シュティッヒルン(スティッヒルン)は1993年に発売された3~8人用(版によっては3~6人)のトリックテイキングです。自分の手番にどのカードを出してもいいメイフォローのルールなので、マストフォローが苦手な人でも楽しめます。
シュティッヒルンについて
シュティッヒルンは人数によって使用するカードの枚数が変わります。たとえば、4人で遊ぶ場合は、5スート、0~11の合計60枚です。
まず各自に手札を15枚ずつ配ります。
次にその中から、そのラウンドでの自分のマイナスカラーを決めます。たとえば、赤のカードをマイナスカラーにした場合、獲得したトリックにある赤のカードは、すべてその数字がマイナス点になってしまいます。
マイナスカラーを決める際は、手札から1枚を伏せて出すのですが、そのカードも獲得した扱いになるため、0のカードを入れない限りマイナスからのスタートになります。
全員がマイナスカラーを決めたら一斉に伏せたカードを公開します。
トリックはディーラーの左隣からリードします。トリックのルールはかなり独特で、リードスート以外はすべて切り札です。同じ数字があれば先出し勝ちです。ただし、0のカードは切り札になりません。
たとえば、青6、青9、赤2、青8の順番でカードがプレイされた場合、勝つのは赤2です。(リードスートが青のため)これが慣れるまでちょっと大変です。
得点はマイナスカラーのカードは数字がそのままマイナス点で、他の色はすべて1枚1点です。
これを規程ラウンド、または規定点まで行い、もっとも得点が高いプレイヤーの勝利です。
唯一無二のトリックテイキング
今回は4人で8ラウンドを行い、2時間以上かかりました。
これまでにいろいろなトリックテイキングを遊んでいますが、実はスティッヒルンをしっかり遊んだのは初めてでした。名前とメイフォローということは知っていたのですが、実際に遊んでみてちょっと衝撃を受けました。
メイフォローなので、どのカードをプレイしてもいいのですが、トリックで勝つこと、または負けることを考えると、必然的に選択肢は狭まります。
その意味が分かってくると、メイフォローでありながら、相手がどんなカードを持っているのかが徐々に分かってきます。
マイナス点が大きいため、できるだけトリックを取らないことを目指したいのですが、かといってトリックを取らないことには勝てません。そこで確実にプラスになるタイミングを狙わなければならないのですが、そんなタイミングはなかなか訪れません。
「このトリックは取れそう、けれどもこの後でマイナスカラーが来るのは?」という疑念が頭をよぎり、なかなか思い切ってカードを出すことができないのが、何とも苦しくて楽しいです。
トリックテイキングが苦手、または嫌いの人の理由として「手札にある好きなカードが出せない」という意見があります。
マストフォローのルールだと出せるカードが限られてしまうため、出したいのに出せないという状況があり、それを嫌う人が少なからずいます。
スティッヒルンではどのカードでも好きに出せます。
しかし、いろいろ考え出すと、そのとき出すべきカードというのは必ず絞られてきます。
この出せるカードが絞られてしまうというのはトリックテイキングの醍醐味のひとつでもあるので、ぜひトリックテイキングが苦手という人にも遊んで欲しいゲームです。
タイトル | Stick ‘Em |
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発行年 | 1993年 |
プレイ人数 | 3~8人 |
プレイ時間 | 30~60分 |
デザイナー | Klaus Palesch |
BGGリンク | Stick ‘Em | BGG |
