあります)
もし、キューブが2つ、ないしは1つ残っていた場合はリセットは起こりません。
そのため、キューブ1つでアクションをしなければならないことになります。
もちろんかなり選択肢は狭まります。
そういうこともあり、いかに3つのキューブを引ける状態にしておくのが、大きなポイントとなります。
この辺は文明の向上などで、うまく調整する必要があります。
また、リセットが起こらないと、遺跡や都市にあるフィギュアが移動不可のままなので、凍結された状態になります。
近くに敵がきても、攻撃はできないし、相手からの攻撃は受けます。
作戦として、いかにうまくリセットを起こすかというのは重要です。
この辺りの考え方は、デッキ構築系のゲームに似通っていると思います。
いかにうまく効率よくデッキを回すかということですね。
ただ、キューブ自体も得点となるので、とにかく少ない数で回せばいいというわけでもありません。
また上級技術カードの中には永続効果といって、ずっとキューブを置きっぱなしにするものもあるので、その辺の兼ね合いもよく考える必要があります。
上級技術カードは強力なものも多く、初めて見ると「え、これ強くね?」と感じるものもよくあります。
初プレイなので、そのようなカードが出るたびに声が上がっていました。
プレイの仕方としては、初回ということもあり、どこかに特化するのではなく、満遍なく得点することを目指しました。
結果としては、42対40対37対34となり、接戦でした。
得点要素が多いので、それぞれに散らばって得点することができるため、あまり差がでない印象です。
実プレイ時間は、2時間半ほどでした。
ヒュペルボレア 2回目
お昼をはさみ、2戦目を。
今度は「標準」「氏族戦争」でプレイ。
各氏族には2種類の能力があり、ゲーム開始時にどちらを使うかを選ぶことができます。
選び方はランダムでも、自分で決めてもいいです。
今回は、氏族をランダムで決め、能力は任意で選ぶことにしました。
わたしが担当したのはエメラルド王国で、能力はBの「移動中の地形ペナルティを無視」を選択しました。
森林、沼沢、山岳に入るには追加移動コストがかかるのですが、それを無視することができる能力です。
他の3人はパープル家母長国、ゴールデン男爵領、コーラルの玉座を担当しました。
やはり氏族の効果が入った方が面白いですね。
各プレイヤーごとの棲み分けがより強くなります。
1回侵略ゲームで流れを確認したならば、2回目からは氏族戦争ゲームの方がいいと思います。
氏族の効果を活かして、フィギュアを動かしまくり、戦おうと思ったのですが、思うようにいかず、結局どっちつかずの展開となってしまいました。
結果は、47対46対45対43と、さきほど以上の接戦に。
うまく氏族の効果を活かしきったパープル家母長国の勝利となりました。
今回は2時間半かからないくらいで終わりました。
感想など
もっと時間がかかるかなと思ったのですが、そうでもないですね。
4人で2時間半ならば、十分その日に再戦できるレベルだと思います。
(実際にこの日も2ゲームしたわけですが)
ルールもそこまで複雑なわけではなく、アイコンだけでやることが分かるため、言語依存などもありません。
ただ、アイコンは独特な効果なものもあるので、初めのうちは確認が必要かと思います。
それぞれ能力も2種類ずつありますし、他の種族を試してみたいという欲求も出てきます。
これからうちでも登場の機会が増えるのではないかと思います。
2人から6人と対応する人数の幅が広いのもうれしいですね。
発動させたアクションは累積させておき、任意の順番で適用することができるため、より効率化を考えていくと、長考になってしまうケースがでてきます。そのため、ダウンタイムが長くなるシーンがありました。
しかし、アクションできないときは、本当に何もできないので、すぐに自分の手番が回ってくることもあります。
この辺りは好みが分かれるかもしれません。
わたし自身、やってみて面白かったので、次回は別な氏族でプレイしたいと思います。
他のプレイ人数でも試してみたいですね。