今回は残りの4国、インド、マリ、ポーランド、ヴェネツィアのレビューです。
ネイションズ:王朝紀 ボードのレビュー
インド
インドはちょっと注意が必要なボードで、初期資源だけでは最初のラウンド、労働者コマを起ききることができません。初期労働者が5に対し、石が4つしかないからです。ただし、これはインドの初期偉業によって活かせるようになっています。
インドのボードにはあらかじめワーラーナシーという偉業があります。これは配置していない労働者につき、書物1、食料1を産むというものです。そのため、もし最初の成長で労働者を増やしても、この分は生産することができます。
インドの特別ルールは、ただ食料2を産むだけのシンプルなものです。政体は成長で人口を増やす際に追加で2つ増やしていいマウリヤ朝と、偉業が完成したときに1VPのムガル帝国です。さすがに何度も人口3を増やす機会はないので、早々にムガル帝国に切り替えるのがおすすめです。
マリ
マリにはエチオピアと同様に3種類を生産する初期建物があります。エチオピアのSteleは金1、安定性1、書物1でしたが、マリのSalt Caravanは食料1、安定性1、書物1です。ただし、大きな違いがあり、エチオピアがコスト石1なのに対し、マリはコスト石2です。これは序盤にはかなり大きな差です。
それを補うためかマリには特別ルールが2つあります。1つが黄金時代に対しボーナス1、もう1つは成長の際に金を選ぶと追加で1金もらえます。ただ2つあることから分かるように、どちらもそこまで強力ではありません。
マリで注目すべきなのは政体のソンガイ帝国です。これは飢饉の際に、軍事力が最低の国家は追加で食料3支払うというものです。(自分は含まれない)序盤の食料3はなかなかの被害ですし、終盤、通常の飢饉5に3を足されて8までいくと、よほど余裕がないと失点の可能性が高いです。
ポーランド
ポーランドはオーソドックスなボードで、特別ルールも戦争時負けなければ書物3と、そこまで特筆すべき能力ではありません。
ポーランドの強みは政体をヤギェウォ朝に変えたときに発揮されます。ヤギェウォ朝の能力は第1プレイヤーに1金を支払うことで自分が最初にアクションを行えるというものです。アグリコラでいうところの毒味役といえば、その強さが分かるでしょう。カードの出が悪い盤面では一番最初にアクションできるのはかなり強いです。
さらに恐ろしいのが毒味役と違い、自分が第1プレイヤーのときは第2プレイヤーに1金支払うことで追加アクションを行うことができます。自分の手番順が良くても悪くても強力な政体です。
ヴェネツィア
ヴェネツィアは初期植民地を持ったボードです。植民地のコンスタンティノープルは黄金時代でVPを購入する際に、コストが1安くなるというものです。この植民地自体に得点はありません。
初期軍隊のTriremeは軍事力3で維持コストなし、襲撃値3と次の時代の軍隊の強さですが、配置コストも石2です。
特別ルールは最後にパスをすると2書物という能力で、そこまで強くはありません。政体は植民地を購入してそれを捨てると1点2金という海洋州と、他のプレイヤーが会戦や植民地を購入したときに1金もらえるパクトゥム・ワルムンディです。この2つはなかなか強いので、早めに政体を変えた方がよさそうです。
一通りすべてのボードを見て
明らかに強いと感じているのが日本、続いてモンゴル、ポルトガルです。日本はやはり盤面に左右されない汎用性の高さが強力です。モンゴルは軍事力を活かした戦法がとりやすいです。ポルトガルの3金のカードを2金で変えるのも地味に強いです。
そして今回改めてすべてのボードと政体を見直して「え?こんなのあったの?」と驚いたのがポーランドの政体ヤギェウォ朝です。手番順に関係なく初手が打てるのはかなり強力です。これはどんな感じなのか今度自分で使ってみたいですね。
- レビュー1(日本、モンゴル、ポルトガル、エチオピア)
- レビュー2(韓国、ヴァイキング、アメリカ、アラブ)
- レビュー3(インド、マリ、ポーランド、ヴェネツィア)