トリックテイキングゲームは、人数に応じていろいろなゲームがあります。幸いにもわたしの周りにはトリックテイキング好きが多く、遊ぶ機会がよくあるのですが、一時期5人で遊ぶことが多く、いろいろ試してみました。
そこで今回は実際に5人で遊んでみて面白かったゲームをご紹介します。
(この記事はTrick-taking games Advent Calendar 2017の4日目の記事として書かれました)
ブラックレディー
通常の52枚のトランプを使用します。
5人で遊ぶ場合は、各自に手札として10枚ずつ配り、残った2枚のうち、1枚は表向けてテーブルに置きます。
切り札なしのマストフォローで、ハートが1枚マイナス1点、スペードのクイーンが1枚マイナス13点になります。
基本的にマイナス点しかないゲームなのですが、1枚もマイナスを取らなかった人はプラス点をもらえるクリアルールがあります。
特に難しいルールはなく、とにかくトリックを取らないことを目指せばいいので、トリックテイキングの経験がない人でも十分に遊べます。
ナポレオン
日本国内でも経験者が多いトリックテイキングです。
使用するのは通常のトランプとジョーカー1枚です。
ビッドに勝ったプレイヤーが副官を指名しますが、指定はカードで行うため、誰がパートナーになったか本人は分かりません。
トリック自体はマストフォローなのですが、ジョーカー、セイムツー、よろめきなど、さまざまな特殊ケースがあり、覚えるべきことが多いです。
カードにもオールマイティ、正ジャック、裏ジャックといろいろあり、さらにローカルルールも多いです。
経験者同士が一緒に遊ぶ場合には、あらかじめどんなルールを採用するか確認しておいた方がいいでしょう。
ブリスコラ・ブジャルダ
通常のトランプの8~10を抜いた合計40枚で遊ぶトリックテイキングです。Aの次に強いのが3というのが独特です。
手札が配られてからビッドを行うのですが、そのときの宣言によりパートナーが決まります。
ただし、この段階では誰が自分のパートナーなのかは分かりません。(相手は自分が選ばれたことを分かっています)
そのため、誰が味方か分からないという正体隠匿要素があります。
このゲームでは嘘をついても構わないので、1人しかいないはずのパートナーが何人も出てくることもあります。
メイフォローなので、トリックテイキングに慣れていない人でも遊びやすいです。逆にマストフォローに慣れている人だと、あまりのままならさに戸惑うかもしれません。
「誰がパートナーなの?」と疑心暗鬼の中、実はパートナーがおらず1対4で戦っていた、というまさかの展開もあります。
ドルイド
3~5人用ですが、5人だとすべてのカードを使います。3、4人だと使わないカードがあるのでプレイ感がちょっと違うかもしれません。
このゲームの大きな特徴は、ラウンドが突如終わることがある、というところです。
獲得したカードはスートごとにまとめて、自分の前に置いておくのですが、5スートすべて集めてしまうと、即座にそのラウンドが終了してしまいます。誰がどのスートを獲得しているかは公開情報なので、スートが枯れていれば意図的に狙ったプレイヤーを脱落させることが可能です。
「え?ここで終わり?」という驚きが、なかなか新鮮です。
かなり攻撃性が高いゲームなので遊ぶ人を選びます。
五行相克
5人専用のトリックテイキングで、使用するのは通常のトランプ52枚です。
ゲームが2種類あり、片方では得点ができ、片方ではマイナスになります。
面白いのがパートナーとの関係で、相互関係になっていません。自分にとってはパートナーでも、相手にとって自分はパートナーではないのです。それぞれが違う人をパートナーにしているというのが、非常に独特です。
しかも、パートナーによって自分の方向性が決まってしまうので「もっと頑張ってよ!」と思うのですが、向こうにとっては自分は味方でも何でもないので思いは通じません。この一方通行の思いは他に類がない感覚で、とても新鮮です。
ゲームによって展開が変わるのも面白く、トリックテイキング好きな人には、ぜひ試して欲しいゲームです。
番外編:ドッペルコップ
基本的には4人用のゲームですが、5人でも遊ぶことができます。
5人で遊ぶ場合は、ラウンドごとに交代して1人が抜けます。そのため、ゲーム自体は4人で行います。
5人でドッペルコップを遊ぶことの面白さは、ゲームから外れているときに人のプレイを見ることができるところです。
(ほー、こういう並べ方するんだ)
(え、そこでそれか)
(この手札でソロいくのか)
といった、普段一緒に遊んでいるときには決して知ることができない情報を知ることができます。
人のプレイを見ると、いろいろな発見があり、勉強にもなりますし、単純に面白いです。