「美徳(ビトク・Bitoku)」は大精霊が去ってしまった森で、次の後継者になることを目指す1~4人用のゲームです。ダイスをワーカーとして使用し、目によってアクションの効果が変わります。さまざまな要素が詰まったダイスプレイスメントです。
美徳(Bitoku)について
ゲームボードは両面仕様になっており、プレイ人数によって使用する面が決まっています。さらにプレイ人数に応じたタイルをはめ込むことでボードを完成させます。それからトークン類やカードをセットします。
各プレイヤーは個人ボードとトークン類、5枚の初期妖怪カードを受け取ります。
ゲームは全4ラウンドです。
各ラウンドは春夏秋冬の4つのフェイズに分かれています。
ラウンドの流れ
春
各プレイヤーは手札が4枚になるように山札から妖怪カードを引きます。その後、1枚を捨てて手札を3枚にします。
プレイヤーボードに水晶の収入タイルがある場合、収入を獲得します。
夏
ターンオーダーに従って1アクションずつ実行していきます。
- 妖怪カード1枚をプレイ
- アンロックされたダイスの配置
- 川を渡る
- パス
すべてのプレイヤーがパスを選んだら夏フェイズが終了します。
秋
大精霊の住処でもっとも高い位置にダイスを配置したプレイヤーから順番にターンオーダーのトラックにマーカーを置いていきます。
誰も配置していない場合、ターンオーダーは変わりません。
冬
ゲームボードからダイスを個人ボードに戻します。好きな位置に戻せますが、ダイスの目を変えてはいけません。
妖怪カードが5枚以上(デッキ+個人ボード+捨て札+手札)ある場合、プレイ済みのカードを除外して得点を獲得できます。得点がいくら入るかはカード下部に書かれています。
その後、個人ボードに残ったカードを捨て札に移します。
タイルやカードの補充といった次のラウンドの準備を行います。
ゲームの終了
個人ボードにある収入を得てから、最終得点計算をします。
もっとも得点が多いプレイヤーの勝利です。
アクションの詳細
妖怪カード1枚のプレイ
手札から妖怪カードを1枚プレイして個人ボードの対応する位置に配置します。
その際、個人ボードにあったダイス1個のロックが解除されます。(赤のマスから緑のマスに移動させます)これによりそのダイスが配置できるようになります。
ロックを解除する位置に水晶が置かれていればその分の報酬を得ます。
それから妖怪カードに書かれているアクションを実行します。
個人ボードには妖怪カードを置く枠が3つあるため、必ず3枚プレイすることになります。(ダイスも3つあります)
アンロックされたダイスの配置
カードのプレイ(または他の効果)によってアンロックされたダイスをゲームボード上に配置してアクションを実行します。ダイスを配置する際、お守りを使うことでダイス目を増やすことができます。
アクションの効果はダイス目によって変わります。アクションスペースに建物があれば、その効果も発動させることができます。建物にはダイスの目が描かれており、その目以上のダイスを配置する必要があります。
すでにそのアクションエリアにダイスが置かれている場合、その目以上のダイスでないとアクションは実行できません。(建物アクションのみの実行は可能です)
川を渡る
ゲームボード上に配置したダイスを川の向こう側に移動させます。その際、ダイスの目をマイナス1します。(6の場合はマイナス1ではなく3の目になります)1の目はマイナス1できないため、川を渡れません。
川を渡ったら以下の3つのうちいずれか1つの恩恵を得ます。
- 美徳カードの獲得
- 妖怪カードの獲得
- 幻視カード1枚・磐座1枚・巡礼者の磐座への配置・木霊トラックを1進めるのうち異なる2つ
各スペースで他のプレイヤーが選んだ恩恵は選べません。
パス
妖怪カードを3枚プレイ、ダイス3つを配置したならばパスが選べます。これらのアクションが完了していなければパスはできません。
ハードパスのため、パスをするともうこのフェイズではアクションできません。
要素は多め運要素もそれなり
ワーカーとしてダイスを使用しますが、プレイ中に振る機会は一度もありません。配置したダイスはそのままの目で戻ってくるため、お守りを使わない限り目は大きくなりません。
今回は3人で遊び、ルール説明からプレイ終了まで3時間ほどでした。
とにかく要素が多いです。
資源は翡翠、酒、石、木の4つですが、獲得できるタイルが磐座タイル、御霊タイル、蜻蛉タイル、水晶タイルとあり、さらに水晶タイルはダイスロック時発動・収入時発動・条件発動と3種類にわかれています。
他にも妖怪カード、美徳カード、幻視カード、巡礼者マーカーがあり、巡礼者には鳥居や灯籠を目指したり、磐座に置いたり、美徳の道を進めたりと複数の使い方があります。
そのため、ゲーム終了時の得点計算も美徳カードのセットコレクション、アクションエリアでのマーカーの順位、磐座による得点、幻視カード(目標カード)の達成・不達成、個人ボードで解放されたマスの得点、残った資源とダイス目を足して4で割ると、ほとんどのものが得点に絡んできます。
ゲームのメインは夏フェイズで、ここで各自6~9アクションを行うことにします。
ダイス目はかなり重要で、先に大きい目を置かれてしまうとボードに書かれたアクションができなくなってしまいます。ただ、川を渡るとそのスペースが空くため、後で置ける機会もでてきます。
基本的にはカードをプレイしてダイスをアンロックし、そのダイスを配置という流れになるのですが、タイルの効果でもアンロックできるため、思わぬタイミングで先を越されてしまう可能性もあります。(巡礼者を破棄することでもアンロックできます)
また、カード自体にボード上のアクションが含まれていることもあるため、やろうと思ったアクションが先につぶされてしまうこともあります。
要素が多い上に、カードやタイルが何がでるかは運のため、自分の狙っているものが獲得できるとも限りません。
そのため、先を見据えてプレイするというよりかは、そのときどきでベストなアクションを選択するアドリブ力が重視されます。
なかなかのボリュームですが、言語依存はほぼありません。一部フレーバーがありますが漢字・ローマ字のため何となくわかります。
すべてがアイコン表記になっている分、慣れるまでは苦労しまが、テキストを読み込む手間はないため、手番の時間はそこまでかかりません。
とにかく情報量が多いので、最初は何をしていいのかわかりません。
ただし得点経路が多い分、どこを進めていってもそれなりに点数は取れます。
いろいろな場面で他プレイヤーと競うため、インタラクションはしっかりあります。タイルやカードの運要素が気にならなければ、プレイして損はないゲームです。
日本語版が発売されれば、かなり話題になりそうです。
タイトル | Bitoku |
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発行年 | 2021年 |
プレイ人数 | 1~4人 |
プレイ時間 | 120分 |
デザイナー | Germán P. Millán |
BGGリンク | Bitoku | BGG |