ネイションズは1つの国を担当して古代から近代までを戦い抜く1~5人用のゲームです。助言者、会戦、建物、植民地、黄金時代、軍隊、戦争、偉業といったカードを獲得して自国を発展させていきます。
ネイションズについて
ゲームには古代、中世、ルネッサンス、産業の4つの時代があります。
各時代は2つのラウンドに分かれているため、全8ラウンドです。
各プレイヤーは個人ボードを受け取ります。個人ボードは両面仕様になっておりA面はすべて共通、B面はボードごとに初期資源や能力が異なります。
各ラウンドは3つのフェイズに分かれています。
ラウンド
維持フェイズ
いわゆる準備フェイズです。
ラウンドマーカーを進めたり、新しいカードを補充したりします。
このラウンド終了時に起こるイベントカードが公開されます。
行動フェイズ
ゲームのメインとなるアクションフェイズです。
手番では1アクションずつ行い、パスするとそのラウンドから抜けます。
選べるアクションは以下の通りです。
進歩カードの購入
場に並んでいるカードを購入します。
ネイションズでは手札がないため、即座に効果を解決するか、自分のボードに並べるかのどちらかになります。
労働者の配置
自分のボード上にある建物に労働者を配置します。
建物の種類により、即座にパラメータを動かすか、収入時にもらえるものが増えるかのどちらかが決まっています。
偉業の建設
自分が獲得している偉業の建設を進めます。
特殊アクション
カードやボードに書かれた特殊アクションを実行します。
解決フェイズ
個人ボードの状況に応じて、金、食料、石、書物を生産します。
軍事力の順位で次ラウンドのターンオーダーが決まります。
その後、戦争、イベント、飢饉といった処理を行います。
ゲームの終了
8ラウンドが終わるとゲーム終了です。
最終得点計算を行い、もっとも勝利点が多いプレイヤーの勝利です。
ネイションズの良いところと悪いところ
良いところ
同じ展開にならないカードの豊富さ
ネイションズには約300枚の進歩カードと約50枚のイベントカードがあります。そのため、1ゲームではほとんどのカードが使用されません。
何度遊んでも同じ展開になることはなく、毎回新鮮な気持ちで遊ぶことができます。
ルールの分かりやすさ
文明系ゲームの中では、かなりルールが分かりやすいです。
金はカード購入、
食料は供給と飢饉、
石は労働者の配置、
書物は得点、
と、それぞれの役割がはっきりしているため、自分がやりたいことのためには何が必要なのか明らかです。手番ですべきこともカードを買うか、個人ボードに労働者を置くかがメインなので、とてもシンプルです。
選択の悩ましさ
ネイションズの手番順は軍事力の順位で決まります。そのため、次のラウンドを有利に動きたい場合は軍事力を上げる必要があります。ただし、そうすることで支払うコストが増えますし、生産に労働者を割けなくなります。
また、ラウンドごとのイベントは安定度や軍事力など、さまざまな順位でメリットやデメリットがあります。そのため、じわじわとしたせめぎ合いがあり、「早くパスしてくれ……」と心の中で相手に祈ることになります。
個人の非公開情報がない
ネイションズでは手札や目標カードといった非公開情報がありません。
すべての情報が場に出ているので、効果がよく分からない場合も、すぐに聞くことができます。また、資源もすべて公開されているので、他のプレイヤーがどういったアクションを行えるのか把握可能です。
悪いところ
バランスの大ざっぱさ
良いところでも挙げましたが、とにかくカードが多いため、バランスよく出てくるとは限りません。ラウンドごとにまったく出てこない種類があることも多く、場合によっては身動きが取れなくなるプレイヤーが出てきます。
カードに関係する能力があるにも関わらず、その種類が出てこないこともあるため、プレイヤー間の有利不利が発生することもあります。
時間がかかる
わたしは3人か4人で遊ぶことが多いのですが、ルールが分かっている人同士でも4時間はかかります。どの順番にカードを取っていくか選択肢が多いため、長考しがちな人はとことん悩んでしまうかもしれません。
また、そこまで得点が取れるゲームではないので1度大きく離されてしまうと逆転は難しいです。
拡張の王朝紀は必須
個人的に拡張の「ネイションズ:王朝紀」は必須です。そこまでルールが増える訳でもないので、初めて遊んでもらう場合にも拡張込みで遊んでもらっています。
拡張を入れることで5カ国から17カ国に選べる国が増える上、ゲーム中に個人能力を変えられるようになります。これで各国家が3種類の能力を持つことになり、全部で51種類という相当な数の能力が登場します。もちろん1プレイですべて把握する必要はなく、今回使われる国家だけ分かっていればOKです。
また、政情不安カードを取ることで一時的に安定度を下げてお金を取ることができるようになるため、「どうしてもこのカードが欲しい!」という場合は犠牲を払ってカードを買えるようになりました。
オススメの文明系ゲーム
文明系のボードゲームは、スルージエイジズやシヴィライゼーションなど名作が多いですが、個人的にはこのネイションズが好きで何度も遊んでいます。
複雑な処理がなく「どのタイミングでカードを取るか・労働者を置くか」に集中できるため、そこだけに頭を使うことができます。
また、この手のゲームにつきものの戦争も、個人攻撃ではなく、全体攻撃というのがポイントです。戦争を起こしたプレイヤーの軍事力未満の全員が敗戦するため、弱った国をみんなで叩くといった構図になりません。しかも戦争は1ラウンドで1回しかできないため、そこまで損害が広がりません。
カードの言語依存はそれなりにありますが、特に日本語化などはしていません。難しい英文ではないですし、すべてが公開情報なので出てくるたびに説明すればプレイに支障はないです。
現在なかなか手に入りにくい状況ですが、プレイする機会に恵まれれば、ぜひとも遊んで欲しいゲームです。
タイトル | Nations |
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発行年 | 2013年 |
プレイ人数 | 1~5人 |
プレイ時間 | 40~200分 |
デザイナー | Rustan Håkansson, Nina Håkansson, Einar Rosén, Robert Rosén |
BGGリンク | Nations | BGG |