「アークノヴァ」は科学的に管理された最新の動物園を計画・建設する1~4人用のゲームです。手番では5つのアクションから1つを実行します。これまでの人気作のメカニクスを上手くまとめた話題作です。
アーク・ノヴァについて
ゲームボードにトークン類やカードなどを並べます。同じく協会ボードにもトークンを配置し、今回使用する基本保全計画カードを並べます。
各プレイヤーは動物園マップ(個人ボード)とアクションカード、プレイヤーカラーのトークンを受け取ります。それから目標カードとなる最終得点計算2枚と初期手札を受け取ります。
ゲームは終了条件を満たすまで1アクションずつ時計回りに実行していきます。誰かが終了条件を満たしたならば、それ以外のプレイヤーが1アクションずつ行いゲーム終了です。
アクションの種類によって休憩トークンが進みます。これが所定の位置にたどり着くと「休憩」になります。休憩になると、さまざまな状態がリセットされたり、収入が発生したりします。
ゲームの流れ
個人ボードの下に5枚のアクションカードが置かれています。ボード下には1~5までの数字が割り振られており、それがアクションの強さを示しています。
1枚を選んでアクションを実行すると、そのカードは左端の「1」のスペースに置かれます。これにより手番ごとにアクションの強弱が変わっていきます。また、一時的にアクションを強化するためのX-トークンもあります。
アクションカードは両面仕様になっており、最初はすべてⅠの面ですが、条件を満たすことでⅡの面に裏返すことができます。Ⅱのほうがアクションが強力になりますが、5枚中4枚までしか強化することができません。
このゲームでは保全点と訴求点という2種類が存在します。それぞれ逆の端からスタートしており、この2つが交差するとゲームは終了に向かいます。
アクションの種類
カード
山札からカードを引くか、「噛みつき」ます。噛みつくとディスプレイから好きなカードを1枚手札に加えることができます。
Ⅱになるとディスプレイからもカードを引けるようになります。また、より低い強さで噛みつきが行えるようになります。
建設
個人ボードに建物(売店・展示館・通常囲い地・ふれあい動物園)を1つ建てます。1マスにつき2金かかります。
Ⅱになると大型鳥類館と爬虫類館も建てられるようになります。また、合計値がパワーの値以下ならば複数の建物が建設可能になります。
動物
手札から動物カードをプレイします。動物をプレイするためには対応するタイルを個人ボードに配置している必要があります。
Ⅱになると手札だけでなく、ディスプレイからも動物カードがプレイできるようになります。ただし、その場合は追加コストが必要です。
協会
協会の仕事が1つ実行できます。協会職員コマを協会ボードのアクションスペースに配置して仕事を行います。「評判の上昇」「提携動物園の獲得」「提携大学の獲得」「保全計画の支援」といったアクションがあります。
Ⅱになるとパワー値以下で複数のアクションが実行可能です。また、「寄付」が行えるようになります。
後援者
後援者カードを1枚プレイするか、休憩トークンを進めてお金を得ます。
Ⅱになると合計がパワー値以下の複数の後援者カードがプレイ可能になります。また、もらえるお金も増えます。
X-トークン
5つのアクションのいずれも実行できない、またはしたくない場合、任意のアクションカードを使ってX-トークンを1枚得ることができます。その後、選んだアクションカードを左端に移動させます。
休憩
休憩トークンが最終スペースに到達すると、そのアクション終了時に、全員が休憩フェイズを実行します。
- 手札上限の適用
- アクションカード上のトークンの除去
- 協会ボードの整理
- ディスプレイの整理
- 収入の獲得
- 休憩トラック
休憩が終了したならば、次のプレイヤーがアクションを実行します。
ゲームの終了
誰かの保全点カウンターと訴求点カウンターが同じ得点計算エリアにあるか、すれ違った場合、終了トリガーが引かれます。そのプレイヤーがアクションを行った後、他のプレイヤーが1アクションずつ行ってゲーム終了です。
得点計算カードから訴求点と保全点を獲得し、勝利点を確定させて、もっとも勝利点が多いプレイヤーの勝利です。
勝利点の確定
自分の保全点カウンターが到達している得点エリアを見て、その中でもっとも低い訴求点が基本勝利点になります。自分の訴求点カウンターが到達しているスペースの値から基本勝利点を引きます。その結果がプレイヤーの勝利点です。
プレイヤーが16保全点持っているとします。このエリアでもっとも低い訴求点は76です。このプレイヤーは訴求点を73点持っています。すると、73ー76で勝利点はマイナス3点となります。
ソロモードについて
アークノヴァはひとりでも遊ぶことができます。
通常プレイとの大きな違いはゲームの終了タイミングです。通常は保全点と訴求点が交差することでゲームが終了しますが、ソロプレイでは規定のラウンドを行うとゲームが終了するようになっています。
他プレイヤーに影響を及ぼすようなカードはあらかじめソロ用の効果が併記されているため、通常ルールと同じようにすべてのカードが使用可能です。
さまざまなメカニクスを組み合わせた注目作
2021年エッセンシュピールの人気投票「スカウトアクション」で1位になった話題作です。
さまざまなカードをプレイしていくところは「テラフォーミング・マーズ」、2つのトラックが交差するとゲームが終わるのは「ガンジスの藩王」、アクションの選択方式は「シヴィライゼーション:新たな夜明け」などなど、過去の名作の要素が上手くまとまっています。
ゲームの流れを確認するために今回はソロプレイをしてみました。ルールを確認しながらのプレイだったため、2時間ほどかかりました。ほとんどのカードにテキストがあるため、読むだけでだいぶ時間がかかりますね。
ボードゲームの経験値が多いと、「これはあのゲームね」と感じられるため、流れはすぐに理解できそうです。そういった経験がないと要素が多いため、どんなゲーム化理解するだけでも苦労しそうです。
ソロプレイだと規定のラウンド数で終わるのですが、通常は誰かがトリガーを引く必要があります。そのため、そこを意識しないとかなりゲームが伸びそうな感じがします。もともとのボリュームも多いため、4人プレイはかなり時間がかかりそうです。
他プレイヤーに影響を及ぼすカードがあったり、保全計画に早取りの要素があったりと、多少のインタラクションはありますが、基本的にソロプレイ感は強いです。各自が個人ボードでパズルを行っているため、全体を把握するのは困難です。
また、200枚以上カードがありますが、1回のゲームに使用するのはその中のごく一部です。そのため、欲しいカードが引けないことも多く、最初から計画立ててプレイするよりかは、その場その場で最適解を選んでいく感じになります。
さまざまなカードをプレイして能力を強化していくのが好き、個人ボードを充実させていくのが好きなプレイヤーならば間違いなく楽しめそうなゲームです。
タイトル | Ark Nova |
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発行年 | 2021年 |
プレイ人数 | 1~4人 |
プレイ時間 | 90~150分 |
デザイナー | Mathias Wigge |
BGGリンク | Ark Nova | BGG |