Architects of the West Kingdom(西フランク王国の建築家)は資源を集め、協力者を雇い、建物を建てて王への機嫌をうかがう1~5人用のワーカープレイスメントです。北海の略奪者(Raiders of the North Sea)と同じ作者のため、見た目が似ていますが中身は別物です。
Architects of the West Kingdomについて
各プレイヤーは個人ボードと20個のワーカー、初期資金と初期資源を受け取ります。個人ボードは両面仕様になっており、表はすべて共通、裏は固有能力がつき、初期資源なども異なります。
ワーカープレイスメントですが、ほとんどのスペースは複数コマが置けるようになっています。さらに同じスペースに自分のコマを置けば置くほど効果があがっていきます。
たとえば、採石所は自分のコマ1つならば石1つ、コマ2つならば石2つと、置いたワーカーの数だけ石を獲得します。
ゲーム中には追加効果をもたらしてくれる協力者カードと、さまざまな恩恵や得点をもたらしてくれる建物カードがあります。
協力者カードは手札に入らず、獲得したらそのままプレイされ、追加効果をもたらします。
建物カードは手札に入り、コストを支払い、建てる必要があります。また、建物を建てるアクションはワーカーが戻ってきません。
ゲームには美徳トラックがあり、ゲーム終了時に得点や失点をもたらすだけでなく、ゲーム中にアクションが制限されたり、コストが安くなったりします。
大きな特徴は捕縛というシステムです。
アクションとして、1つのスペースにある1色すべてのコマを捕縛して、自分の個人ボードへ移動させます。捕縛したコマは別なアクションで投獄すると報酬が得られます。
また、投獄されたワーカーを解放するアクションもあります。
Architects of the West Kingdomにはラウンドの概念がないため、いわゆる帰宅フェイズがありません。そのため、手元に戻すためには捕縛、投獄、解放というステップを踏む必要があります。
そのため、計画立てて行わないと、手番がきたときにワーカーがなくなってしまいます。
もし、手番開始時にワーカーがない場合は、メインボードからワーカーを1つだけ回収することができますが、これで手番終了になるので、かなりの遅れになります。
ギルドホールでは、手札の建物カードを建てるか、大聖堂の建築を進めることができます。どちらの場合でもワーカーはその場にとどまります。置ける数はプレイ人数によって異なり、これがすべて埋まることがゲームの終了条件になります。
終了条件を満たしたら、各プレイヤーがもう一手番ずつ行い、ゲーム終了です。
最終得点計算を行い、もっとも勝利点が多いプレイヤーの勝利です。
誰かうちのやつを捕まえてくれよ!
実際は、上記以外にもさまざまな要素があるのですが、中でもやはり捕縛が印象的でした。
ワーカーが20個もあるので、始める前は「こんなにいるのか?」と思いましたが、基本的には行ったっきりで帰ってこないため、じわじわと数が減っていきます。
誰かが捕縛して投獄してくれれば戻せるのですが、それがなんとも不思議なプレイ感でした。
言語依存はほぼなく、カードの効果はアイコンで表現されています。
ほとんどが初見で理解できるレベルですが、中にはちょっと分かりづらいものもあります。そのため、アイコンの効果一覧のようなものがあると便利かもしれません。
今回は4人全員が初プレイで、ルール説明からゲーム終了まで2時間ほどでした。
それなりに要素は多いですが、初回から遊びやすいゲームです。わたしは美徳を最低まで下げて税金を踏み倒すプレイをしていたのですが、他の得点が伸びず、結局3位でした。今回は1位と4位の差が5点とかなりの接戦でした。
Architects of the West KingdomとRaiders of the North Seaのどちらもワーカーの回収が独特なゲームです。レイダーズはカードに言語依存があるので、その分アーキテクツの方が遊びやすいかもしれません。