スキタイの侵略者は遊牧騎馬民族のスキタイをテーマにした1~4人用のゲームです。労働で食料や仲間、お金を集め、侵略で他の国々へと遠征します。ワーカーを置いたときと取り除いたときに効果が発動するワーカープレイスメント&ワーカーリムーブメントのゲームです。
スキタイの侵略者について
各プレイヤーは個人ボードと初期資源を受け取ります。その後、英雄と同胞を逆順で獲得します。英雄にはさまざまな効果があり、プレイヤーごとの特殊能力のような存在になります。
スキタイの侵略者にはラウンドがありません。終了条件を満たすまで順番にアクションを行います。
手番開始時、プレイヤーはワーカーを1つ持っています。手番ではワーカーを配置してアクションを実行し、ワーカーを1つ回収します。
常に「配置して回収」を行うため、一般的なワーカープレイスメントのような回収フェイズがありません。
ワーカーは青、白、赤の3色あり、スペースによっては指定された色でしかアクションが行えません。
アクションスペースは大きく分けて労働と侵略の2種類です。
ゲームボードの上部は労働のエリアです。ワーカーを配置してアクションを行い、すでに配置してあるワーカーを1つ回収して、そのアクションも行います。
労働エリアでは、お金や食料、馬乳酒を獲得したり、同胞カードをドローしたり、プレイしたりします。
侵略できるエリアはキンメリア、アッシリア、ペルシア、ギリシアの4段に分かれています。下に行けば行くほど侵略するための条件が厳しくなりますが、得られる得点も多くなります。
侵略するためには、指定された数以上の同胞カードをプレイしていなければならず、他に食料や資源などが必要です。
自分の戦力に、消費した馬乳酒の数を合計し、さらに振ったダイスの目を足して、ボード上に書かれた数以上になると得点が入ります。ただし、ダイスには負傷アイコンも書かれており、その分だけ負傷トークンを受け取ります。
受け取った負傷トークンは、自分の同胞カードの上に置きます。戦力以上の負傷トークンが置かれると、その同胞は死んでしまうため、捨札になります。
侵略を行うと、そこにあった依頼タイルが公開されます。依頼タイルには資源やお金などが書かれており、それを支払うことで得点になります。依頼を達成するためには、労働エリアにあるアクションを行わなければなりません。
ゲームの終了
2つのうち、どちらかの条件を満たすと、そこからさらに1アクションずつ行いゲーム終了です。
終了条件
- ボード上の依頼タイルが2枚以下になる。
- 侵略できるスペースが2箇所以下になる。
最終得点計算を行い、もっとも得点が多いプレイヤーの勝利です。
変わり種だが遊びやすいワーカープレイスメント
常に手元にワーカーが1つしかない一風変わったワーカープレイスメントです。ただし、やることはとても分かりやすく、見通しも立てやすいです。
2015年に発売されたRaiders of the North Sea(北海の侵略者)のリメイクにあたります。根底のシステムは同じですが、見た目がガラッと変わった上、かなり調整が加わり、要素も増えているため、ほとんど別物と考えていいかもしれません。
侵略するためには同胞や食料が必要、同胞を雇うにはお金が必要、依頼を達成するには戦利品(資源)が必要、戦力を上げたり、負傷を治すのには馬乳酒が必要と、それぞれ役割がはっきりしているため、次に何をしたらいいかが分かりやすいです。
今回は3人で遊び、ルール説明からゲーム終了まで2時間ほどでした。
わたしはコストが安い同胞をどんどん出していき、ろくに強化もしないまま、次々に侵略に向かいました。それに対して、しっかり同胞を集め、鷲や馬で強化しているプレイヤーがいたため、長期戦になっては不利と思い、依頼もできるだけ速やかに達成していきました。
その結果、最難関のギリシアに誰もたどり着かないまま、依頼タイルがなくなってゲーム終了となりました。
得点は52対47対47と接戦で、わたしは2位タイでした。
北海の侵略者よりもできることは増えていますが、ルールの難しさはほとんど変わらないため、こちらの方が遊びやすいです。
同胞が前よりも死ににくくなったのも大きなポイントです。(以前は襲撃成功時にワルキューレコマがあると、その数だけ戦死していたので)
他のゲームと違い、このゲームでは終盤、ボードからコマやタイルが取り除かれてスカスカになってしまうため、写真を撮る場合はゲーム開始時から序盤がオススメです。
タイトル | Raiders of Scythia |
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発行年 | 2020年 |
プレイ人数 | 1~4人 |
プレイ時間 | 60~80分 |
デザイナー | Shem Phillips |
BGGリンク | Raiders of Scythia | BGG |