airship city – 飛行船都市 -は、空に居住を移して飛行船都市を完成させた人類をテーマにした3~4人用のゲームです。プレイヤーは飛行船技師となり、資材を集めて、飛行船造りに励みます。タイル上のワーカーを移動させてアクションを実行するのですが、アクションスペース自体を動かすことができるのが特徴です。
airship city – 飛行船都市 -について
各プレイヤーは個人ボードと各マーカーを受け取ります。資源はボード上の数字にマーカーを置くことで管理します。貢献ボードと計数ボードを並べ、その隣に16枚のアクションタイルを4×4で並べます。さらに契約書タイルの山を作り、5枚をオープンして並べます。
ゲームは全5ステージ行われ、各ステージは4つのラウンドに分かれています。
自分の手番が来たら、アクションタイル上にある自分のプレイヤーコマ(最初は2個)を上下左右いずれかに1歩進め、そのタイルに描かれたアクションを実行します。アクションは任意のため、行わなくてもよいです。
移動先に別の自分のコマがある場合は、さらにもう1歩進みます。同じタイルに自分のコマを複数個置くことはできません。こうして自分のコマをすべて移動させたら手番終了です。
手番中の好きなタイミングで歯車を1消費すると、アクションタイルの1列、または1行を1マス分スライドさせることができます。これによって押し出された1枚は反対方向に入ります。歯車さえあれば、手番中に何度でも行うことができます。
また、契約書タイルを持っている場合は必要な資源を支払うことで契約達成することができます。契約の達成は手番中に好きなタイミングで何枚でも可能です。
各アクションは木材、鉄材、歯車といった資源を得るものから、契約書タイルを獲得するもの、飛行船や公共施設を建てるものまでさまざまです。自分のコマがあるところで、他のプレイヤーがアクションを実行すると、便乗ボーナスをもらえることがあります。
飛行船を建造した場合、寄贈するか売却するかを選べます。
寄贈した場合、作った飛行船の対応するスペースに貢献マーカーを置きます。これにより、追加ボーナスが得られたり、ゲーム終了時のボーナスが入ったりします。さらに、その船に置かれたマーカーが単独最多ならば造船最多スペースにマーカーを置きます。
売却した場合は、貢献マーカーを置かずに資金を得ます。
ゲームの終了条件は以下の3つです。
- 貢献ボードの「造船最多スペース」9箇所すべてにマーカーが置かれる。
- 貢献ボードの「建造最多スペース」3箇所にマーカーが置かれる。
- 20ラウンドが終わる。
ラウンド終了時に、いずれかが達成されていると、そこでゲーム終了です。
終了時のボーナスを加算し、もっとも得点が多いプレイヤーの勝利です。
すっきりルールがまとまった佳作
いくつかのボードゲームを遊んだことがあるならば、すんなり理解ができるシンプルなルールです。
プレイヤーボードでは木材、鉄材、歯車、資金の4種類の資源を管理するのですが、これらは最初、最大10までしか持つことができません。ゲーム中のアクションで改築を行うことで、ボード上のタイルが取り除かれ、最大数が増える上、紋章という追加効果が得られます。紋章は対応するアクションを実行した際に、資源を追加でもらうことができます。
また、ワーカープレイスメントでお馴染みのゲーム中にワーカーを増やすアクションもあります。一般的なワーカープレイスメントと違い、食料や給料などを支払う必要はありませんが、増やすための資金が高額なため、簡単には増やせません。
さらに、ゲーム終了時には3つのカテゴリーでマジョリティを争うといった感じで、お馴染みの要素が詰め込まれています。
このゲーム最大の特徴は、アクションタイルを動かせるというところです。ガンガン配置が変わるため、推奨の初期配置などは特に用意されていません。
とても面白い要素ではあるのですが、自分の手番がくる前に盤面が変わってしまうため、どうしてもダウンタイムがかかりがちです。「これをこうしてから、次はあれをしよう」と考えていても、手番になると行けなくなっていることはよくあります。そのため、手番が来てから考え始めることになるため、どうしても時間がかかってしまいます。
今回は3人で遊んでみたのですが、準備とルール説明に30分ほど、プレイには1時間40分ほどかかりました。初回ということで、なかなか方針がつかめず、思ったよりも時間がかかってしまいました。
ルール自体は難しくないのですが、どのタイミングで増員すればいいのか、飛行船は寄贈したらいいのか売却したら良いのか、どのカテゴリーで他のプレイヤーに勝れば良いかなどなど、考えることは多いです。
プレイしてみた感じ、どちらかというと3人よりも4人の方が良さそうだという印象でした。飛行船は大きく分けて、木造船、金属船、遊覧船の3種類なのですが、3人だとそれぞれ棲み分けてしまうため、4人の方が争いが起きて面白そうです。
また、3人でも4人でもマップの広さが変わらないため、便乗ボーナスの関係で単純に資源が出にくいです。
プレイ中、常に何かしらが足りない状態で、みんなが常に「キツいキツい……」とつぶやいていました。もちろん、こういったキツさは人によってはプラス要素でもあるのですが。
ルールはそこまで複雑ではありませんが、いろいろな要素が詰まっているため「今度はあっちから進めてみようかな」というリプレイ欲が湧きやすいです。
イスタンブールや横濱神商伝など、アクションタイル上を移動していくゲームが好きな人にオススメです。