クリスタルパレスはロンドン万博をテーマにした2~5人用のゲームです。各プレイヤーは参加国のひとつとなり、発明品を試作したり、著名人を招いたり、新聞社で宣伝を行ったりして、自国をアピールします。ダイスを使用しますが、自分で目を決めるため、運要素は少なめです。
クリスタルパレスはウヴェ・ローゼンベルクが監修するウヴェコレクションの第2弾です。第1弾は高潮から農場を守るローランドです。
クリスタルパレスについて
プレイ人数に対応するボードを組み合わせてゲームボードを作ります。他に収入や得点を管理するスコアボードがあります。
各プレイヤーは個人ボードを受け取ります。5枚が両面仕様になっており、10つの国があります。異なる点はボーナスの達成条件のみです。
ゲームは全5ラウンドです。各ラウンドは7つのフェイズに分かれています。
フェイズの流れ
1.ダイス目の決定
今回使用するダイスの目を非公開で決めます。ダイスは最初は4つですが、ゲーム中に最大6個まで増えます。(アクションによって減ることもあります)
全員決まったら一斉に公開し、ダイス目の合計を発表します。その値分の金額を支払います。
2.ダイスの配置
もっとも多くの金額を支払った人からダイスを置いていきます。この時点ではまだアクションは発動しません。
ダイスを置く際に追加コストがかかるマスもあります。
3.アクションの実行
1のボードから順番にアクションを行っていきます。ダイス目の大きい順からアクションを選びます。
実行できる場所は置ける場所よりも少ないため、ダイスの目が小さいとアクションできないことがあります。
4.給料の支払い
所有している人物カードに対して給料を支払います。
5.試作品の作成
3で獲得した試作品を完成させます。コストを支払い、特殊効果を得ます。特殊効果の対象は自分を含めて誰でもOKです。
効果はプラスのものばかりではなく、お金を支払うなどのマイナス効果を伴うことがあります。
6.収入
収入トラックから収入を得ます。それから特別費用として収入トラックが3下がります。
このとき、下限まで届いてしまうと失点です。
その後、自分のボードにあるタイルやブラックマーケットから収入を得ます。
7.次のラウンドの準備
ボード上に残っているカードやタイルを取り除き、新しいものを補充します。
借金
借金はいつでもすることができます。
10金を受け取り、借金タイルを個人ボードに置きます。
10金で返すことができますが、タイルはボードに残り続ける上に、マイナス5点です。返さないとマイナス8~10点です。
ゲームの終了
5ラウンドが終わったら、ゲーム終了です。
最終得点計算を行い、もっとも得点が多いプレイヤーの勝利です。
シビアなバランスよりも運要素が気になる
まず気になったのが説明書の構成で、中央辺りにクレジットが出てきます。最初見たときは「え?落丁?」と驚きました。
今回は3人で遊び、準備からルール説明、プレイ終了まで3時間半ほどでした。
とにかく要素が多いため、ルール説明はかなり時間がかかります。
ただ、実際に始まってみると、そこまでやることは難しくありません。
個人ボードにラウンドの流れも書かれているため、どの順番で何をすればいいのかも分かりやすいです。
人物や発明品のカードもラウンド終了時補充のため、ゲームを通して3枚×5ラウンドで15枚ずつしか出てきません。効果もアイコンのため、めくってその都度説明すれば問題ないです。
お金がなかなか増えない、アクションできないことがあるなど、なかなかキツいシステムになっています。ただしフリーアクションで資源を購入できたり、新聞をお金に変換できたりするので、お金さえあればそこまで手詰まりにはなりません。
借金がいくらでもできることを考えると「まったくどうにもならない」という場面はまずありません。もちろん得点を考えた場合に借金したくないと考えるのも当然のことですが。
気になるのがいくつかの運要素です。
たとえば、発明品と人物はそろうことで追加点があります。カードによっては2枚に対応していることがあり、どちらもそろうとそれだけで8点です。
ちなみに今回は64対59対56だったのですが、1位のプレイヤーはこの8点を獲得しています。
カードは30枚ずつあるため、半分しか出てきません。
いくら頑張ったところで出ないときは出ないので、どれだけ得点効率を突き詰めたとしても欲しいカードが出なかったから負け、ということが十分にありえます。
もうひとつの気になる点が借金です。
借金はいつでもすることができますが、マイナス何点になるかは運です。マイナス8~10のどれになるかは引いてみないと分かりません。
ちなみにどの場合でも、もらえる金額は同じですし、返すとマイナス5点です。
そのため、同じ3枚借金でも6点差が出ることがあります。こうなるともうただのハンデです。運が悪かったと諦めるしかありません。
常にシビアなバランスというのは個人的にまったく問題ありません。キツい中でやり取りするのはボードゲームの楽しさのひとつです。
ただ、どれだけ頑張ったとしても最終的な勝敗は運ですと言われると「えぇ……」となります。
ここまでシビアなプレイングを要求するならば、運要素は極力無くすべきではと感じました。
もちろんこれは個人的な感想なので「ある程度運要素があった方がいい」と感じる方もいるかもしれません。
タイトル | Crystal Palace |
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発行年 | 2019年 |
プレイ人数 | 2~5人 |
プレイ時間 | 90~150分 |
デザイナー | Carsten Lauber |