バラージは水力発電をテーマにした1~4人用のゲームです。第一次世界大戦後のヨーロッパを舞台にダムや発電所を建設して勝利点を集めます。オーソドックスなワーカープレイスメントですが、水の流れを見極めて建設していくことが重要です。
バラージ(Barrage)について
個人ボードは会社と重役を組み合わせて構成されます。そのため、組み合わせによって異なるボードになります。そこに建設ホイールを付け足します。
ゲームは全5ラウンドで、各ラウンドは5つのフェイズによって構成されます。
1.収入と源流フェイズ
お金や資源、得点といった収入を獲得します。
源流タイルに指定の数の水コマを配置します。
2.アクションフェイズ
手番順に1アクションずつ行います。
アクションスペースには1~3個のワーカーが必要です。
実行するのにコストがかかるものもあります。
3.水の流れフェイズ
源流タイルにある水コマが下流に向かって移動します。
ダムがある場合はそこでせき止められます。
4.得点計算フェイズ
エネルギートラックの順位に従って得点を獲得します。また、ラウンドごとにボーナスタイルの得点が加算されます。
5.ラウンド終了フェイズ
そのラウンドで生産したエネルギーが少ないプレイヤーが次のファーストプレイヤーになります。
これを全5ラウンド行い、最終得点がもっとも多いプレイヤーの勝利です。
ゲームの流れ

ワーカーの数は増減しません。また、1アクションで1~3個使うため、12ワーカーと一般的なワーカープレイスメントよりも多めです。
ほとんどのアクションはゲームボードにあるのですが、建設のアクションのみ個人ボードにあります。
バラージの特徴の1つが建設ホイールです。
建設ホイールは6分割されています。建設する際は入り口のマスにコストと建てたい建造物のタイルを入れ、ホイールを1段階進めます。ここで使用したコストはホイールが1周すると戻ってきます。
タイルは1枚ずつしかないため、同じ建造物を建てたい場合は早く回転させる必要があります。(ゲーム中に新たなタイルを手に入れることもできます)
建造物は基礎、上部、導管、発電所の4種類です。
基礎は水を貯めるため、上部は貯める水の量を増やすため、導管は発電所まで水を運ぶため、発電所はエネルギーを生産するために使います。
他プレイヤーの導管を使う際は、お金や得点を支払うため、どこに水が来るかを見極めながら、自分の都合のいいように建造物を作っていく必要があります。
また、発電した量によって契約が達成できます。そのため、あらかじめ達成できそうな契約タイルを取っておかなければなりません。
水の流れを見極めつつ、どこに建設すれば自分にうま味があるかを考えていくゲームです。
水を巡っての思惑が渦巻く重量級ゲーム

評判がよかったので気になっていたのですが、ギリギリ2019年内に遊ぶことができました。
3人戦で自分だけが初プレイでした。ルール説明に1時間ほど、プレイには3時間ちょっとかかりました。
なるほど、これは好きな人が多いのも納得ですね。
個人ボードに建物コマが置いてあるテラミスティカタイプで、建物を建てることで収入が増えていきます。
基本はオーソドックスなワーカープレイスメントですが、プレイヤーごとの特殊能力、解放されていく収入、水を巡る建設の陣取り、建設ホイールのコントロールと、さまざまな要素が詰まっています。
今回わたしはイタリアを使用し、序盤から発電所を建てていき、どんどん発電するやり方をしてみました。重役の効果でエネルギーが4未満でも4にすることができるため、中立のダムを利用しながらどんどん発電していきます。
中盤まで土台と上部は無視で、とにかく導管と発電所を建てていきました。ただ、意外と早く建てきってしまったため、今度は土台を作り始めます。
ゲームボードは大きく3つに分かれており、上流に行くほど建設コストが高くなります。もちろん水は上流からやってくるため、上に置いた方が有利です。
そこで役立つのが上級技術タイルです。上級技術タイルは特許局のアクションで手に入れることができ、建設の際に使うことができます。建設にプラスして恩恵があったり、建設コストを安くしてくれるため、上手いことハマると効率良く建設ができます。
終盤まで上手いこといっていたのですが、取り逃しているラウンドボーナスが多かったため、最後に逆転されてしまいました。
考えることが多いので、だいぶ頭が疲れます。要素も決して少なくないので、2~3時間のゲームに慣れていないと、かなり大変そうですね。
拡張が加わることでさらに要素が増えるため、これから長く遊ばれそうなゲームです。
タイトル | Barrage |
---|---|
発行年 | 2019年 |
プレイ人数 | 1~4人 |
プレイ時間 | 60~120分 |
デザイナー | Tommaso Battista, Simone Luciani |
