タントニーはアゴニーアントやミニミゼール、99の作者であるDavid Parlett(デヴィッド・パーレット)による3~4人用のトリックテイキングです。勝ったトリックを他のプレイヤーに渡すことができ、前ラウンドで獲得したトリックが次ラウンドの手札になるという、かなり独特なトリックテイキングゲームです。
3人で遊ぶ場合は個人戦、4人で遊ぶ場合はチーム戦になります。
今回は4人用のルールをご紹介します。
タントニーについて
使用するカード
ジョーカーを抜いた通常のトランプ52枚です。
カードの強さ
強 A K Q J 10 … 3 2 弱
カードの得点
2~10 | その数字が点数になる |
J | 15点 |
Q | 20点 |
K | 25点 |
A | 30点 |
ゲームの流れ
向かい合ったプレイヤーがパートナーとなります。
もっとも弱いカードを引いたプレイヤーが最初のディーラーです。数字が同じだった場合は、そのプレイヤー同士でやり直します。
ディーラーはカードをよくシャッフルして、各プレイヤーに1枚ずつカードを配りきります。各自の手札は13枚です。
ディーラーの左隣のプレイヤーが最初のリードを行います。切り札なしのマストフォローのトリックテイキングです。
トリックに勝ったプレイヤーは、リードされた数字の中でもっとも小さい数字のカードを1番上にして、それだけが見えるように重ねます。この1番上のカードがこのトリックの点数です。
トリックに勝ったプレイヤーはそのトリックを自分のものにしても構いませんし、他のプレイヤーにあげても構いません。
トリックを獲得したプレイヤーは1番上のカードだけが見えるようにして、自分の前に置き、次のリードを行います。リードはあくまでもトリックを獲得したプレイヤーが行うので、当然、トリックに勝ったとしても次のリードが行えないことがあります。
また、トリックは1人につき3トリックしか獲得することができません。そのため、3トリック取っている状態でトリックに勝った場合は、必ず他のプレイヤーにあげることになります。
これを繰り返していくのですが、最後のトリックだけ特殊です。
最後のトリックのときは、全員が3トリック獲得しています。そのため、最後のトリックに勝った場合はそのプレイヤーがトリックを獲得できます。ただし、他のトリック同様、得点になるカードはリードスートの中でもっとも小さい数字です。分かりやすいように自分が出したカードとそのカードを交換します。そのスートが自分しかいなければ交換はしません。得点計算をするため、得点になったカード以外の3枚は裏返します。
自分の前にある表になっているカードの得点を合計します。1人だけが4枚、他3人は3枚の数字の合計です。
得点を記録したら、このラウンドで獲得したカードが次のラウンドの手札になります。
ディーラーを左隣に交代し、4ラウンドの合計が高い方のチームの勝利です。
(※差が開きすぎた場合の即時終了ルールもあります)
え? どうすればいいの?
勝てばいいのか負ければいいのかもよく分からないため、かなり独特なトリックテイキングゲームです。
今回は最初の手札が強かったため、とりあえず勝って得点が低いトリックを相手に押しつけるというやり方をしてみました。そのため、相手チームが2~5点くらいで埋まったところで、上手いこと得点が高くなるように調整し、こちらでトリックを獲得していきます。
そうすると当然次のラウンドも相手側の手札は弱くなるので、かなり一方的にトリックに勝ち続けることができます。
ただし、実際にやってみるとマストフォローの関係もあり、場合によっては1人に同じスートが固まってしまい、まったく歯が立たなくなることもあります。
この辺をどうすれば上手くいくのかよく分かりませんでしたが、4ラウンドが終わってみると189対126で勝利していました。
自分が得点が高いカードを出したときに、誰もフォローできないのが理想ですが、どうすればそうなるのかは、まだまだつかめませんでした。
かなりの変わり種なので、いろいろなトリックテイキングを遊んできた人でも首をかしげるのではないでしょうか。万人に勧められる感じではないですが、いろいろなトリックテイキングを遊んでみたいという人はトライしてみる価値があると思います。