蟻の国は、蟻の一族を率いて、働き蟻や軍隊蟻を生み出したり、獲物を獲得したり、縄張り争いをしたりする2~4人用のゲームです。蟻の造形がリアルなため、虫が苦手な人にはあまりオススメできません。
蟻の国(Myrmes)について
各プレイヤーは個人ボードと初期資源を受け取ります。ゲームボードはヘクス状になっており、プレイ人数によって使えるスペースが異なります。
個人ボードには1~6の数字が書かれており、それぞれがフェイズを表しています。その順番に処理を行えばいいので、次に何をすればいいのかが分かりやすいです。
ボードにはコストなども描かれており、他の何かを参照する必要もありません。
ゲームごとに変わる目的タイルもアイコンで描かれているため言語依存はないです。
ラウンドは春、夏、秋、冬の4つに分かれています。
冬は食料供給するだけなので、アクションを行うのは春夏秋の3ターンです。これを3年間行うので、全部で9ターンのアクションを行うことになります。
各ターンは6つのフェイズに分かれています。
ターンの流れ
1.イベント
年の最初に3色のダイスを振り、その年に起こるイベントを決めます。ダイスは緑、黄、赤の3色で、それぞれ春、夏、秋のイベントを示します。
イベントは、もらえる数が増えるのが主で、マイナス効果はありません。たとえば、4の目だと移動する際の距離が+3されます。
2.誕生
六角形の育児蟻コマを使い、そのターンで行うアクションをプロットします。
コマは初めは3つですが、アクションで増やすことができます。
3.働き蟻の移動
蟻は軍隊蟻と働き蟻の2種類があり、フィギュアは同じですが、置かれる場所が異なります。
働き蟻はゲームボードに移動してアクションを行うか、個人ボード上でアクションを行います。
軍隊蟻は他の虫と戦うときに必要になります。(消費されるだけでゲームボードには配置しません)
4.収穫
ゲームボード上に自分のエリアがあれば、そこから資源を収穫します。
資源は食糧、土、石の3種類です。
個人ボード上でアクションをしていれば、そこからも資源を得ます。
5.仕事場
育児蟻コマを増やしたり、深度を深めたり、得点を得たりするアクションを行います。
6.所有制限
所持できる数を上回っている資源が捨てられます。
春、夏、秋は上記を順番に行います。
冬は食料供給でアクションは行いません。支払うべき数はラウンドに応じて増えていきます。支払えない場合は、その数に応じて減点です。
3年を繰り返したらゲーム終了で、もっとも勝利点が多いプレイヤーの勝利です。
しっかりした作りの隠れた名作
Twitterなどで評判がいいことは知っていたのですが、それほど惹かれるテーマでもなかったので、今まで遊ばずにいました。
今回初めて遊んでみて、なるほど、これは評判がいいのも納得です。
何ができるのか、何をすべきなのかは分かりやすく、どれを優先するのかが悩ましいです。
マップ上にはテントウムシなどの他の虫が存在しているのですが、これを倒すためには軍隊蟻が必要です。ただし、マップ上にでるためには働き蟻が必要です。冬には食料供給があるので、それにも備えなければなりません。ゲームに勝つためには得点化するアクションも必要です。
やるべきことは多いですが、アクションはなかなか増えていきません。この辺りが何とも悩ましいです。
ダイスはラウンドの開始に振られているため、各季節で何が起こるかは分かっています。それを見通してアクションを行っていくので、運要素は高くありません。コストを支払えば、そのイベントを自分だけ変えることも可能です。
ゲームボード上では相手のエリアを土で埋めたりもできるため、陣取り要素も強いです。また、配置できるコマが数によって違う形をしているので、パズルチックな要素もあります。
得点化できるタイルはゲームによってランダムに選ばれるので、まったく同じような展開にはなりづらいです。
さまざまな要素があり、よくまとまっている隠れた名作といるのではないでしょうか。
写真を見ると分かるのですが、フィギュアはパッと見、蟻というより蜘蛛ですね。
タイトル | Myrmes |
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発行年 | 2012年 |
プレイ人数 | 2~4人 |
プレイ時間 | 60~120分 |
デザイナー | Yoann Levet |
BGGリンク | Myrmes | BGG |