ウェルス・オブ・ネイションズは運要素なしの経済ゲームです。それぞれが各国の元首として資源を上手く活用し、経済大国になることを目指します。先々までを見通す力と他プレイヤーとの交渉がキーとなるゲームです。
国富論(ウェルス・オブ・ネイションズ)について
ウェルス・オブ・ネイションズでは5種類の資源(食料、電気、資本、鉱石、労働力)とお金を使います。初期セットとしてタイルとお金をもらえるのですが、組み合わせが異なるため、この段階でだいたいのゲーム方針が決まります。
ゲームは大きく3つのフェイズに分かれます。
交渉フェイズ
他プレイヤー、または市場と取引を行います。市場から購入、売却するたびに、各資源の市場価格が変わります。他プレイヤーとの交渉はかなり自由で物々交換だけでなく、未来の約束などを交渉材料として持ち出しても構いません。
これを一手番ずつ行い、全員がパスをするまで続けます。
開発フェイズ
資源を使い、新しいタイルを場に置いたり、タイルを移動させたり、工場をオートメーション化したりします。こちらも一手番ずつなので、どのタイルをどの順番で置くかで計算が狂ったりします。
生産フェイズ
各タイルから資源が生産されます。生産にはコストが必要で、しっかりその分を用意していないと生産することができません。ここで産んだ資源はそのまま使うことができないので、生産の段階で「あれ、1つ足りない……」ということがよく起こります。
これを終了条件を満たすまでくり返し、お金やタイルを勝利点に変え、もっとも得点が多いプレイヤーの勝利です。
先々まで見通さないと詰んでしまう
ルール自体はそこまで難しくないのですが、正確なリソース管理が要求されるゲームです。満遍なく資源を集めることは難しいので、どれかに特化させ、他プレイヤーと上手く交渉していくのがゲームのキモになります。
先日、かなり久しぶりにプレイする機会がありました。(恐らく6、7年ぶり)
この日は5人プレイで、1人が初プレイでした。拡張タイルが加わり、多少ルールに変更があったようなので、最初からすべてのルールを確認していきます。
わたしが最初に選んだのは青(電気)と黄(食料)の2色タイルで、これにより青、黄のタイルを持つプレイヤーと共闘体制を築こうというのが狙いでした。初期配置の段階で自然とタイルが隣接するようになり、3人の連携が築かれます。
このゲームにおいて、非常に重要なのが銀行の存在です。銀行は毎ターン莫大な額を生産しますが、建てるためのコストも重いです。そのため、どのタイミングで、誰と銀行を作るかが大きな鍵となります。
また、このゲームではいくらでも借金することができます。ただし、借りるたびにもらえる金額が少なくなるので、無闇矢鱈に借りると返済額がどんどん膨らんでしまいます。しかし、実際にやってみて思い出したのですが、このゲームはある程度借金してでも初期投資に注力しないと、なかなか拡大していきません。
盤面は自然と3対2に分かれたのですが、2人の方が早々と銀行を完成させます。恐らくこの時点でこちらも3人で1つ作るべきなのでしたが、なかなか上手くいかず、そこからじわじわと差が開き始めます。
7ターン目に盤面がすべて埋まり、ゲーム終了となりました。思った通り、銀行を完成させたプレイヤーが1位と2位でした。
ルール説明からゲーム終了まで5時間ほどで、終わる頃にはだいぶ消耗していました。濃厚なやり取りが楽しめる面白いゲームなのですが、なかなか頻繁にやる気にはなれませんね。年に1、2度遊ぶくらいでお腹いっぱいかもしれません。
キリキリしたリソース管理、相手の状況に合わせた交渉、運要素なしのガチゲームが好きな人にオススメなボードゲームです。
タイトル | Wealth of Nations |
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発行年 | 2008年 |
プレイ人数 | 3~6人 |
プレイ時間 | 120分 |
デザイナー | Nico Carroll |
BGGリンク | Wealth of Nations | BGG |