「ビヨンド・ザ・ホライゾン」は、文明開化をテーマとする2~4人用のボードゲームです。ワーカープレイスメントですが、アクションエリアがテックツリーになっており、ゲーム中に徐々に公開されていくところが特徴です。
ビヨンド・ザ・ホライゾンについて

各プレイヤーに個人ボードを渡し、キューブやコマなどをセットします。
ビヨンド・ザ・ホライゾンでは政治体制カードがあり、これがプレイヤーごとの個人能力となります。4枚両面仕様で8種類の能力があります。
ゲームボードにカードを準備します。テクノロジーエリアはⅠとⅣのカードは公開されていますが、ⅡとⅢはゲーム中に公開されます。
ゲームボード下部には基本アクションと強化アクションが描かれています。基本アクションはゲーム開始時から利用可能です。強化アクションはボード上に描かれている条件を満たすことで使えるようになります。
ほかに建物タイルをレベルごとにわけ、それぞれ3枚ずつ公開します。そのほかに文明発祥タイルとプレイヤーごとの初期土地タイルを配置します。
また、今回使用する目標カード3枚を公開します。
ゲームは終了条件を満たすまでラウンドを繰り返します。ラウンド中、プレイヤーは時計回りで手番を実行します。手番は4つのフェイズにわかれています。
- アクションフェイズ
- 勢力拡大フェイズ
- 生産フェイズ
- 目標フェイズ
1.アクションフェイズ
ワーカーを配置し、アクションを実行します。
テクノロジーエリアを調査することで、新たなアクションが公開されていきます。調査するためには前のレベルのエリアが調査済みでなければなりません。
最初にそのテクノロジーエリアを調査した場合、そこに置かれている調査カードが得られます。調査カードには即時効果や終了時得点の条件などが書かれています。
タイル上の入植者や兵士を移動させることで、探索ができ、新たなタイルが公開されます。探索は一手番に1回しか実行できません。
タイル上に入植者や兵士がいれば「入植」や「要塞化」といったアクションが行えます。
2.勢力拡大フェイズ

以下の4つの選択肢のうち、1つを実行できます。
- 新しい建造物の建造
- 既存の建物の建造
- 村への入植
- 都市の要塞化
新しい建造物の建造
まだ建造物が置かれおらず、入植もされておらず、ほかのプレイヤーのコマもないタイルに建造できます。(文明発祥タイルや自分の初期土地タイルにも建造可能です)
そのタイル上の自分の入植者の戦力値を1減少させ、建造物タイルに書かれたお金を支払います。
既存の建物の建造
すでに配置されている、ほかプレイヤーの建物に建造します。タイル上に書かれたコストを支払い、タイルに描かれたボーナスを得ます。
村への入植
入植トークンを1個消費し、入植を1回行います。
都市を要塞化
要塞化トークンを1個消費し、要塞化を1回行います。
3.生産フェイズ
生産フェイズでは以下の3つのうち、1つを実行します。
- 人口を増やす
- 貨幣を製造する
- 資源を交換する
人口を増やす
人口コマプールの解放されている各欄から、人口コマを1つずつ取ります。このとき、人口コマが残っていない欄は無視します。
貨幣を製造する
経済表を確認し、解放されている各マスに表示されているコインの合計値を獲得します。
資源を交換する
ボード上に描かれているレートで交換を任意の回数行います。
4.目標フェイズ
公開されている目標カードの条件を満たしたプレイヤーは、そのことを宣言し、発展表の左端のキューブをカードの上に配置します。これは任意ではなく、条件を満たした場合、必ず配置しなければなりません。
ただし、一手番では1枚の目標カードにしか宣言は行えません。
ゲームの終了
すべての目標カードの上に合計で4個のキューブが乗るとゲーム終了です。(2人戦の場合は3個)
そのラウンドを最後まで行い、もう1ラウンドを行ってゲーム終了です。
最終得点計算を行い、もっとも勝利点が多いプレイヤーがゲームに勝利します。
運要素強めのワーカープレイスメント

ワーカープレイスメントは運要素が少ないゲームが多いですが、ビヨンド・ザ・ホライゾンはビヨンド・ザ・サンと同様に、そこそこ運要素が強いです。
どのアクションが出るかがランダムな上、新要素である指導者カードにも強弱があります。
今回は2人で遊び、ルール説明からプレイ終了まで2時間半ほどでした。ちなみにわたしはビヨンド・ザ・サンをプレイ済みですが、相手は未プレイです。
ビヨンド・ザ・サンではアクションエリアにも相当なテキストがあったのですが、ビヨンド・ザ・ホライゾンではアイコン化されたため、見た目もスッキリしました。ただし、アイコンは初見だとわからないものも多いです。
ビヨンド・ザ・サンとの大きな違いとして、プレイヤー間のマジョリティ争いがなくなりました。今作はタイルをどんどん広げていく上に、ほかのプレイヤーが入植したタイルを要塞化することもできるため、インタラクション要素は薄まりました。(ほかのプレイヤーを攻撃するような要素もありません)
ゲーム中、お金の収入はどんどん増えていくものの、人口コマは有限のため、よく考えて使わないと後半足りなくなってしまいます。人口コマはテクノロジーカードとタイルのどちらにも配置することになるため、一方に置きすぎるともう一方まで手が回らなくなってしまいます。
ビヨンド・ザ・ホライゾンでは政治体制カードという個人能力が加わったため、ある程度、プレイの方針が立てやすくなっています。それぞれ何かの要素に偏った能力になっているため、その行動が取りやすくなっています。
アクションスペースがアイコン化され、わかりやすくなったものの、見るべき情報量が多いため、プレイ中に立ってしまうこともよくありました。今回2人でも結構な場所を取ったため、4人だと相当なスペースが必要になりそうです。
ワーカーを配置してアクションを実行というオーソドックスなゲームなのですが、人口コマの管理など独特な要素も多いため、遊ぶ人を選びそうです。
ビヨンド・ザ・サンが楽しめた人ならば、問題なく楽しめるはずです。

タイトル | Beyond the Horizon |
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発行年 | 2024年 |
プレイ人数 | 2~4人 |
プレイ時間 | 90~120分 |
デザイナー | Dennis K. Chan, Adam Hill, Ben Pinchback, Matt Riddle |
BGGリンク | Beyond the Horizon | BGG |