ロレンツォはルネサンス時代を舞台にしたゲームです。プレイヤーは資源を集め、家族を街の各地に送り込みながらより多くの名声獲得を目指します。グランド・オーストリア・ホテルの作者の新作でもあり、日本語版の発売も予定されています。
ロレンツォ・イル・マニーフィコについて
ロレンツォでは全体のゲームボードと個人ボードがあります。システムはワーカープレイスメントなのですが、それぞれのコマにはダイスの目が割り当てられており、その目以下のアクションしか選ぶことができません。ダイスの目はカードの効果や召使いコマによって増やすことができます。
ゲームは3時代行われ、各時代2ラウンドで、合計6ラウンドあります。
1ラウンドは4つのフェイズに分かれます。
1.ラウンド準備
ボード上に発展カードを並べます。スタートプレイヤーは黒、白、橙の3つのダイスを振り、ボード上に配置します。
2.アクション
スタートプレイヤーから順番にアクションを行います。手元から家族コマ1つをアクションスペースに配置し、そのアクションを行います。発展カードが置かれた塔のアクションを実行した場合、そのカードを個人ボードに配置します。
発展カードは領地(緑)、人物(青)、建物(黄)、冒険(紫)の4種類あります。カードにはコストと即時効果、永続効果が書かれています。
これを1アクションずつ行い、全員が4アクション行ったならばラウンド終了です。
3.バチカン報告(偶数ラウンド終了時)
2、4、6ラウンド終了時にバチカンへの報告があります。ボード上の信仰点をチェックし、その上で教会を援助するかどうか決めます。援助しなかった場合、破門に遭い、以降のゲームで不利になるような罰則が科されます。破門タイルは何種類かあり、ゲームごとに展開が変わります。
教会を援助する場合は信仰点を0に戻し、対応する勝利点を獲得します。
4.ラウンド終了
残った発展カードはすべて取り除かれます。大評議会スペースのコマをチェックし、それによりターンオーダーが変わります。ボード上に配置された家族コマをすべて手元に戻します。
ゲームの終了
6ラウンドが終了するとゲーム終了です。各点数を合計し、もっとも勝利点が多いプレイヤーの勝利です。
きれいにまとまったワーカープレイスメント
今回は4人全員が初プレイで、なおかつ上級ルールを採用しました。
上級ルールではリーダーカードが登場し、ゲーム開始時に4枚をドラフトして決定します。リーダーカードは条件を満たすことで家族コマを配置する前に出すことができ、強力な効果をもたらします。ただし、出すための条件も厳しく、4枚すべてを出すのは至難の業です。
まずルール説明に小一時間かかり、実プレイ時間は2時間ほどでした。
いろいろな要素がありますが、大元はしっかりとしたワーカープレイスメントなので、要素がだいたい把握できれば戸惑うことなくプレイできます。非公開情報はリーダーカードだけなので、相手がどの家族コマを残しているのかを確認することが出来ます。それらの情報を踏まえながら、最適な順番で家族コマを配置していかなければなりません。
面白いのがダイスの目が全員共通であるという点です。スタートプレイヤーがダイスを振るのですが、その目は全員共通になります。そのため、目が小さければ全員がキツくなりますし、目が大きければ全員の選択肢の幅が広がります。
遊んでみると非常に完成度は高く、しっかりとした手応えがあります。
しかし、今回遊んだメンバーでは「グランド・オーストリア・ホテルの方が面白かった」という感想にとどまりました。(ちなみに4人中3人がグランド・オーストリア・ホテルをプレイしたことがあります)
この感じはキーフラワーとキー・トゥ・ザ・シティの関係に似ているかもしれません。
もちろんこの両者ほどシステムが似通っているわけではありませんが、ロレンツォの方が洗練されてしまった分、あっさり目の仕上がりになっているような気がします。そのため、「ロレンツォの方が好き」という意見も十分に理解できます。この辺りは「こってりが好きか、あっさりが好きか」という話なので、好みの問題でしょう。
個人的には初めてドラフトありでグランド・オーストリア・ホテルを遊んだときほどの衝撃はありませんでした。しかし、よくできたゲームであることは間違いありません。
日本語版が発売予定されているゲームですが、テキスト効果などはないため言語依存はありません。